限られた面接時間の中で効果的にアピールする方法・自分を売り込むコツ

面接で自分をうまくアピールしきれない、時間が足りないと感じる人のために、「限られた面接時間の中で自分を売り込むコツ」を組織人事コンサルタントの粟野友樹氏が解説。
面接でアピールしたいことを「質問してもらう」方法なども紹介します。
限られた面接時間の中で効果的にアピールするための下準備
短い面接時間の中で自分を効果的にアピールするためのポイントを、「すべての面接で実践したいこと」と「+αの準備」に分けて紹介します。
すべての面接で実践したいこと
- 「これだけは伝えたい」という内容を最初に決めて意識しておく
- エピソードを語るときには相手に伝わりやすいフレーム(STAR、5W1Hなど)を使う
- 「最後に何かありますか?」と聞かれた時に、伝えられなかったことがあれば言う
+αの準備
- 応募先企業の下調べをしっかりした上で、相手の企業について質問をする
- 応募企業の研究シートを作成する
- 自分のアピールをまとめた資料を職務経歴書とは別に作成する
すべての面接で実践したいこと
まずは、「これだけは伝えたい」という内容を最初に決めておき、面接中にいつでも話せるように意識しておくことが大切です。エピソードを語るときには、ダラダラと話さず、簡潔で伝わりやすいSTARや5W1Hフレームなどを利用すると良いでしょう。
エピソードを話す際には、課題を抱えたクライアントの組織の状況やプロジェクト規模、かかわった人数や達成した目標金額などを、数字や固有名詞で明確に伝えることもポイントです。
「最後に何かありますか?」と面接で聞かれた時には、それまでの面接で伝えられなかったことを遠慮なく伝えましょう。入社意欲や志望動機と絡めて伝えるようにするのがオススメです。「これだけは伝えたい」という内容が伝えられていない場合には、ぜひこのチャンスを活かしてください。
STARフレーム
「S:どのような状況で(Situation)」
「T:どのような課題があり(Task)」
「A:どのような行動をして(Action)」
「R:どのような成果が出たのか(Result)」
5W1Hフレーム
「When:いつ」
「Where:どこで」
「Who:だれが」
「What:何を」
「Why:なぜ」
「How:どのように」
【+αの準備1】応募先企業の下調べをしっかりした上で、相手の企業について質問をする
「自分のことを語る」だけではなく「企業について質問する」ことも有効です。ただしこの時に、少し調べれば誰でもわかるようなことを質問するのは逆効果です。応募先企業の下調べをしっかりした上で、相手の企業について質問をするようにしましょう。
質問例
- 「企業研究の結果、〇〇について調べて△△という考察をしましたが、□□については分からなかったので教えて頂けないでしょうか。」
- 「自分では〇〇という見立てをしていますが、それについてご意見を聞かせて下さい。」
- 「競合他社では〇〇という事業戦略をとっていますが、御社では△△という戦略を取られているのはなぜでしょうか。」 など
【+αの準備2】応募企業の研究シートを作成する
志望度の高い企業の面接では、十分な下調べや企業研究をしているということをアピールするために、応募先企業の研究シートを作成して面接で提示(Web面接の場合には、画面投影を)するのも一つの手です。
例えば、事業情報を同業他社と比較して強み/弱みの分析をし、課題を仮定して解決策をまとめてみるのも良いでしょう。
「自社について勉強をしてきた姿勢」は、企業にとって「志望度・働く意欲の高さ」に繋がります。たとえ、課題として仮定した内容があっていなくても、「しっかりと調べてきた」という事実はアピールになります。
また、「資料では〇〇と書いてくれていますが、実際には△△なんです」などと、担当者が実態を教えてくれ、面接の場で話が弾むかもしれません。
ここでの資料作成は、膨大な枚数を作成する必要はありません、A4サイズ1枚を目安にまとめると良いでしょう。
【+αの準備3】自分のアピールをまとめた資料を職務経歴書とは別に作成する
これまでのキャリアやスキルを網羅的にまとめた職務経歴書とは別に、応募企業にとって自分が有用な人材だとアピールできるような資料を作成するのもオススメです。
例えば、転職エージェントなどを通して「企業の抱えている課題」を確認し、その課題に対する自分の考えや貢献方法をまとめてみましょう。自分目線ではなく、企業目線に立ったアピールができ、他の応募者との差別化につながります。
他にも、一番アピールしたいプロジェクトや仕事内容について、具体的かつ詳細にまとめるのも一つの手です。職務経歴書とは別に作ることで、関係図やグラフ、イメージ画像を入れることができ、より自由な表現が可能となります。
様々なプロジェクトを担当してきたことをアピールしたい場合には、プロジェクト一覧をまとめるのも良いでしょう。面接終了後に回収することを前提に、クライアント企業名や商品などの固有名詞などを用いてより詳細に伝えることも可能になるかもしれません。
面接でアピールしたいことを「質問してもらう」ためには、自己紹介と職務経歴書も大切
これまで経験してきたたくさんの仕事の中から、アピールしたい内容について質問してもらうためには、自己紹介と職務経歴書で「興味を持ってもらう」ことが大切です。自己紹介には「質問してほしい内容」を織り交ぜ、職務経歴書では「アピールしたい内容」を強調表記しましょう。
自己紹介に「質問して欲しい内容」を入れ込んでおく
面接における自己紹介は、「今日の面接でこれを話したいです」という宣言のようなものです。当たり障りのない内容で済ますのではなく、「強みやこだわり、力を入れている仕事」「成果」「入社意欲」を織り交ぜましょう。
この時に、自己紹介だけで全てを伝えようとしないこともポイントです。質問したくなるように、概要だけを頭出ししましょう。
自己紹介の例
本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございます。【挨拶】
〇〇と申します。△△大学を卒業し、株式会社△△にて、法人営業職として5年間勤務しております。【氏名と略歴】
特に直近の2年間は、カスタマー視点・意見を取り入れた商品提案に力をいれており、その一環として定期的なWebセミナーの企画運営をメイン担当として行ってきております。【強みやこだわり、力を入れている仕事】
昨年度はチームの売上目標125%達成に貢献することができました。【成果】
従来の方法を引き継ぐだけではなく、成果を出すために探求し、挑戦してきた経験をぜひ御社でも活かしていきたいと考えております。【入社意欲】
どうぞよろしくお願いいたします。【結び】
職務経歴書では「アピールしたい内容」を強調して記載する
職務経歴書では、自分についてアピールしたいテーマをあらかじめ決めて起き、それにまつわる内容を中心に、キーワードを散りばめるのがポイントです。
面接で質問してほしい部分や、拾い読みしてほしい部分は、文字フォント数を大きくしたり、【】や下線、太文字などを使ったりして、強調して記載すると良いでしょう。見出しをつけるのも有効です。
注意したいのは、アピールしたいからといってダラダラと長文で書きすぎないことです。長すぎると要点をつかみにくく、読むのが億劫になりかねません。詳細は面接で話すことを前提にして、前述したSTARフレームやPREP法を使って簡潔に記載するようにしましょう。
PREP法
「P:結論(Point)」
「R:理由(Reason)
「E:事例、具体例(Example)」
「P:結論を繰り返す(Point)」
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