幹部候補として転職する方法|必要なスキル・採用されるためのコツ

幹部ポジションを目指して転職活動を進める中で、よく目にする「幹部候補」という求人募集。
「幹部候補」とはどんなポジションを指し、実際に幹部になるためにはどうすればいいのでしょうか。
組織人事コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
転職における「幹部候補」とは
そもそも、転職における「幹部候補」とはどういう意味を持つのでしょう。
幹部候補とは、将来的に経営陣や上級管理職の役割を担い、企業経営の中核となることを期待される人材です。
企業によっては、次世代リーダー、幹部候補生と呼ぶところもあるでしょう。
ただ“候補”という言葉が示す範囲があいまいなため、募集する企業によってかなり解釈の幅があります。
例えば、「部長ポジション」として募集し、役員候補として期待するという、まさに幹部候補募集の意味合いで用いる場合もあります。
一方で、管理職未経験の募集や第二新卒募集で「10年・20年後などの未来に幹部になってもらいたい」という意味での求人もあります。
中には、企業側が多くの人材に応募してもらいたいと考え、「幹部候補」というポジション名で募集することで、求人をより魅力的に伝えようとするケースもあります。
そのため、幹部を目指して転職活動を行う場合は、「幹部候補」という言葉だけで判断せずに、募集している仕事内容や待遇、年収、入社後のキャリアパスなどをしっかり確認し、入社後に、自分が目指すポジションにどれくらいのスパンで就ける可能性があるのかを見極めることが大切です。
転職して幹部になる3つの方法
転職を通じて幹部ポジションを目指すにはどんな方法があるのか、注意すべきポイントとともに考えていきましょう。
なお、「幹部候補」が示す範囲として、ここでは部長ポジション以上を想定していきます。
・幹部候補募集で転職をする ・現職等で管理職経験を積んでから転職をする ・小規模組織での幹部実績を積む |
1. 幹部候補募集で転職をする
上級管理職や役員募集など、「幹部」がどんなポジションや役割を担うか、きちんと明記された企業に応募しましょう。
求人内容(仕事内容、年収などの待遇など)を把握し、面接の中でも、自分が期待する幹部候補募集なのか、いつ幹部登用されるのが現実的かなどを確認することが大切です。
幹部候補として入社した社員のキャリアパス事例を聞くなど、判断材料を丁寧に集めるといいでしょう。
注意すべきは、「候補」である以上、契約書面などに明確な記載がない限り、ポストを確約するものではないということです。
また、最初から管理職のポストを用意して迎えてくれる企業の場合は、労働基準法の「管理監督者」に該当する管理職なのかどうかを確認しておきましょう。
「管理監督者」に該当する場合は、基本的には残業手当や休日出勤手当はありません。該当しない場合には、これらの手当は支給対象となります。
手当の細かな内容も、事前に確認できると安心でしょう。
2. 現職等で管理職経験を積んでから転職をする
現時点での経験・スキルが不足している場合は、現職や転職を通じて管理職経験を積み、幹部候補としての力を身に着けたあとに転職をするのも一つの方法です。
部長ポジション以上であれば、事業や組織全体を見る目が求められることが多いため、戦略企画ビジョンを描いて実行する経験や、財務知識、ピープルマネジメント実績などが必要になるケースが多いため、これらの経験を積むことを意識して仕事に取り組むと良いでしょう。
3. 小規模組織での幹部実績を積む
幹部ポジションのニーズが顕在化している、スタートアップ・ベンチャー・中小企業などに転職し、実務経験を積むやり方もあります。
企業規模が小さく、成長途上の組織では、経営幹部になるチャンスが相対的に大きくなるため、比較的チャンスを掴みやすいのが特徴です。
知人が経営者・経営陣である場合は、縁のある会社にリファラル採用で転職できるケースもあるでしょう。
幹部候補として採用されるために必要なスキル・スタンス・経験
では、「幹部候補」として転職をしようとした際に、求められるスキルや経験にはどういったものが含まれるのでしょうか。
以下の3つの観点から解説していきます。
・ポータブルスキル ・テクニカルスキル ・実績とキャリア面 |
1. ポータブルスキル
部長ポジション以上での経営幹部候補の場合、事業全体や組織運営にかかわるポータブルスキルが求められます。
担当するプロダクトや、個人の業務に限定したレベルではなく、部門全体を見る経営視点があることが望まれるでしょう。
具体的には、
- 組織や事業の課題を解決する力(課題解決力)
- 組織や事業の計画を立てる力(戦略的思考)
- 組織や事業を動かす力(リーダーシップ)
が求められます。
部下のピープルマネジメント、対社外のプロジェクトにおける責任者としての折衝、対社内で事業計画や組織ビジョンについて提案するなど経営陣への対応実績も問われるかもしれません。
また、自分自身や組織・事業、目の前の状況などを客観的、多面的に考察できる「メタ認知力」も大切です。
異分野の情報をヒントに課題解決・新しいアイディアを生み出せるかどうか、感情だけに支配されずに本質を読み取り、多様な選択肢を検討できるかなども見られるでしょう。
2. テクニカルスキル
専門性の高い特定領域の経験や、豊富な成功・失敗体験を通じて、自分の強みや弱みを客観的に把握しているかどうかも問われます。
経営幹部候補となれば、ヒト・モノ・カネ・情報に関する全般的な知見が求められ、財務諸表を読み解けることや、リスクマネジメントやITについても一定の知識を持ち、専門部署の情報を理解しながら協同して的確に指示を出せるかどうかも重要になるでしょう。
3. 実績とキャリア面
幹部ポジションを目指す転職活動では、実務経験を通じて自らが主導した高い実績の有無も問われるでしょう。
そのため、下記のように、具体的な数字と共に伝えることが重要です。
- 組織や事業を◯%拡大した
- 離職率〇%だった組織を、△%まで下げて立て直した
- 業務効率アップに向けて、~~の仕組みを構築し、残業率を〇%引き下げた
- 新規事業を立ち上げ、〇%の売上アップに貢献した
また、自分なりのキャリアビジョンを言語化して他者に伝えることができるかどうかも大切なポイントです。
キャリアの棚卸しを徹底し、自身のキャリアについて力強い物語(ナラティブ)を語れるよう、なぜ幹部ポジションを目指したいのかをしっかりと整理していきましょう。
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