キャリアチェンジしたくて転職活動中ですが、まったく受からないので不安です。【転職相談室】
未経験職種にチャレンジしようと転職活動を始めるも、まったく受からなくて不安――。
即戦力を求められる転職市場で、キャリアチェンジするには一体どんな動き方があるのでしょう。組織人事コンサルタントの粟野友樹さんにアドバイスをいただきました。
目次
事務から憧れの広報へキャリアチェンジしたいのですが、まったく受からないので不安です。(Aさん/事務/28歳/女性)

現在は、新卒で入った大手精密機器メーカーで営業事務をしています。
就職活動では、安定した業界で長く働きながら、プライベートを充実させたいと考えていましたが、キャリアを重ねるうちに「やりたいこと、好きなことを仕事につなげたい」と思うようになりました。
もともと新しい商品やサービスを試すことが好きで、プライベートでもSNSを使いこなしています。
いろいろな人に商品やサービスの良さを伝えることが好きなので、トレンドの最前線に関われる広報の仕事に挑戦したいと現在、転職活動をしています。
ただ、3カ月経っても1社も受からず、現実の厳しさを痛感中です。今後どんな風に転職活動を進めていけばいいでしょうか。
キャリアチェンジの場合、転職の難易度は高まる

学生時代にはわからなかった自分の得意・不得意や好き嫌いが見えてきて、今後のキャリアを再考するいいタイミングだからです。
その一方、中途の未経験者採用についてはなかなか難易度が高いのが現実です。
中途採用については、基本的に経験・スキルを重視する採用のため、その分野での即戦力を求められるのがほとんど。
職種未経験の時点で、書類選考や面接を連続して落ちることは珍しくありません。


限られた採用枠に、経験者が多く集まる傾向が強いので、競争率は高くなります。
Aさんのような業務未経験者であれば、同時並行で4~5社など複数の企業にエントリーし、可能性を広げる必要があるでしょう。
転職先や業務内容の幅を広げて、応募企業を再考しよう
広報は、その企業の商品・サービスが好きではなければ務まらないと思い、業界をかなり絞っていました。
応募企業を広げる上で、大事なポイントはありますか。


「この業界はよく知らないから……」という理由だけで選択肢から外すのではなく、まずはフラットに知っていくと、思いがけない魅力が見つかるかもしれません。
転職では、職場選びで譲れない点と譲ってもいい点の優先順位を明確にすることが大切です。
Aさんのように「広報」へのキャリアチェンジが最優先事項であれば、それ以外の要素(業界規模や給料、勤務地や福利厚生など)は、こだわり条件から一度外してみてはいかがでしょう。
かりに現職より給料が下がったとしても、「未経験からチャレンジでき、やりたい仕事ができる」と受け入れることで、応募企業の対象が広がるのでしょう。


例えば、現職の事務経験を活かして、PR会社の事務職への転職を考えてみるのはいかがでしょう。
PR会社は、さまざまな企業の広報やPR業務を専門で扱う会社なので、そこでまずは事務職として働くことで、具体的な広報業務の理解を深めることができます。事務としてPR業務のサポートをした経験を積めれば、後で広報職へのチャレンジもしやすくなるでしょう。
ほかにも、ネットメディアの運営会社の事務に挑戦するのも一つの方法です。
広報の主な仕事の中には、メディア露出を増やすための社内外の調整業務が多くあります。
メディア側がどんな風に情報をキャッチし、どんな基準で情報を載せているのか。
そういったメディア運営会社の視点をあらかじめ知っておくことで、広報職の“取引先”の理解も同時に深めることができるでしょう。
ほかにも、社外転職だけにこだわるのではなく、社内の広報ポジションへの異動希望を出すのも一つの方法です。
それらの希望をすぐに叶えことが難しい場合は、まずは社内の広報事務に手を挙げ、メーカーの広報の仕事を間近でサポートするといった選択肢も可能です。
そこでの経験を糧に、将来的には社外の広報職への転職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ステップを踏んで転職するという考えがなかったので、とても勉強になりました。

書類選考や面接が受からないときの対処法

専門家に客観的なアドバイスをもらう

広報には華やかなイメージこそありますが、じつは地味な調整業務もたくさんあります。
例えば、プレスリリースの発行や記事のチェック、新商品発表のイベントがあれば、そのための準備やPR会社との打ち合わせ、各メディアへの情報発信や取材対象者との日程調整、さらにインタビュー業務など多岐に渡ります。
メディアへのタイムリーな情報提供がなければ、PRのタイミングを逃すことも多いので、社内外の関係者への連絡や日程調整など細かな業務に追われがちです。こうした業務特性を理解できているか否かで、職務経歴書や面接で、アピールするポイントが変わってくるでしょう。
まずは、これまでの経験を振り返ってみて、調整業務で工夫したエピソードや、広報業務と共通した業務がないかをどうかを探してみて、それを採用担当者に上手くアピールできるようになりましょう。
どうすれば広報への理解が深まりますか。


自分だけで情報収集を進めるのが難しいときは、キャリアアドバイザーから客観的なアドバイスをもらうのもよい方法でしょう。
キャリアアドバイザーは、職務履歴書のチェックのほか、模擬面接などの対策をしてくれることも多いので、面接官の視点で自分がどう見えているのかを知ることができます。
面接では、自分がやりたいことばかりを伝えてしまう方も少なくありません。
企業と自分の接点がどこにあるのか、専門家の意見を参考に深堀りできるといいかもしれませんね。
即戦力になりそうな知識やスキルを身に付ける

そうした場に積極的に参加し、即戦力になりそうな知識やスキルを身に付け、人脈を広げながら情報交換するのもいいでしょう。
また、現職の事務の仕事においても、例えば社内メルマガの配信業務を担当するなど、広報の仕事につながりそうな業務を率先して行い、面接でアピールできるようなスキルを身に付けていくことが大切です。
アドバイスを参考に必要なスキルを身に付け、段階的なキャリアアップを考えていきたいと思います。

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