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【プロが解説】転職活動で「10年後の自分」を聞かれた場合の考え方とは?

転職活動中のビジネスマン_ イメージ転職活動中、面接において「あなたは5年後、10年後、どうなっていたいと思いますか?」といった質問が投げかけられることがあります。

こういった今後のキャリアに対する質問に、「具体的なキャリアイメージを描けていない」「どう答えればいいかわからない」と戸惑っている転職者は多いようです。

企業はどんな意図を持ってこの質問をするのか、どんな準備をしておけばいいのかを、人事歴20年超、現在採用コンサルティングを手掛ける採用のプロ・曽和利光さんに解説いただきました。

アドバイザー

曽和利光さん_紹介ポートレート

曽和利光(そわ・としみつ)

株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『コミュ障のための面接戦略』(講談社)など著書多数。

企業が「10年後の自分」を転職者に聞く理由

「あなたは5年後、10年度、どうなっていたいですか?どんなキャリアを描いていますか?」。

採用担当者がこの質問をする意図・目的は、当然ながら企業によって異なります。しかし、多くの場合、下記の理由であることが考えられます。

1.キャリアの志向が、自社のキャリアパスと一致するかどうかを確認したい

キャリアの積み方は、一般的には「スペシャリスト志向」と「ゼネラリスト志向」に分かれます。スペシャリスト志向の人はプレイヤーとして現場に立ち続けることを望み、ゼネラリスト志向の人は幅広い経験を積んだ上でマネジメント職を目指すケースが多いといえます。

企業側としては、転職者にいずれかのコースを進んでほしい、あるいは、複数のコースがあるのでその人がどういう志向かを確認したい、と考えています。そこで、面接では、応募者がどんなキャリア志向・将来ビジョンを持ち、それについてどの程度深く考えているかをつかむため、この質問を投げかけることがあります。

つまり、お互いの方向性がマッチしているかどうかを確かめるものであり、この質問への答え方に「正解」というものはありません。

仮に「大規模プロジェクトのマネジメントを手がけていたい」と答えたとして、企業側が応募者にそれを求めていなければ、「この人の希望を当社では叶えてあげられない」と入社後のミスマッチを懸念するでしょう。一方、「まさにそれを期待している」ということであれば、応募先企業と方向性がマッチしているというわけです。

2.自社の社風・文化に合うかどうかを見極めたい

採用担当者は、「自社の組織・風土になじむかどうか」も重視しています。

そこで、あらゆる角度から質問を投げかけ、その人の基本的な考え方や価値観を探ろうとします。「5年後、10年後、どうなっていたいか」という質問も、その一つです。

既存社員の多くが持っている価値観とのギャップが大きければ、自社の社風や文化になじめないのではないか、との懸念を抱かれる可能性があります。

ただし、「自社にはいないタイプの人材を迎え入れ、組織に刺激を与えてほしい」と考えている企業も少なくありません。

3.応募者の「成長意欲」を確認したい

ほかにも、企業は応募者の「成長意欲」を確認するために質問をする場合があります。

応募者が5年や10年というスパンをどのように捉え、この期間でどのように自己を成長させていきたいと考えているのかについて知りたいのです。

こういうと、「高い目標を掲げることが重要」だと考える方もいるかもしれませんが、それは必ずしも評価につながるわけではありません。先に挙げた1や2と同様、企業は自社と応募者のミスマッチを防ぎたいと考えています。したがって、キャリアにおいて「高い目標を持っている」のにそれを満たせるような環境を用意するのが難しい…と企業側が感じれば、「マッチしない」と判断する場合もあるのです。

また、採用担当者は、「目標(=どんな状態になっていたいか)の高さ」とともに、そこに向かうに足りうるエネルギー量を持っているかについても確認しています。目標を高く設定していても、そこに向かうだけの行動量、エネルギー量が伴わないと判断されれば、評価されない場合もあります。

――上記いずれの理由も、自分が目指すものと企業が期待するものの「すり合わせ」のためにあると言えます。相手企業に合わせ、相手が望むような回答をして入社したとしても、自身が納得感を持って働くことはできないでしょう。
自分の志向や価値観に基づいた将来のビジョンを正直に伝え、相手企業と合うかどうかを確かめるつもりで臨んでください。

「5年後」と「10年後」の違いはないが、それぞれ聞かれたら質問の意図をくむ

「5年後どうなっていたいか」「10年後どうなっていたいか」。
この年数に違いがあるかどうかといえば、厳密にはありません。いずれかの質問をした場合、企業は「将来のビジョン」「長期視点での考え方」を知りたいのであり、5年・10年といった数字の違いにそれほど明確な意図はないと思います。

ただし、「5年後は」「10年後は」と、あえてわけて質問をされた場合は、何らかの意図があるといえるでしょう。例えば、「入社間もない、若いうちは何をしたいか」「経験を積んで中堅クラスになった場合、どんなポジションで何をしたいか」の将来のビジョンを聞き、自社のキャリアコースと照らし合わせようとしているのかもしれません。

転職に際し、「10年後の自分」を考えるためのヒント

「やりたい」だけではなく「ありたい」の視点でも考えてみる

「10年後の自分」を考えてみても、入社してやりたいことが具体的に思い浮かばない…と悩んでしまう方もいるでしょう。そういう場合は「Doing(これがやりたい)」だけではなく「Being(こうありたい)」という視点で考えてみることをお勧めします。

今は変化が激しい時代。企業も短期スパンで事業戦略を変えていくことが想定されます。企業や事業が変化する中で、個人が初めから具体的なイメージで「Doing(これがやりたい)」と考えるのは難しいものです。

また、入社後のイメージが具体的に思い浮かばないからといって、それだけで採否が決まるとも考えづらいものです。これまで培ったスキルなどから入社後はこうありたいという自分なりのイメージを伝えてみましょう。

もちろん、企業について調べていく中で「御社のこの部署で働き、こういう成果を上げたい」「この職種で、こんなスキルを伸ばしたい」「こんなプロジェクトを推進していたい」など具体的に「Doing(これがやりたい)」というイメージができたなら、それを伝えてみましょう。

「キャリアデザイン」ではなく「キャリアドリフト」という考え方もある

「Being(こうありたい)」が具体性に欠くため、面接で本当に回答してよいのかと自信がない場合は、「キャリアドラフト」という考え方を意識してみましょう。

成り行きに任せてみてもいい、波に流されて漂流(ドリフト)するように、自然の流れに身を任せてキャリアを歩むというものです。自分の人生を主体的に考え、キャリアをデザインしようという「キャリアデザイン」とは異なる考え方です。偶然目の前に現れたものを受け止め、取り組んでみることで、意外と自分に合っていることに気づけることもあるはずです。そうしたスタンスのほうが、視野や可能性を広げ、結果的にいいキャリアを歩めることもあります。

学生のときは選択肢が無限にありましたが、転職となると状況が変わっています。何らかの業界経験・職種経験を積んでいる、ということです。その経験をベースに、今後の展開をイメージしましょう。

仕事の経験の中で、自分の強み・弱み、面白いと感じること・つまらないと感じること、大切にしたいことなどが、ある程度つかめてきているはずです。それを軸に「ありたい姿」を考えてみるとよいでしょう。

【回答例】プロが解説する「10年後の自分」の伝え方

同職種での転職

応募者プロフィール/20代後半・男性・通信回線の営業から未経験の不動産業界の営業へ転職を希望

「10年後には、営業として、既存のお客様から『住宅に関する相談をするなら○○さん』と、すぐに思い浮かべていただけるような存在になっていたいと思います。お客様からのご紹介を通じて受注が広がっている状態が理想です。
現職の通信回線営業では、小さな疑問にも丁寧に回答し、できるだけわかりやすくサービスや料金プランについて説明を行ってきました。それによって信頼を得て、ご家族やご友人をご紹介いただいたこともありました。こうした成功体験を活かしながら、業種が変わっても、よりいっそう顧客目線を大事にしていきたいと考えています。
また、チームマネジメントにも興味があります。現職でも3名のチームのリーダーを務めていますが、マネジメントスキルを磨き、10~20名規模のチームでも高い成果を出せる人材になっていたいと考えております」

【ポイント】

  • 「信頼を得て紹介を受ける」という具体的な仕事のレベル感がイメージできていることで、不動産業界でのステップアップについて理解ができているとわかる
  • プレイヤーとしてだけではなく、マネジメントへの興味・関心が伝えられているので、採用側は伸びしろを感じる

プライベートを大切にしたい場合の転職

応募者プロフィール/30代前半・女性・既婚・メーカーの営業事務から同業界同職種に転職を希望・育児中のため時短勤務を希望

「10年後には、効率化した業務をすべてマニュアル化し、ほかのメンバーや後輩たちも同じように業務がこなせるようノウハウを指導できる立場になれればと思っています。
現在は、メーカーで営業事務を務めています。営業のサポートをしつつ、より効率的に事務処理を行うことを常に意識して業務を行ってきました。そのため、御社への入社後は、業務内容を早くキャッチアップし、すぐに営業のサポートができるようになりたいと思っています。
一方でプライベートでは、子どもに費やす時間を確保したいとも考えているため、数年間は働く時間が限られます。しかし業務を覚えた上で、既存のやり方にとらわれることなく、効率的にこなすことにこだわることで就業時間の短さを埋めていきたいと考えています。」

【ポイント】

  • 時短勤務を希望する際に必要となる「効率化」について自覚があることがわかるので、採用側としては安心感がある
  • 時短勤務におけるステップアップの一つとして「ノウハウ・ナレッジ共有」の役割を上げているのが評価できる。向上心を感じるので好感が持てる

異職種・異業界への転職

応募者プロフィール/30代前半・男性・食品メーカーの営業職から書店の企画職への転職を希望

「10年後には、マーケティング力を活かし、競合に対する戦略や販売方針を考える立場を目指します。
これまでは営業職であったので、未経験ではありますが、御社の企画職にチャレンジしたいと考えています。もともと本が好きだったので、よく書店に行っては、イベントや開催中のフェアをチェックしていました。
まずは、御社で業務を覚えながらも、未経験らしく、一顧客の視点からも意見が出せるように、イベントなどの企画を考えていきたいと思っています。
営業職としては、スーパーや量販店に対し、売れ筋のリサーチ、売り場作りや季節のキャンペーンなどの提案・運営も行ってきましたので、その経験が活かせると思います。
入社後は、企画職の経験を積みながら、マーケティングについてより深く学んでいきたいと思っています。アイデアだけでなく、マーケティングデータをベースにイベントやフェアを企画し、売上としての成果の最大化を目指します。」

【ポイント】

  • 異業種、異職種を目指すにあたり、「好き」「憧れ」だけでなく、「売上アップ」「競合対策」という現実的な経営課題を見据えており、そのために必要なスキルを磨いていく意識を持っていることがわかる
記事作成日:2019年9月30日
WRITER:青木 典子  EDIT:リクナビNEXT編集部

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