職務経歴書に書かないほうが良いこととは?評価される応募書類とは
企業が最初に目にする応募書類の一つが職務経歴書です。自身の経験・スキルを伝え、応募先企業で活躍できるとアピールするものです。
大前提として、自分をより良く見せようと経歴を偽ったり必要以上に大げさに伝えたりするのはNGですが、それ以外にも避けたほうがいいことがいくつかあります。
今回は、職務経歴書で書かないほうがいいこと、評価される職務経歴書のポイントを、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が解説します。
職務経歴書に書かないほうがいいこととは?
職務経歴書に書かないほうがいい、避けたほうがいいことをご説明します。いずれも読み手の立場が考えられておらず、かつ応募者の魅力が伝わらないので注意が必要です。
募集内容に合致しないアピール
採用担当者は職務経歴書で、「今回の募集内容に合っているかどうか」を知りたいと思っています。「とにかく自分を売り込みたい」と経験・スキルをやみくもにアピールする人がいますが、募集内容とずれた内容だと「自社とは合わない」と判断され、書類選考で落ちてしまう可能性もあります。
自身の経験・スキルの棚卸しを行い、募集内容との共通項を抽出してアピールすることが重要です。
具体的でない実績、エピソード
経験・スキルを裏付けるため、実績やエピソードを交えて説明することは大切ですが、肝心の実績、エピソードが具体的でないケースが見られます。
応募書類は、応募者自身の強みや人となりが想像でき、入社後の活躍ぶりまでイメージできることが重要。具体的で臨場感のあるエピソードを心がけましょう。
読み込みが必要な長文
たくさんの応募書類に目を通さなければならない採用担当者にとって、長文でダラダラ書かれた応募書類を読むのは負担になります。さらに、「この人は書類作成能力が低いのでは?」とビジネススキル自体を不安視されてしまう可能性もあります。
繰り返しになりますが、応募書類は読み手のことを考えて作成することが基本。読みやすくわかりやすく、簡潔にまとめられるよう工夫しましょう。
中途半端な退職理由
職務経歴書に退職理由を記す方がいますが、中途半端な内容であれば書かないほうがいいでしょう。限られた文字数では事情が正しく伝わらず、言い訳のような印象を与えてしまう可能性があるからです。
職務経歴書では、退職理由は必須項目ではありません。無理に応募書類の段階で記載せず、面接で問われたときに伝えることをお勧めします。
職務経歴書は「読み手の視点」に立ってまとめよう
職務経歴書には事実を正しく書くことが大前提ですが、そのうえで、読み手である採用担当者の立場に立って作成する姿勢が大切です。
採用担当者が最も知りたいのは、応募者が募集内容に合致した経験・スキルを持っているかどうか。また、社風にマッチし長く活躍してもらえそうかです。そのためにも、求人情報や募集要項を読み込み、自身の経験・スキルと合致している部分を洗い出したうえで、わかりやすく伝えることが大切です。
そして「読みやすさ」も重要です。採用担当者は何十通、ときに何百通もの職務経歴書に目を通さなければならないため、経験・スキルを一目で伝える工夫をすることが大切です。読みにくい書類は読み飛ばされたり、後回しにされたりしてしまう可能性もあるので注意しましょう。
評価される職務経歴書のポイント
以上を踏まえ、読み手に魅力が伝わり、好印象を与える職務経歴書のポイントをまとめてみます。
サマリー、見出しを入れる
職務経歴書の冒頭に、職務経歴を数行程度でまとめたサマリーを入れるといいでしょう。経歴が最初にわかるので、応募者理解が進み、その後の文章も読み進めてもらいやすくなります。転職回数が多い、ブランクがあるなどの場合は、その理由をサマリーで簡単に触れておくとネガティブな印象を軽減できます。
適宜、見出しを挟み込むのも有効。自己PRも、自身のアピールポイントを示した見出しを付ければ、一目で応募者の強みが伝わります。
箇条書きで記載する
ダラダラと文章で書くよりも、適宜箇条書きにしたほうが要点はわかりやすくなり、読みやすさがぐんと上がります。
職務経歴を役割ごとに箇条書きでまとめれば、どのような経験があるのかすぐに伝わりますし、自己PRを箇条書きにすれば、強みがより際立つので効果的です。どうしても文章が長くなりがちという人は、箇条書きをうまく取り入れることをお勧めします。
実績はできるだけ数値化する
言葉で説明するよりも数字で説明したほうが、レベル感が伝わりやすくなります。営業職など実績を数字で示しやすい職種の場合は、目標達成率や前年比の伸び率、顧客開拓件数、表彰回数や順位など、できる限り数値で記入しましょう。
事務系職種など、実績が数字で示しにくい職種の場合でも、可能な限り数値化したほうがアピールに説得力が増します。たとえば、担当した業務範囲の広さ、業務効率化の成果など。「仕入れている備品をすべて見直し、前期比で〇%コストを削減できた」「残業時間短縮プロジェクトに参加し、チームの残業時間を〇%減らすことができた」などと示すといいでしょう。
メリハリを意識する
応募企業に評価されたいあまりに、自身の強みを余すところなく書き込もうとする人がいますが、どうしても冗長な文章になり、結果的に「要点がわからない」と読み飛ばされてしまう可能性があります。
募集内容に合致する部分、自分の強みとしてどうしても伝えたい部分を抽出し、それ以外の部分はそぎ落とすか補足程度の説明にとどめるなど、メリハリをつけることが大切です。
採用担当者の気持ちになって読み返してみよう
職務経歴書を作成し終えたら、採用担当者の気持ちになって客観的に全体を読み返してみることをお勧めします。主に以下の点をチェックするといいでしょう。
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- 文章が多すぎて、圧迫感がないか
- 全体の印象がすっきりしているか。「読もう」という気持ちになれるか
- アピール内容が応募企業とずれていないか
- 書かれている内容に一貫性があるか
- 実績やエピソードに具体性があるか
- 誤字脱字や、わかりにくい言い回しはないか
- 自信満々で偉そうな表現になっていないか
- ネガティブな印象を与える記述はないか
採用担当者の気持ちに立つのが難しい、なかなか客観的になれないという場合は、家族や友人など、自分のことをよく知っている第三者に見てもらうのもいいでしょう。思わぬズレや漏れに気づくことができるかもしれません。
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