志望動機や転職理由が長いのはよくない?どうしたら端的に伝えられますか?【転職相談室】
「面接の短い時間の中ですべて伝え切りたい――。」そう意気込むあまり、志望動機や転職理由が長くなってしまうこともあるでしょう。
相手にわかりやすく端的に伝えるには何を意識するといいのか。組織人事コンサルタントの粟野友樹さんが答えます。
目次
志望動機・転職理由がどうしても長くなってしまいます。長過ぎるのはNGでしょうか?(Kさん/営業/30歳/男性)

地域の中小企業を支え、地元を元気にしたいという思いでやってきましたが、顧客課題に向き合ううちに、地方では人材不足が深刻な社会問題だと感じるようになりました。
現在は、人材業界を中心に、地方創生に力を入れている企業数社に絞り転職活動を進めています。
面接対策のために、志望動機や転職理由を話す練習をしているのですが、伝えたいことがたくさんあり過ぎてどうしても長くなってしまいます。
貴重な面接機会なので、すべて伝え切りたいと思うのですが、長いのはよくないのでしょうか。
面接はたくさん話すのではなく、相手にわかりやすく伝えることが大事

現職での経験から伝えたいことがたくさんある気持ちもわかります。
ただ、どんなにいい内容でも一方的に長く話しすぎるのは避けた方がいいでしょう。
人が集中して相手の話を聞けるのは1~2分以内程度ともいわれています。
そのため、まずは伝えたいポイントをしぼる作業から始めてみてはいかがでしょう。
これまでの面接ではすべて伝え切りたい、という思いで時間は気にせずに話し切っていました。


情報が盛りだくさんなので、面接官は聞き終えた段階でもうお腹いっぱいな状態になってしまうでしょう。
質問したいポイントがあったとしても、話を聞いているうちにほかの情報に埋もれていくので、深く質問する機会を逸してしまうのです。
前回の面接は1次で落ちてしまったのですが、僕としては言いたいことは全部言えた、という満足感がありました。
でも、面接官の立場になれば、話が長くて要点が掴めていなかったのかもしれないですね。


ただ、話が長い方を面接すると「話はたくさん聞いたけれど、あまり理解が深まらなかった」という漠然とした感想が残りがちです。
面接官としてもどのポイントを質問していいかわからなくなってしまい、採用が見送りになるケースも少なくありません。
自分がアピールしたいスキルや経験、意欲や思いはすべて話し切らないと、自分の良さを伝えられないまま面接が終わってしまう…。
それだと悔いが残るのではと思ってしまいます。


自分が伝えたいことではなく「相手が知りたいこと、聞きたいことに答える場」として面接をとらえてみてはいかがでしょう。


自分がアピールしたいスキルや経験はすべて話し切りたい、というKさんのお気持ちはわかりますが、質問されないということは、
- 企業側はスキル・経験をそこまで重視していない
- 職務経歴書などの事前資料の内容が情報量として十分である
- 限られた時間をほかの質問に使いたい
などの理由が考えられます。
もしかしたら面接官は、Kさんの話を聞きながら、「その内容はだいたいわかった。時間も限られているし、違う部分について質問したい」と思っているかもしれません。
そうなると、「相手の気持ちを理解していない」「自己分析や言いたいことの整理ができていない」と、とらえられる可能性があります。
なんだか、営業での商談と似ている気がしてきました。


一方的に商品アピールされても、お客様は「ほしいのはその情報じゃない」「うちの会社のことを理解してくれていない」という気持ちを募らせ、受注にはつながらないでしょう。
面接でも、自分からのアピールは短くわかりやすく端的にまとめ、あとは相手が聞きたいことに答えようという姿勢が大切です。
志望動機を話すときのポイント


- 応募企業を選んだ理由
- 活かせるスキルや経験
- 入社後に実現したいこと
最初に、応募企業を選んだ理由を述べます。
Kさんの場合は、「地方の人材活性の取り組みや地方創生を見据えた事業展開にひかれ、御社を志望しています」など、人材業界の中でなぜその企業を選んだのかを明確に伝えるといいでしょう。


面接官が知りたいのは「Kさんが持つスキルや経験が、当社でどう活きるのか、どんな業務シーンで力が発揮されるのか」という点で、Kさんと会社との接点と知りたいと思っています。
転職活動では、応募先の企業がどんな人材を求めているのかをきちんと理解した上で、自分が持つさまざまなスキルや経験の中から、活かせるものを引き出して伝えることが重要です。


入社後に実現したいこと、についても同じことがいえます。
企業が目指す事業展開や今回採用する人材に任せたい領域などをきちんと調べ、自分がやりたいことと企業が目指すこととの間に接点を見出して伝えられるといいでしょう。
転職理由を話すときのポイント


- 最初に転職のきっかけを述べる
- ネガティブなことは前向きな表現で伝える
- 入社後に実現したいことをアピールする
転職理由では、現職(前職)への不満がきっかけになることも多いので、ネガティブな表現を使ってしまいがちです。
転職のきっかけは事実としながらも、伝え方を工夫するのがポイントです。


言い換えると、すごく前向きな印象になりますね。


入社して身につけたいスキルや経験、実現したいことを、転職のきっかけとの一貫性を考えながらアピールしていくといいです。
面接の際は、相手の立場になって端的にわかりやすく伝えるための考え方がよくわかりました。
改めて志望動機や転職理由を整理し直したいと思います。

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