マネジメントの仕事とは?仕事の範囲や経験するメリット、目指し方を紹介

キャリアの次のステップとしてリーダーやマネージャーを目指す際、どのような準備や心づもりをしておけばいいのでしょうか。
マネジメント業務の仕事内容、経験するメリット、目指し方などを、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏に教えていただきました。
マネジメントの仕事の範囲、具体的な役割とは
マネジメントの仕事は単にメンバー管理や数値管理だけに留まらず、その守備範囲は多岐にわたっています。ビジネスパーソンとしての経験・スキル・知識を総動員する必要がある仕事だということを、まずは理解しておくといいでしょう。
<マネジメントの主な仕事>
- 目標設計と管理
事業から降りてきた目標をどう達成するか、設計し管理する - スケジュール管理
目標に対する全体スケジュールの設計と進捗の確認、軌道修正 - チーム管理
チームでの情報共有、円滑なコミュニケーションの推進 - メンバー管理
個人目標の割り振り、目標達成度合いの管理、それぞれの志向の把握 - フィードバック
メンバーに評価や改善点のフィードバック、強み弱みのフィードバック - メンタルヘルス
メンバーの心身の健康管理、モチベーションの管理
マネジメントの仕事を経験するメリット
マネジメントの仕事では、さまざまな役割を担いながらプロジェクト管理・組織運営・問題解決などを同時並行で行う必要があります。経営視点に立って物事を捉えらなければならないシーンも増えるため、幅広いスキルが否応なしに磨かれていきます。
また、マネジメントのポジションにいるとメンバー時代に比べて関わる人が増え、その階層も幅広くなります。コミュニケーションスキルや対人折衝力など、広範囲の人に影響を与えるスキルも上がっていくことでしょう。
また、マネジメント職を経験する過程で、次の世代にノウハウを継承する使命感を覚える人も多いと思います。人材育成という難しさも経験する反面、育て上げる喜びと達成感も得られます。
転職にも有利に働く
キャリア構築の観点で考えると、マネジメント経験は転職時の選択肢を増やすことにもつながります。マネジメントを経験すれば、「マネジメント経験者」の転職市場に入ることができるためです。
マネジメント経験を活かして転職することは、その後の給与待遇にも大きく影響してきます。
厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査「役職、性別賃金および役職・非役職間賃金格差」によると、役職・非役職間の賃金格差は、非役職者を100とした場合、男性では、部長級201.7、課長級167.3、係長級128.0。女性では、部長級209.8、課長級178.6、係長級136.0となっています。
実際の賃金で見てみると、男性の場合、40.8歳の非役職者の賃金が298万円であるのに対して、48.5歳の課長級の賃金は499万円となっています。
また、マネジメント経験を武器に、さらに上のポジションを目指す方法もあります。
例えば、大手企業でマネージャー経験のある人が、ベンチャー企業に本部長のポジションで転職したケースがあります。組織の中で自分の階層を上げていきたい場合、マネジメントの経験は必須要素になってきます。
マネジメント職の目指し方
マネジメント職を目指す方法には、いくつかの道筋があります。
・マネジメント職を目指していることを上司に伝える
会社によってはマネジメント職に就く条件として、昇進試験への合格など何らかのルールが設定されていることがあります。まずは上長にマネジメント職希望である旨を伝えてみることをお勧めします。マネージャーになるためにはどんな条件をクリアしなければならないか、どんなスキルを積み重ねていったらいいのかなどのアドバイスをもらえれば、自分の中で具体的な道筋が見えてくるでしょう。加えて、マネジメント職に意欲があることを上長が認識することで、リーダーやマネージャーに抜擢されるチャンス創出へとつながっていくことも考えられます。
・若手のうちから「教える」「束ねる」経験をする
今の仕事で与えられた目標をしっかりと達成し、周りから信頼されたり目標とされたりするような影響力を持つ存在になることは、マネジメント職を目指す人にとって欠かせない要素です。とはいえ、メンバーとして優秀な成果を出すだけでなく、管理職としての適性も身につけていく必要があります。今までの延長線上でスキルを高めていくのではなく、マネジメントの視点を持って仕事に取り組んでいくことが大切。まずは小さなプロジェクトでもいいので、責任ある役割にどんどん手を上げて「メンバーを束ねる」「メンバーに教える」などの経験値を増やしていくといいでしょう。
・スタートアップ企業に管理職候補で転職するという方法も
現職で時間をかけて経験を積むのではなく、早くマネジメント職に就きたいのであれば、成長中の企業に管理職候補として転職するという選択肢もあります。
マネージャーを目指すなら「なりたいマネージャー像」を明確にしておこう
ただぼんやりと「マネージャーになりたい」と思っているだけでなく、自分はどんなマネージャーを目指したいのか、マネジメント職に就いたらどんなことをしたいのかなど、明確にしておきましょう。
それにより行動がブレなくなり、マネジメントに必要な経験やスキルを効率的に身につけられるようになります。
もし「明確化が難しい」と感じているなら、社内の身近なマネジメント層を参考にしてみるといいでしょう。
例えば、部下に寄り添いうまく育成して組織を強くするタイプ、強いリーダーシップを発揮して部下を牽引していくタイプ、関係各所との調整がうまく問題解決に優れているタイプなど、さまざまなリーダー像が見られると思います。
中には、「成果は上げているけれど、部下の気持ちを理解していない」など反面教師となるようなマネージャーもいるかもしれません。
いい例、悪い例を含めいろいろなマネージャーを観察する中で、その中から目指したい方向性が徐々に見えてくるでしょう。
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