公務員から民間企業へ転職したい。転職を成功させるためのポイントは?【転職相談室】
「公務員として働いてきたが、民間企業に転職することは可能だろうか」というお悩みに、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
転職市場で公務員の応募者はどう見られているのか、転職成功のために心得ておきたいポイントについてご紹介します。
目次
公務員から民間企業へ転職したい。転職を成功させるためのポイントを教えてください(Mさん/女性/30歳/地方公務員)

大学卒業後、地方公務員として市役所で勤務してきましたが、この先もずっと公務員を続けていくことに疑問を抱いています。民間企業への転職を考えているのですが、可能性はあるでしょうか。どのように転職活動をすればいいかを教えてください。
公務員の応募者を、求人企業はどう見ているのか


- 安定志向が強く、環境変化への適応性が低いのではないか
- 「業績」「成果」「生産性アップ」を追求する姿勢に欠けるのではないか
- 民間のビジネスのスピード感にはついていけないのではないか

- オペレーションを守って業務を回せるだろう
- 地道な仕事をコツコツとできるだろう
- 責任感が強く、社会貢献意欲やホスピタリティが高そうだ
- 公務員試験に合格するレベルの基礎学力を備えている
――など。

これまでの経験や受ける企業によって選考の難易度は変わる



あとは、利用できる行政サービスについて、なるべくわかりやすく説明することを心がけていました。




実際の事例として、ある市役所でベンチャー企業の支援をしていた方が、「ベンチャー企業の内情を理解している」という点が評価され、ベンチャー企業向けに人材サービスを行う企業に転職したケースがありますよ。
このように、業務内容に親和性がある企業を選べば、「即戦力」に近いと見なされ、選考通過の確率が高まるでしょう。
転職を成功させるためのポイントとは


- 転職目的の整理/自己分析
- 求人情報の収集/職務経歴書の作成
- 応募先企業の選定/応募
- 面接
- 内定/退職



コロナ禍以降は「オンライン面接」が定着していますので、移動時間を気にせず、自宅から1日に複数企業の面接を受けることも可能かと思います。
また、企業によっては平日夜間の面接も行っていますよ。事情を話せば柔軟に対応してくれるケースもありますので、最初からあきらめずに交渉をしましょう。


キャリアパスを明確にしておく



「これまでの経験を活かしてやりたいこと」「これから身に付けたい経験・スキル」「ビジネスパーソンとして目指したい姿」などを考えて、整理してみてください。この作業は、自分に合う企業を選ぶためにも、面接対策としても必要です。
「大手企業」に縛られず検討する



大手だけに絞るのではなく、ご自身の転職目的を踏まえ、幅広く検討することをおすすめします。そもそもMさんは、なぜ公務員を辞めて民間企業に移りたいと考えたのですか?
民間企業に就職した友人たちは管理職に昇進していたりするので、それに比べて自分は成長が遅いような気がして、焦りも感じています。


「数字での成果」「独自に工夫したこと」をアピールする



Mさん自身が考えて工夫したこと、提案・実行したことなどを整理してみてください。他には、「成果」として自信を持てることはありますか。


公務員の方の場合、「与えられた予算を使い切らなければ」という考えの方も多いのですが、民間企業では「いかにコストを抑えて利益率を高めるか」という視点が重視されますから、その違いを押さえておくと良いかと思います。
働く姿勢としても、民間企業では「安定して運用する」より「常に改善を図る」姿勢が求められるケースが多いので、改善の経験はどんどんアピールしてください。とにかく、これまでにどんな仕事を、どんなことを考えながら遂行してきたかを細かく振り返り、書き出してみることをおすすめします。
その中から、応募先企業の仕事で活かせそうなものをピックアップして、職務経歴書や面接で伝えるようにすると、成功率が高まるでしょう。

公務員から民間企業への転職事例
Mさんのご相談に対しては「市民相談窓口」「地域振興」のご経験をベースにお話ししましたが、他の事例もご紹介したいと思います。
※事例は全て、本筋には関係のない多少の脚色を行っています。
町役場の経理課に勤務していたAさん(20代男性)は、他部署への異動を命じられましたが、「経理職のキャリアを歩みたい」と転職を決意。「安定性は確保したい」ということで、古い歴史があり安定した事業基盤を築いている中堅メーカーの経理部門に転職されました。評価されたポイントは「簿記2級資格」「経理の実務経験」「真面目な人柄」。また、「長く働いてほしい」という企業側の意向にもマッチしていました。
ほか、自衛官や警察官といった方々の場合、厳しい環境で職務を遂行してきた「タフさ」「ストレス耐性」「自制心」などが評価されるケースが多く、営業職や立ち上げ期のベンチャー企業などに転職を果たしているケースが複数あります。
公務員としての経験を通じて身に付けた強みを自己認識し、活かせる企業や職種を選ぶことで転職成功率が高まるでしょう。
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