
転職の際、退職間際にまとめて有給休暇を取ること(有給消化)を拒まれました。
来月末に退職することが決まりました。有給休暇が10日間未消化で残っていたので、出社は来月の10日までとし、残りは有給消化に充てたいと申し出たのですが、上司に拒否されてしまいました。残っていた有給休暇は未消化のままあきらめるしかないのでしょうか。
(S・Hさん、ほかからの質問)
法律上は取得可能です。上司ともう一度交渉することをオススメします。
労働基準法では、社員が有給休暇の取得を申請した場合、会社は認めなければならないことになっています。ただし、業務の繁忙期など、有給休暇を取得することが「事業の正常な運営を妨げる」ようなときには、会社は取得の時季を変更することが可能です。
しかし、退職間際の場合には、退職予定日までに残りの日数を取得しなければ年次有給休暇の権利は消滅してしまうため、退職後への変更は不可能です。そのため、請求した日に取得できるものと法的には定められています(※)ので、上司ともう一度交渉することをオススメします。
ただ、権利の主張も大切ですが、退職する会社への配慮も必要です。有給消化に入る予定日までに引き継ぎをしっかり終わらせる、仕事の資料や書類はあなたの後任者が見てもわかるように整理するなど、業務に支障をきたさない対応を心がけるようにしてください。
※2010年4月1日より、年次有給休暇を時間単位でも取得できる内容の法改正がありました。しかし、会社と労働者との間で労使協定が締結されていなければ利用できません。時間単位で取得できるかどうかは、お勤めの会社でご確認ください。
また、2019年4月1日に法改正があり、年次有給休暇を10日以上付与される方については、有給休暇が付与された日から1年間の有給休暇消化日数が5日未満の労働者については、会社が有給休暇を取得するべき日を5日消化するまで、残りの日数分を指定することが義務づけられました。
この内容は、2020/10/20時点での情報です。
(文責:編集部、アドバイザー:松尾友子、冨塚祥子)
関連Q&A
こちらの記事も読まれています
新着記事
- 2022年7月29日転職後、新しい職場で意識したい「教わり方」のコツ
- 2022年7月29日「成長実感が湧かない」原因とは?実感を得るための方法が知りたい【転職相談室】
- 2022年7月29日夢中になれるようなことが無く、仕事にのめりこめません【転職相談室】
- 2022年7月29日人間関係が良く年収にも不満はないけれど、もっと裁量を持って仕事をしたい【転職相談室】
- 2022年7月29日社会人歴10年目。想像していた自分よりも未熟だと感じる【転職相談室】
- 2022年7月29日カジュアル面談とは?採用面接との違い、よくある疑問・悩みを解説
- 2022年7月29日優秀な人から辞めていく…自分も辞めたほうがいいのでしょうか?【転職相談室】
- 2022年7月11日キャリアビジョンが見えないことが不安です【転職相談室】