履歴書の送付状（添え状）の書き方見本とマナー｜NG例とテンプレート付き

送付状（添え状）の書き方と見本例、履歴書や職務経歴書を郵送する際のマナーなどを解説。

Word・Excel形式の送付状のテンプレートをダウンロードでき、やりがちなNG例や、書き出しに使える頭語と時候のあいさつ例文、上旬・中旬・下旬に関係なく送付月全般で使える季語一覧なども確認できます。

送付状を同封するメリットや、送付状に対する人事の評価なども紹介しているので、ぜひご参考にしてみてください。

履歴書・職務経歴書の送付状とは

送付状は「添え状」「送り状」「カバーレター」などとも呼ばれます。

「誰が」「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのかを明記することで中身を知らせ、補足事項を伝える役割があります。

双方の認識ミスを防ぐメリットがあり、ビジネスマナーが身に付いている証しにもなるでしょう。

履歴書・職務経歴書に添える送付状のメリット

履歴書や職務経歴書を郵送する際に、送付状を同封するメリットは、以下の３つです。

1. どの求人の応募書類なのかが明確になる
2. 簡単なPR文を入れることができる
3. 同封している書類が明確になる

1.どの求人の応募書類なのかが明確になる

複数のポジションを募集している企業に応募する場合、履歴書や職務経歴書だけではどの求人に応募したのか分かりません。

送付状に補足しておくことで、採用担当者もすぐに判断することができるでしょう。

2.簡単なPR文を入れることができる

送付状に簡単な志望動機や自己アピールを入れることで、応募書類を補足することができます。

選考に大きく影響することはありませんが、意欲を伝えることができるでしょう。

3.同封している書類が明確になる

同封した書類の内容も明記することで、採用担当者が種類と枚数を把握することできます。

応募する企業や職種によっては、履歴書や職務経歴書以外にポートフォリオなどの資料を同封するケースがあります。

送付状のファイルを手元に置いておけば、どの企業に何を送ったのか確認することができるでしょう。

送付状の書き方見本例（Word・Excel形式テンプレートダウンロード付き）

送付状に決まったフォーマットはありません。

そのため簡単に「応募させていただきますので、よろしくお願いいたします」というだけの内容でも問題はありませんが、せっかくなら自分をアピールするためのツールとして活用したいところ。

なお、送付状はパソコンで作成しても手書きで作成してもどちらでも問題ありません。

ここでは、以下の２パターンについて送付状の書き方を見本例と併せて解説します。

1. パソコンで作成する場合の見本例（Word・Excel形式でのダウンロード付き）

2. 手書きで作成する場合の見本例

1. パソコンで作成する場合の見本例とテンプレートダウンロード

1. 送付年月日 2. 宛先（個人宛は「〇〇様」、企業や部署宛は「〇〇御中」） 3. 氏名・連絡先（携帯電話番号も忘れずに） 4. 頭語＋時候の挨拶 5. 簡単な自己PR 6. 結語 7. 同封した書類と枚数を記載

送付状のテンプレートダウンロード（Word・Excel形式）

Word・Excel形式の送付状のテンプレートです。

ダウンロードし、日付や宛先、氏名や連絡先、自己PR文や同封書類の箇所を修正してご利用ください。

また、自動で作成日が入るテンプレートもあります。

手書きで作成する場合の送付状の書き方見本

1. 頭語＋時候の挨拶 2. 簡単な自己PR 3. 結語 4. 送付年月日 5. 氏名 6. 宛先

送付状の書き出しに使える「頭語と時候のあいさつ」例文

送付状は「あいさつ状」でもあります。

そのため、頭語と結語をペアにして記載するのがマナーです。

頭語は「拝啓」、結語は「敬具」を使うのが一般的でしょう。

季語を使わない、送付状の書き出し例文

拝啓　貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

季節を表す言葉を使っていないため、通年を通して使うことができます。

季語を使った送付状の書き出し例文

頭語の後に時候のあいさつ（季語を含んだあいさつ文）を入れると、より丁寧な印象になるでしょう。

挿入する場合は、頭語の後で改行するか、一字空けて続けます。

季語にはそれぞれに時期があるので、送付状を出す時期にふさわしい季語を選ぶようにしましょう。

季語を使った例文（2月上旬から中旬）：
立春の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。

季語を使った例文（8月中旬）：
晩夏の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のことと拝察いたします。

上旬・中旬・下旬に関係なく送付月全般で使える季語一覧

送付月	季語
1月全般	寒冷の候 厳冬の候
2月全般	向春の候 梅花の候
3月全般	弥生の候 萌芽の候
4月全般	春爛漫の候 春陽の候 春暖の候
5月全般	新緑の候 若葉の候 緑風の候
6月全般	向暑の候 深緑の候
7月全般	盛夏の候 猛暑の候
8月全般	初秋の候 残暑の候
9月全般	爽秋の候 秋涼の候
10月全般	清秋の候 秋冷の候
11月全般	向寒の候 残菊の候
12月全般	師走の候 寒冷の候

履歴書・職務経歴書の送付状の書き方と送り方マナー

送付状を作る際に気を付けたい書き方マナーをチェックしましょう。

用紙選び

職務履歴書のA4サイズに合わせて、送付状もA4サイズに揃えましょう。

パソコン作成時のマナー

ビジネス文書なのでパソコンで横書きが一般的です。

「です・ます」調で統一し、フォントはパソコンに標準搭載されている明朝体やゴシック体を選ぶといいでしょう。

手書き時のマナー

手書きの場合は縦書きで、消えない黒ボールペンを使用します。

間違えた場合は、修正液を使わずに新たに書き直しましょう。

文末の最後に送付日を入れ、送付先の企業名は末尾に記載します。

封筒への入れ方

書類は、「送付状に記載した順番」で同封すると、受け取った担当者が確認しやすくなります。

クリアファイルに入れ、郵送中の折れ曲がりや濡れを防ぎましょう。

一般的には、以下の順番で、1が一番上になるように入れます。

1. 送付状
2. 履歴書
3. 職務経歴書
4. その他必要書類

封筒の選び方

A4サイズの送付状や書類を同封して送るので、角形A4号か角形2号を選ぶといいでしょう。

同封書類が多く厚みがある場合は、大きい角形2号に入れましょう。

封筒表面の書き方

封筒の表面に郵便番号、企業の住所、企業名、部署名を書きましょう。

宛先は、個人名がわかる場合は「〇〇様」と書き、わからない場合は「採用担当 御中」を書きます。

表面左下には赤の油性ペンで「履歴書在中」、職務経歴書同封の場合は「応募書類在中」と記載し、四角で囲みます。

送付状でやりがちなNG記入例

送付状作成時にやりがちなNGパターン3例を確認しておきましょう。

1. 転職理由、自己PR、志望動機などの説明が長い
2. 定型文だけで書かれている
3. 希望条件など不必要な内容を書いている

1. 転職理由、自己PR、志望動機などの説明が長い

送付状は応募書類に添えるものです。

送付状では、自己PRや応募の経緯を簡潔に記載するに留めましょう。

2. 定型文だけで書かれている

定型文をつなげて作成された送付状は、事務的・機械的な印象につながります。

志望度が低いと受け取られる可能性もありますので、自分の言葉で、その企業に応募した理由を伝えましょう。

3. 希望条件など不必要な内容を書いている

送付状はあいさつ状ですので、希望条件を書くところとして不適切です。

書くのであれば、履歴書の本人希望欄に書くか、面接で伝えましょう。

送付状に対する人事の評価

企業の採用担当者300名に対して独自にアンケート調査を行ったところ、「送付状が評価に影響する」という声は約3割でした。

送付状の有無によってビジネスマナーを判断される可能性もあるため、可能であれば履歴書や職務経歴書とともに送付状も同封しておきましょう。

＜人事担当者の声＞

• 真剣さを判断する一環としてチェックします【サービス系/1,000～3,000人未満】
• 添え状は必須要件ではないですが、アピールポイントにはなると思います【その他/100～300人未満】
• 定員募集の場合、採用人数をオーバーできないので、同率の評価の人物のどちらかを選ぶとなれば、好感のあるカバーレターであれば、その人物を採用したい。が、まず同率評価になる事はない【商社系（総合商社・素材・医薬品他）/500～1,000人未満】
• 気遣いのあらわれになるのであればプラス評価だが、無いからと言って減点にはしない【サービス系/100～300人未満】
• 礼儀正しいしっかりした人だという印象を持ちます。書類で落とすことはせず、会ってみようと思います【サービス系/100～300人未満】
• 履歴書の一部とみなしている。紙幅の都合で書ききれなかったことの補足と考えているが、それ以上でも以下でもない【メーカー系（電気・電子・機械系）/1,000～3,000人未満】

【アンケート調査概要】「リクナビNEXT　採用実態調査」　実施期間：2017年3月23日～3月27日　調査機関：楽天リサーチ　調査対象：直近一年間に正社員の中途採用に携わった従業員50名以上の企業の採用担当者300名