入社3年目、4年目は転職のタイミングに適していますか?【転職相談室】
新卒入社3年目・4年目ともなると、仕事にすっかり慣れる頃。特に不満を抱いていなくても、「とりあえず3年が一区切り」という言葉を耳にし、転職を考える人も多くいらっしゃいます。
入社3年目・4年目に転職すべきかどうかをどう判断すればいいのかについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
目次
入社3年目、4年目は転職のタイミングに適していますか?(Nさん/営業職/25歳/女性)

相談者
<相談内容>
新卒で大手旅行会社に入社し、現在3年目。法人営業を務めてきましたが、すでにやり切った感があります。大学時代の友人が最近転職し、生き生きと働いているので、私もそろそろ転職しようかと考えるようになりました。社会人3年目・4年目という時期は転職するのに適しているでしょうか。
新卒で大手旅行会社に入社し、現在3年目。法人営業を務めてきましたが、すでにやり切った感があります。大学時代の友人が最近転職し、生き生きと働いているので、私もそろそろ転職しようかと考えるようになりました。社会人3年目・4年目という時期は転職するのに適しているでしょうか。
「3年目」「4年目」と、年数だけで転職を判断するのは避けた方がいいでしょう

アドバイザー
まず、社会人3年目・4年目が転職のタイミングとしてどうか、という点についてお話しします。
この年代は、転職市場では比較的有利といえます。ビジネスパーソンとして一通りの基礎を身に付け、実務経験を積んでいることから「即戦力」として期待される一方、「まだまだ新しいことを吸収できる」として、異業界からも受け入れられます。つまり、これまでの経験を活かす転職、未経験分野に移る転職、いずれもチャンスがあるということです。
ところが、転職先の選択肢が多い分、落とし穴もあります。内定を得やすいため、何となく転職してしまい、その結果、「やっぱり何か違う」ともやもや感を抱いたり、転職を繰り返してしまったりすることも多いのです。
友人など周りの人に影響を受けて安易に転職に踏み切るのはお勧めできません。「今の自分にとって転職は有効な手段か」を考え、目的を明確にした上で転職活動を開始しましょう。
この年代は、転職市場では比較的有利といえます。ビジネスパーソンとして一通りの基礎を身に付け、実務経験を積んでいることから「即戦力」として期待される一方、「まだまだ新しいことを吸収できる」として、異業界からも受け入れられます。つまり、これまでの経験を活かす転職、未経験分野に移る転職、いずれもチャンスがあるということです。
ところが、転職先の選択肢が多い分、落とし穴もあります。内定を得やすいため、何となく転職してしまい、その結果、「やっぱり何か違う」ともやもや感を抱いたり、転職を繰り返してしまったりすることも多いのです。
友人など周りの人に影響を受けて安易に転職に踏み切るのはお勧めできません。「今の自分にとって転職は有効な手段か」を考え、目的を明確にした上で転職活動を開始しましょう。
転職の目的で言うと、今の仕事では十分に経験を積んでやり切ったと思うので、違うことにチャレンジして、新しい経験を積みたいと思っています。

相談者
新しい経験は今の会社でもできるかもしれません

アドバイザー
しっかりと実績を挙げてきたこと、向上心を持つことはとてもすばらしいと思います。
けれど、今の会社で本当にやり切ったのでしょうか。今の仕事は一通りできるようになったかもしれません。けれど、今までにない手法を導入したり、新しいマーケットを開拓したりと、今の職場でも自分次第で新しいチャレンジはできるのではないでしょうか。あるいは、リーダー職に就いて、マネジメントスキルを磨く道もあるかと思います。
また、今の部署の仕事にはマンネリ感を抱いているかもしれませんが、別の部署に異動すれば新しい経験ができるということはないでしょうか。
けれど、今の会社で本当にやり切ったのでしょうか。今の仕事は一通りできるようになったかもしれません。けれど、今までにない手法を導入したり、新しいマーケットを開拓したりと、今の職場でも自分次第で新しいチャレンジはできるのではないでしょうか。あるいは、リーダー職に就いて、マネジメントスキルを磨く道もあるかと思います。
また、今の部署の仕事にはマンネリ感を抱いているかもしれませんが、別の部署に異動すれば新しい経験ができるということはないでしょうか。
考えていませんでしたね……。自分の部署内で仕事が完結するので、他部署と交流もなく、そういう発想は浮かびませんでした。

相談者

アドバイザー
Nさんと同様、大手企業に入社して3年目で転職を目指したAさんの事例をお話ししましょう。Aさんも自社の営業の仕事に対し、「やり切った」という理由で転職活動を開始しました。特に希望する業種はなかったので、大手ネット企業やコンサルティング企業など、知名度やブランドで選び、複数の企業に応募。順調に選考を突破し、複数企業から内定を獲得しました。
しかし、結果的にAさんは転職せず、元の会社にとどまることを選択したのです。その理由について、Aさんはこう語りました。
しかし、結果的にAさんは転職せず、元の会社にとどまることを選択したのです。その理由について、Aさんはこう語りました。
「さまざまな企業の面接で多くの人と話をしてみて、僕にはまだまだ足りないものが多いと気付きました。営業として現状のレベルでは、今の会社以外では通用しないな、と。『今後の成長に期待する』と言われ、内定はいただいたものの、何かやりたいという強い意思を持って転職を目指したわけではないので、どの会社にもピンと来ません。こんな中途半端な状態で転職してはいけないと思います。当面は今の会社でできることを頑張ります。」

アドバイザー
このAさんのケースからもわかるように、「今の会社ではやり切った」と感じていても、今の会社でもっと成長できる可能性があるかもしれません。視野が狭くなっていないかを見つめ直してみるもの良いかと思います。
Aさんのお話は、自分と重なる部分が多いように思います。確かに今の会社内でも、探してみれば、新しい経験を積むチャンスがあるのかもしれませんね。異動などの可能性も探ってみたいと思います。

相談者

アドバイザー
とはいえ、試しに転職活動をしてみるのも一つの手だと思います。今の会社で新たなチャンスを探すことと転職活動は並行してできることですから。
Aさんのように、いろいろな会社を見てみたからこそ新たな視点に気付けることもあります。最終的に転職する・しないに関わらず、転職活動してみることで視野を広げるのもいいかもしれません。
Aさんのように、いろいろな会社を見てみたからこそ新たな視点に気付けることもあります。最終的に転職する・しないに関わらず、転職活動してみることで視野を広げるのもいいかもしれません。
将来のビジョンによっては、早めの転職もアリ

アドバイザー
ところでNさんには、30代~40代になったとき、「こんなことをしていたい」「こんなビジネスパーソンになっていたい」というビジョンはありますか?
「この仕事をしていたい」という明確な目標はありませんが、結婚・出産後も長く働き続けたいとは思っています。プロジェクトマネジャーなど、裁量権を持って責任ある仕事をこなせるようになれたらいいですね。

相談者

アドバイザー
「将来のキャリアビジョン」も、転職に踏み切るかどうかを判断する基準の一つです。「5年後、10年後、こんな仕事をしていたい、こんな働き方をしていたい」というイメージを描いたとして、今の会社で働き続けた延長線上にそれがないのであれば、早いうちに転職を決断することも大切です。
今の会社の社風は気に入っていて、違和感はありません。将来のキャリアビジョンについては、この機会にじっくり考えてみて、今の会社でそれが実現できるかどうかを判断したいと思います。育休などの制度は整っていますが、実際に子どもを育てながらマネジメントポジションに就いている女性はあまり見ないような気がします。

相談者

アドバイザー
他部署にも目を向けて、自分が目指したいロールモデルになるような社員がいるかどうかを探してみるといいかもしれませんね。
まとめ

アドバイザー
ここまでNさんへお伝えした話から、転職すべきかどうかを判断するポイントについてまとめてみましょう。
・今の会社で学ぶべきことを学べたのか。異動などで新しい経験を積めるチャンスはあるか
・5年後、10年後に目指すキャリアビジョンを、今の会社で実現できそうか
・企業文化が自分に合っているか。自分の強みを活かせる風土であるか
・5年後、10年後に目指すキャリアビジョンを、今の会社で実現できそうか
・企業文化が自分に合っているか。自分の強みを活かせる風土であるか

アドバイザー
「3年が一区切り」という言葉や友人の動きに惑わされず、自分にとって今のタイミングでの転職が適切なのかどうかを見極めてください。
記事作成日:2020年8月3日 WRITER:青木典子 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部
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