履歴書の送り方とマナー|郵送・手渡しの封筒、メールのパスワード設定など

履歴書や職務経歴書の送り方を方法別(郵送・メール・手渡し)に、ビジネスマナーも踏まえて解説。
特に混乱しやすい封筒の書き方、書類の入れ方は図解し、メールのパスワード設定などの最新見解も含めて組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が解説します。
履歴書をメールで送る場合の方法・マナー
- ファイル添付、クラウドストレージサービスの利用、ファイルの暗号化など、企業指定の送付方法があるか確認する
- 履歴書データをPDFにして、ファイル名を「日付+履歴書+氏名」にする
- 企業指定に沿ってメールを作成する。
・一度企業側からメールが届いている場合は、件名を変えず「Re:」を付けたまま返信する
・スマートフォンで作成する場合、パソコンに合わせて30~40字程度を目安に改行する - メール本文、添付ファイルの中身を最終確認する
- 依頼されたらできるだけ早く送る。遅くなる場合は「〇日までに送付予定です。」と事前連絡をする
ファイルのパスワード設定は企業の指定に応じて対応
これまでは、ZIP形式の圧縮ファイルにパスワードをかけてメールで送った後、パスワードを別メールで送る2段階のメール送信方法が一般的でした。しかし現在は、セキュリティ観点から、国から正式に廃止の見解が出ています。
ファイルにパスワードをかけ模擬面接は、企業からの指定があった場合で良いでしょう。
メール件名と本文の書き方例文

履歴書データをメール送付するときは、以下の6つの要素を入れましょう。
1.件名 | 「○○○職応募の件/氏名」など、一覧ですぐに内容と送信者が分かるように書く |
2.宛名 | 「会社名+部署名+役職名(肩書き)+氏名+敬称」などを書く |
3.挨拶 | 在職中であっても、現職の勤務先名を記載する必要はない |
4.用件 | 応募職種と履歴書など応募書類を添付していることを簡潔に伝える |
5.締めの挨拶 | 「何卒よろしくお願い申し上げます。」などといった結びの言葉で締める |
6.署名 | 「氏名」「住所」「電話番号」「プライベートのメールアドレス」をそれぞれ改行して文末に記載する |
▼メールで履歴書を送る方法の詳細はこちらの記事を参照ください
添付ファイルにパスワードをかけて送るメール例文や、PDFの作り方、気をつけておきたいよくあるミスやトラブルなどを解説しています。
履歴書を郵送で送る場合の方法・マナー
- 角形A4号か角形2号サイズの白封筒、クリアファイルを用意する
- 封筒の宛名を書く
- 送付状を書く
- A3サイズまたはB4サイズ(二つ折り)などの履歴書は、記入欄が外側にくるように折る
- 自分で印刷した履歴書など2枚綴りのものはクリップで留める
- クリアファイルに送付状、履歴書、職務経歴の順に入れる
- 料金不足に注意して必要な切手を貼る
- 「消印有効」「必着」などの提出期限に注意してポストに投函、または郵便局から送る

▼郵送で履歴書を送る方法の詳細はこちらの記事を参照ください
履歴書を郵送するときの細かい封筒の選び方、宛名の書き方、履歴書を送るのに必要な切手代の目安、「消印有効」と「必着」の違い、最寄りの郵便局から郵送にかかる時間の確認方法、気をつけておきたいよくあるミスやトラブルなどを解説しています。
郵送時の封筒の書き方見本


封筒の宛名は、採用担当者個人宛の場合は「〇〇様」と書き、人事部などの部署宛の場合は「〇〇御中」と書きます。
また、同封する書類に、職務経歴書やポートフォリオなど履歴書以外が含まれる場合は「履歴書在中」ではなく「応募書類在中」と書きます。
「〇〇在中」は市販のスタンプでも構いませんが、手書きする場合は定規を使って丁寧に囲みましょう。
郵送時の送付状の書き方見本
送付状は、履歴書や職務経歴書を郵送する際に使うもので、「誰が」「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのかを明記することで中身を知らせ、補足事項を伝える役割があります。

送付状・添え状を作成するときは、以下の7つの要素を入れましょう。
1.送付年月日 | 記入日ではなく履歴書をポストに投函する日を書く |
2.宛先 | 個人宛は「〇〇様」、企業や部署宛は「〇〇御中」、 宛先不明の場合は「株式会社〇〇 採用ご担当者様」と書く |
3.氏名・連絡先 | 携帯電話番号も忘れずに書く |
4.頭語+時候の挨拶 | 「拝啓」と文頭に入れた後で改行するか、一字空けて「時候のあいさつ」と「相手の発展を喜ぶ言葉」を入れる |
5.簡単な自己PR | 応募の経緯や、志望動機などを、これまでの経験やスキルと応募先での仕事内容につなげてまとめる |
6.結語 | 頭語を「拝啓」で始めた場合は、結語は「敬具」を使う |
7.同封書類 | 同封する書類の内容と枚数を箇条書きなどでわかりやすく書き、送付状の最後は右寄せで「以上」と書く |
▼送付状の作成方法の詳細はこちらの記事を参照ください
履歴書を郵送するときに必要な送付状は、パソコンで横書き作成をするのが一般的です。Word・Excel形式のテンプレートダウンロードが可能で、送付月に応じた時候のあいさつ例文、送付状に対する人事の評価アンケートなどを紹介しています。
履歴書を手渡しする場合の方法・マナー
- 角形A4号か角形2号サイズの白封筒、クリアファイルを用意する
- 封筒の宛名を書く
- 第三者に託すケースに備えて送付状(添え状)を書く
- A3サイズまたはB4サイズ(二つ折り)などの履歴書は、記入欄が外側にくるように折る
- 自分で印刷した履歴書など2枚綴りのものはクリップで留める
- クリアファイルに送付状、履歴書、職務経歴の順に入れる
- 封筒は糊付けせずに面接に持って行く
・受付などで提出する場合は、封筒のまま渡す
・面接担当者に手渡す場合は、封筒の上にクリアファイルに入れた履歴書を置き相手が読める向きにして渡す
持参・手渡しするときの封筒の書き方見本

郵送する場合の封筒とは違い、手渡しの場合は封筒の表面には「履歴書在中」または「応募書類在中」とだけ書きます。
「〇〇在中」は市販のスタンプでも構いませんが、手書きする場合は定規を使って丁寧に囲みましょう。
裏面には自分の住所と名前が必要です。封筒は糊付けしないため、「〆」や「緘」などの封字を書く必要はありません。
面接担当者や受付での手渡しの仕方


「面接のお時間いただきありがとうございます。〇〇(フルネーム)と申します。こちらが応募書類です。 本日はよろしくお願いいたします。」 |
「お世話になっております。本日◯時から、中途採用の面接で人事部の〇〇様とお約束をいただいている〇〇(フルネーム)と申します。応募書類を提出いたしますので、恐れ入りますが〇〇様にお渡しいただけますでしょうか。」 |
▼履歴書を手渡しするときの詳細はこちらの記事を参照ください
履歴書を面接などで手渡しする場合に封筒やクリアファイル、添え状が本当に必要か、持参時によくあるミス・トラブル、求職者からのよくある質問などを紹介しています。
履歴書の送り方でよくあるミス&トラブル
メール送信、郵送、手渡しのそれぞれの履歴書の送り方ごとに、よくあるミスやトラブルを一覧化しました。
自分も同じようなことをしていないか、送る前の最終チェックとしても活用してみてください。
メール送信でよくあるミス一覧
- 添付ファイルを忘れている
- 違うファイルを添付している
- PDF化しておらず、応募企業のパソコンでは文字化けしたり、レイアウトが崩れたりする
- ファイル名が整っていない(氏名+履歴書、などになっていない)
- ファイルが暗号化されているが、パスワードの連絡がない
- メール本文が簡素で、資料が添付されているだけのほぼ空メールの状態になっている
- 高解像すぎる履歴書写真や、ファイルが圧縮されてないなど、ファイルが大きすぎて応募企業のパソコンでは容量オーバーで開けない
- メールアドレスが間違っていて届かない
- 署名がなく、誰からの応募か分かりづらい
- 本文などにほかの企業の名前や担当者名が残っている
- 件名がわかりづらく、他のメールに埋もれてしまった
それぞれのミスがどんなトラブルにつながるか確認してみましょう↓
郵送でよくあるミス一覧
- 切手代が不足している
- 封筒や書類にシミや汚れがある
- 応募や仕事に関係ないものが混じっている
- 封筒の宛名書きが雑、汚い
- 封筒の裏面の書き方がビジネスマナーに則っていない
- 明らかにサイズがあっていない封筒を使っている
それぞれのミスがどんなトラブルにつながるか確認してみましょう↓
手渡しでよくあるミス一覧
- 受付で履歴書を提出するときに封筒に入っていない
- 面接担当者に封筒のまま渡してしまう
- 履歴書などの自分用控えを忘れ、一次から最終面接まで一貫したアピールができなくなる
- 受付で履歴書提出時に用件をしっかり伝えず、面接担当者までスムーズに届かない
- 受付で履歴書を渡す際に封筒に差出人名などの記載がない
- 封筒がしわくちゃで汚れている
- クリアファイル内に書類が入っていない
それぞれのミスがどんなトラブルにつながるか確認してみましょう↓
よくある質問
Q. 履歴書の送り方を企業から指定されていません。どうすれば良いですか?
まずは採用サイトなどで、企業の募集要項を再度確認しましょう。記載がない場合は、メールや電話で、送付方法を企業に確認し、その指示に従うと確実です。
提出期日までに確認がとれない場合は、人事部や採用担当宛てメールアドレスにメールで送りましょう。メールアドレスが不明な場合は郵送しましょう。
その際に、「応募方法の指定がなかったのでメール(または郵送)で応募をさせていただきました」と一言添えると良いでしょう。
Q. 手渡しでも封筒やクリアファイルは必要?
面接当日に手渡しをする場合も、封筒やクリアファイルはあった方が良いでしょう。書類が汚れたり、折れたりすることを防ぐだけではなく、受付などで第三者に託す場合などにスムーズです。ビジネスマナー上もあった方が良いでしょう。
Q. 送付状は必ず必要?
ビジネスマナーとして、郵送する場合は送付状が必要です。送付状がない場合、採用担当者によっては「ビジネスマナーがなっていない」または「志望意欲が低い」と捉えられてしまうリスクもあるでしょう。
また、面接に持参する場合も、受付などで第三者に託すケースに備えて用意しておくことをオススメします。
Q. 提出期限の必着と消印有効の違いは?
<消印有効の場合>
郵便局で郵便物を受け付けたことを証明する消印に記された日付が、提出期限当日までのものが有効になります。
参考:日本郵便株式会社 手続き申請書類などの郵便物について、当日の引受消印が必要な場合は、どのように郵便物を差し出せばよいですか。
<必着の場合>
期限内に担当者の手元に届く必要があります。最寄りの郵便局から郵送にかかる時間を確認しておきましょう。
参考:日本郵便株式会社 郵送にかかる一般的な日数の目安のチェックはこちらから
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