今の仕事が激務すぎる…転職するかどうか迷っています【転職相談室】
IT企業で営業職に就いているけれど、激務すぎて事務職への転職を考えているというSさんに、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんがアドバイス。転職する場合の方向性について、ご指南いただきました。
目次
今の仕事が激務すぎる…転職するかどうか迷っています(Sさん/営業職/30歳/女性)

激務から逃れたいから事務職に転職、で本当にいいのか?
アドバイザー
まずは今の仕事についてお聞かせください。かなりの激務のようですが、何が一番辛いと感じていらっしゃいますか?
相談者
今の会社には2年前に転職してきました。新しいITベンチャーで、新規開拓が必要なのですが、まだまだ営業手法が確立できていないので自分たちでやり方を考え、開拓しなければならない大変さを感じています。また、プロダクトの仕様がコロコロ変わるので既存顧客のフォローも行わなければならず、新規開拓に専念できないのもしんどいですね。これにメンバーフォローが加わったので、本当に気を抜く隙もないんです。
アドバイザー
では、事務職への転職を希望しているのはどういう理由からですか?
相談者
営業の仕事自体は嫌いではないのですが、今後を考えたら長く続けられないと感じていて…事務の仕事がやりたいというよりは、今の激務から解放されたいという思いからです。事務なら自分のペースで働けるし残業も少ないはず。営業のように数字に追われることもありませんから。
アドバイザー
営業の仕事には、どのようなやりがいを感じているのですか?
相談者
クライアントの課題を解決し、感謝されたときに喜びを感じますね。人とコミュニケーションを取るのが好きなので、新規開拓も特に苦ではありません。ただ、あまりに激務すぎるので、最近ではそういう喜びを感じる心の余裕すらないのですが…。
経験が活かせる営業事務ならば重宝されるが、給与ダウンは避けられない
アドバイザー
Sさんの場合、大きく3つの方向性が考えられます。まず1つめは、同業界同職種で、組織体制がしっかりしている企業への転職。今はITベンチャーで、組織や営業体制が未整備ゆえに負荷が大きいので、上場企業や市場シェアが高い企業、設立後ある程度の年数が経っている企業などに移れば、かなりの負荷が軽減できるはず。外資系も、役割分担が明確に決まっている企業が多いので、営業活動だけに専念できると思います。
2つ目は、営業経験を活かして近しい職種にピボッドすること。例えば、カスタマーサクセスやマーケティング職、営業企画職などが考えられます。特にカスタマーサクセスは、一度自社製品やサービスを導入したクライアントに継続フォローし、満足度を高めながら契約継続を図る仕事であり、営業スキルが存分に生かせます。求人件数も増えているので、注目する価値がありそうです。
そして3つ目は、ご希望通り事務職を目指すという方向性です。例えば営業事務であれば、サポート対象である営業職の心理がわかるので痒い所に手が届きますし、クライアント対応も心得たものでしょうから、重宝されると思います。会社によっては営業の代わりにクライアントとやり取りするケースもあるので、Sさんのコミュニケーション力も発揮できるでしょう。ただ、給与ダウンは避けられないと思いますが、この点はいかがですか?
相談者
事務職への転身だと、給与額のキープは難しいのでしょうか?
アドバイザー
営業職は、自身の働きが会社の業績に直結する「直接部門」ですが、事務系職種は売り上げ・利益には直結していない「間接部門」なので、営業に比べればどうしても給与水準は多少低くなります。もちろん、経験を積んでスペシャリストになれば給与も上がりますが、Sさんは事務職未経験からのスタート。給与水準が高い業界を選べば、多少ダウン幅は抑えられるかもしれませんが、現状維持は難しいと思います。
給与ダウンは避けたいならば、営業体制が確立している同業種を狙おう
相談者
うーん…できれば今と同じぐらいの給与水準はキープしたいのですが…。
アドバイザー
給与額キープが必須条件なのであれば、やはり経験が活かせる営業職で転職を考えたほうが良さそうです。前述したように、すでに主力商品やサービス、そして販路がある程度確立している企業などを選べば、体力的にも不安なく営業の仕事に邁進できると思います。なにより、Sさんのように現場の最前線で市場を切り開き、かつリーダーとしてチームをまとめてきた経験を持つ人は、転職市場においても高く評価されるでしょう。今より年収アップも見込めると思いますよ。
相談者
営業が嫌で転職を考えていたわけではないので、高すぎるノルマや頻繁な仕様変更がない企業であれば、もう少し頑張れるかもしれません。
アドバイザー
最近では多くの企業が残業時間の縮小に注力していて、人材募集の際のアピールポイントにしているところも多いので、求人情報をじっくり読み込んでみてください。今よりももっと効率よく、営業に専念できる会社があるはずです。
相談者
ありがとうございました。あまりの激務に営業から逃げることばかり考えていましたが、もう一度考え直してみたいと思います。
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