履歴書の「配偶者」「扶養家族」「扶養義務」の書き方は?
履歴書には、「扶養家族」の記入欄があります。扶養家族(配偶者を除く)と書かれており、さらに配偶者については「有無」と「扶養義務の有無」が別記載になっているのを見て、不思議に思ったことはありませんか。
さて、この扶養家族。いったい、家族の誰までが含まれるのでしょう。
アドバイザー
税理士 片田絵理税理士事務所代表 片田 絵理
1994年に会計事務所に入社、同年に税理士試験5科目に合格。その後、所属税理士として税理士業務に携わり、2017年に独立し税理士事務所を開業、現在に至る。
扶養家族(扶養親族)とは
扶養家族とは、生活費の面倒をみなければならない家族のことをいいます。この扶養家族ですが、税法の取り扱いと、健康保険の取り扱いでは対象となる範囲が少し違います。
税法(所得税・住民税)における扶養親族
税法では、扶養家族のことを扶養親族といいます。扶養親族とは、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(4) 青色申告者の事業専従者で給与を受けとっていないこと。または白色申告者の事業専従者でないこと。
「生計を一にする」というのは、例えば子供が学生で、親からの仕送りで生活しているような場合も含まれます。
ここに配偶者が含まれていないのは、所得控除額の計算をするときに「配偶者控除」と「扶養控除」が分けられているためです。扶養親族のうち、その年の12月31日現在で16歳以上の人が所得控除の「扶養控除」の対象となります。
注意点は、上記要件(3)の「所得金額が38万円以下」ですが、給与収入だけだと年間収入103万円以下となります。そのため、たとえば子どもがアルバイトをして、年間収入が103万円を超えると、扶養親族から外れることになります。
健康保険における被扶養者
健康保険では、自分本人のことを「被保険者」、扶養家族のことを「被扶養者」といいます。
被扶養者は次の要件のどちらかに当てはまる人です。
1.被保険者の直系尊属、配偶者(事実婚を含む)、子、孫、弟妹、兄姉で、主として被保険者に生計を維持されている人
2.被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人
【1】被保険者の三親等以内の親族(1に該当する人を除く)
【2】被保険者の事実婚の配偶者の父母および子
【3】【2】の配偶者が亡くなった後における父母および子
「生計を維持されている」というのは、被扶養者が被保険者と同一世帯の場合は、年間収入が130万円未満で、被保険者の年収の2分の1未満である場合をいいます。
被扶養者が被保険者と別世帯の場合は、被扶養者の年間収入が130万円未満で、被保険者からの仕送り額より少ない場合をいいます。※60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障がい者の場合は条件が変わります。
このように、扶養家族にあてはまるかどうかは、条件が決められています。
履歴書に書く場合、扶養家族の数はこの条件にあてはまる配偶者以外の扶養家族の人数の合計です。
※ただし、他の人の扶養家族になっている人は除きます。
配偶者とは
配偶者の範囲については、税法と健康保険で範囲が違います。
税法における配偶者
所得税の配偶者は、「民法上の配偶者(戸籍上の配偶者)であることと」いう要件があります。つまり、事実婚・内縁関係の相手は対象となりません。
健康保険における配偶者
健康保険の配偶者の範囲は、戸籍上の配偶者と、事実婚・内縁関係の配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人)も含まれます。
履歴書の「配偶者」欄は、結婚していれば(証明できれば事実婚であっても)「有」、独身なら「無」になります
配偶者の扶養義務とは
さて、履歴書に記載されている「配偶者の扶養義務」欄についてです。
配偶者が上記の所得税の扶養親族の要件(2)~(4)にあてはまれば、所得税の配偶者控除の対象になります。そして、健康保険の被扶養者の要件にあてはまる場合には、扶養されている配偶者となりますので、扶養義務「有」になります。
配偶者が働いていて自分で社会保険に加入している場合や、年収が130万円を超えるため自分で国民健康保険に入っている場合は「無」になります。
履歴書に配偶者や扶養家族を書く理由
履歴書に配偶者や扶養家族を書く背景は、所得税の計算や健康保険の手続きに配偶者や扶養家族の有無が必要だからです。企業によっては社宅や住宅手当、家族手当などの支給のために確認しているケースもあります。
履歴書への記載だけでなく、入社後にも、所得税の計算のために「扶養控除等の申告書」、健康保険は「健康保険被扶養者(異動)届」の提出を求められます。配偶者と扶養親族の氏名や生年月日、所得などを報告することで、税金の計算上の控除額や、社会保険の扶養の範囲の確認に関わってきますので、家族の収入なども把握しておきましょう。
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