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公務員から民間企業へ転職したい。転職を成功させるためのポイントは?【転職相談室】

空を見上げる女性スタッフ「公務員として働いてきたが、民間企業に転職することは可能だろうか」というお悩みに、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏がアドバイスします。

転職市場で公務員の応募者はどう見られているのか、転職成功のために心得ておきたいポイントについてご紹介します。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

公務員から民間企業へ転職したい。転職を成功させるためのポイントを教えてください(Mさん/女性/30歳/地方公務員)

相談者
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■相談内容
大学卒業後、地方公務員として市役所で勤務してきましたが、この先もずっと公務員を続けていくことに疑問を抱いています。民間企業への転職を考えているのですが、可能性はあるでしょうか。どのように転職活動をすればいいかを教えてください。

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公務員の応募者を、求人企業はどう見ているのか

知人からは「公務員から民間企業への転職は難しい」と言われました。本当にそうなのでしょうか?
相談者
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アドバイザー
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ではまず、民間企業が公務員の応募者をどのように見ているかを知っておきましょう。もちろん、採用担当者によって捉え方は大きく異なるのですが、一般的には次のようなイメージで見られることが多いようです。
  • 安定志向が強く、環境変化への適応性が低いのではないか
  • 「業績」「成果」「生産性アップ」を追求する姿勢に欠けるのではないか
  • 民間のビジネスのスピード感にはついていけないのではないか
アドバイザー
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もちろん、ネガティブなイメージだけではなく、プラスのイメージも持たれています。
  • オペレーションを守って業務を回せるだろう
  • 地道な仕事をコツコツとできるだろう
  • 責任感が強く、社会貢献意欲やホスピタリティが高そうだ
  • 公務員試験に合格するレベルの基礎学力を備えている

――など。

アドバイザー
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こうした先入観がある事実を受け止めた上で、懸念されがちなポイントを払しょくし、強みを伝えることができれば、転職の可能性は十分にあります。

これまでの経験や受ける企業によって選考の難易度は変わる

アドバイザー
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これまでの経験を活かせる仕事であれば、選考を通過できる確率が高まります。Mさんは市役所でどんなお仕事をされてきたのでしょうか。
大きくは2つあります。1つは市民相談窓口で、医療に関する助成や子育て支援などの相談に乗っていました。その後、地域振興の部署に移り、地元の企業と協力して地域イベントやキャンペーンなどの企画・運営に携わってきました。
相談者
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アドバイザー
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どんなことを心がけながらお仕事されていたのでしょうか。
そうですね……市民相談窓口では、不安や悩みを抱えて相談に来られる方が多かったので、なるべくその方の気持ちに寄り添いながら丁寧にお話を聴くようにしていました。
あとは、利用できる行政サービスについて、なるべくわかりやすく説明することを心がけていました。
相談者
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アドバイザー
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そのご経験であれば、個人客の困りごとの相談に乗ってアドバイスをしたり、サービスの案内をしたりする仕事で活かせるかもしれませんね。
地域振興の部署では、さまざまな企業への連絡や交渉を行う中で、それぞれ異なる意見を吸い上げて調整を図る必要があったので、各社の事情や考えをじっくり伺って理解することに努めていました。
相談者
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アドバイザー
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企業とのコミュニケーションや交渉の経験を活かすのであれば、法人向けの営業やサポート職なども可能性がありそうです。
実際の事例として、ある市役所でベンチャー企業の支援をしていた方が、「ベンチャー企業の内情を理解している」という点が評価され、ベンチャー企業向けに人材サービスを行う企業に転職したケースがありますよ。
このように、業務内容に親和性がある企業を選べば、「即戦力」に近いと見なされ、選考通過の確率が高まるでしょう。

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転職を成功させるためのポイントとは

そもそも就職活動をした経験がありません。転職活動はどのように進めていけばいいのでしょうか。
相談者
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アドバイザー
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転職活動の基本的な流れは次のとおりです。
  1. 転職目的の整理/自己分析
  2. 求人情報の収集/職務経歴書の作成
  3. 応募先企業の選定/応募
  4. 面接
  5. 内定/退職
アドバイザー
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一般的には、求人情報収集から退職まで3ヵ月~6ヵ月かかっている人が多く見られます。円満退職を目指すなら、繁忙期、あるいは組織改編の直後(人事の発令直後)などに退職を申し出るのは避けましょう。適切な退職時期を決め、そこから逆算してスケジュールを立てることをお勧めします。
平日は8時30分から17時30分まで勤務なので、面接に行く時間が取れないのですが……。
相談者
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アドバイザー
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多くの人は働きながら転職活動をしていますので、有給休暇を活用しています。有休を取れる日に合わせて、複数の企業の面接を入れられるようにしましょう。事前に相談すれば、面接日程を調整してもらえますし、場合によっては1次・2次面接を同日にしてもらえるケースもあります。
コロナ禍以降は「オンライン面接」が定着していますので、移動時間を気にせず、自宅から1日に複数企業の面接を受けることも可能かと思います。
また、企業によっては平日夜間の面接も行っていますよ。事情を話せば柔軟に対応してくれるケースもありますので、最初からあきらめずに交渉をしましょう。
転職活動を進めていく中で、気を付けるべきことはありますか?
相談者
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アドバイザー
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公務員の方がつまずきがちなポイントをいくつか紹介したいと思います。

キャリアパスを明確にしておく

アドバイザー
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転職活動で最初にやるべきこと――「転職目的の整理/自己分析」について。Mさんは、「やりたいこと」「目指すこと」を考えたことはありますか?
いえ、辞令に従って異動するのが当たり前の環境なので……与えられた職務をきっちりとまっとうすることだけを考えてきました。
相談者
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アドバイザー
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民間企業の選考においては、「主体性」「成長意欲」などが重視されるケースが多いのです。「言われた仕事をきっちりやってきた」だけでは、面接官によっては物足りなく感じられてしまうでしょう。
これまでの経験を活かしてやりたいこと」「これから身に付けたい経験・スキル」「ビジネスパーソンとして目指したい姿」などを考えて、整理してみてください。この作業は、自分に合う企業を選ぶためにも、面接対策としても必要です。

「大手企業」に縛られず検討する

アドバイザー
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Mさんは、現時点でどんな企業に転職したいと考えていますか?
正直まだよくわからないのですが、いきなりベンチャー企業に行くのは不安なので、安定感のある大手企業のほうがいいかと思っています。おそらく、両親もそのほうが安心すると思うので。
相談者
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アドバイザー
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転職を検討している公務員の方の多くは、そうおっしゃいます。ただ、転職市場においては、大手企業より中堅~中小企業のほうが選択肢が多いことは理解しておいてください。
大手だけに絞るのではなく、ご自身の転職目的を踏まえ、幅広く検討することをおすすめします。そもそもMさんは、なぜ公務員を辞めて民間企業に移りたいと考えたのですか?
一番は、ジョブローテーションに従わざるを得ないので、本当にやりたい仕事ができないことですね。それに年功序列のため、責任や裁量権を持てるポジションに就けるのはまだまだ先です。
民間企業に就職した友人たちは管理職に昇進していたりするので、それに比べて自分は成長が遅いような気がして、焦りも感じています。
相談者
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アドバイザー
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それが課題であれば、なおさら中小企業も視野に入れるのが良いかと思います。「自ら手を挙げてやりたい仕事を担当すること」も「若くして裁量権を持ち、マネジメントを経験すること」も、中小規模の企業のほうがチャンスは多いですよ。規模や知名度だけにとらわれず、幅広く検討してみてください。

「数字での成果」「独自に工夫したこと」をアピールする

アドバイザー
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職務経歴書では、所属部署・担当業務をただ羅列するだけでなく「成果」も記しておきたいものです。Mさんのお仕事の成果で、「数字」で示せるものはありますか?
数字の成果、ですか……地域振興イベントの協賛企業数や動員数であれば、数字で示せますが。
相談者
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アドバイザー
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ただ協賛企業数や動員数を書くだけでは、その数字の意味が相手には伝わりません。前年と比較して○%アップしたか、それはどのような創意工夫や努力によって成し得たのか……まで伝えると、アピール材料になり得るでしょう。
Mさん自身が考えて工夫したこと、提案・実行したことなどを整理してみてください。他には、「成果」として自信を持てることはありますか。
デジタル化の取り組みにも携わり、紙の資料を削減したことでしょうか。削減率であれば、確認して数字を出せそうです。
相談者
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アドバイザー
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そうした「業務改善」「効率化」の経験はプラス評価につながります。できればコスト削減率も出せるといいですね。
公務員の方の場合、「与えられた予算を使い切らなければ」という考えの方も多いのですが、民間企業では「いかにコストを抑えて利益率を高めるか」という視点が重視されますから、その違いを押さえておくと良いかと思います。
働く姿勢としても、民間企業では「安定して運用する」より「常に改善を図る」姿勢が求められるケースが多いので、改善の経験はどんどんアピールしてください。とにかく、これまでにどんな仕事を、どんなことを考えながら遂行してきたかを細かく振り返り、書き出してみることをおすすめします。
その中から、応募先企業の仕事で活かせそうなものをピックアップして、職務経歴書や面接で伝えるようにすると、成功率が高まるでしょう。
わかりました。まずはこれまでを振り返って自己分析し、キャリアプランを見つめ直すところから始めてみます。
相談者
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公務員から民間企業への転職事例

Mさんのご相談に対しては「市民相談窓口」「地域振興」のご経験をベースにお話ししましたが、他の事例もご紹介したいと思います。

※事例は全て、本筋には関係のない多少の脚色を行っています。

町役場の経理課に勤務していたAさん(20代男性)は、他部署への異動を命じられましたが、「経理職のキャリアを歩みたい」と転職を決意。「安定性は確保したい」ということで、古い歴史があり安定した事業基盤を築いている中堅メーカーの経理部門に転職されました。評価されたポイントは「簿記2級資格」「経理の実務経験」「真面目な人柄」。また、「長く働いてほしい」という企業側の意向にもマッチしていました。

ほか、自衛官や警察官といった方々の場合、厳しい環境で職務を遂行してきた「タフさ」「ストレス耐性」「自制心」などが評価されるケースが多く、営業職や立ち上げ期のベンチャー企業などに転職を果たしているケースが複数あります。

公務員としての経験を通じて身に付けた強みを自己認識し、活かせる企業や職種を選ぶことで転職成功率が高まるでしょう。

記事作成日:2021年3月12日 WRITER:青木典子 ILLUST:安西哲平 EDIT:リクナビNEXT編集部
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※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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