ノルマのない営業や販売職はある?ノルマがある仕事の見極め方

営業や販売など、売り上げ目標がある職種に対して、「ノルマが厳しいのでは」と不安に感じる方もいるようです。
そこで、ノルマがある仕事や、その見極め方について、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。ノルマが少ない営業・販売の仕事についても解説しています
ノルマとは?課せられるノルマの例
「ノルマ」とは、所属している企業が従業員に課す、最低限達成しなければならない目標を指します。
ノルマがある仕事とは、一般的に営業や販売、ドライバーなどのサービス系職種で設定されることが多く、企業によっては店長やSV(スーパーバイザー)などの管理職が課せられることもあります。具体的には、「○○万円」「○○個」など、日次や月次で売り上げ目標が設定されているケースが代表的です。
なお、ノルマが設定されていなくても、売り上げ目標が設定されている仕事はたくさんあります。一般的に、所属企業から与えられる目標をノルマと呼び、所属企業と従業員間で話し合って設定される目標は、「営業目標」「売り上げ目標」などと呼ばれるようです。
ノルマや目標を達成しないとどうなる?
正社員の場合は、ノルマが達成しないという理由だけで解雇になることはありません。ただし、ノルマや目標を達成しない場合の処遇については、おおむね2種類に分かれます。
歩合給の割合が大きいケース
給与のうち、基本給よりも歩合給(実績に応じて支給される給与)の割合が大きい場合は、ノルマや目標を達成しない場合は、大幅な給与ダウンになる可能性が高くなります。
3カ月~半年など、入社後の一定期間は基本給が設定されている企業もありますが、長期にわたって成績が振るわない場合は給与を維持することができないため、収入面に不安を感じて自ら退職を希望するケースが一般的です。
なお、歩合給の割合が大きいということは、実績を積めばその分だけ給与が増えるということです。そのため、歩合給の割合が大きい仕事は、営業力に自信がある方や、実力主義の環境で働きたい方にマッチしています。
手当やインセンティブが付与されるケース
基本給が設定されており、成果を出した場合は各種手当やインセンティブを付与する仕事もあります。基本給の保障があるため、ノルマや目標を達成できなかったとしても、大幅に給与ダウンになることはありません。そのため、「高年収を実現するよりも、長く働き続けたい」と考える方に向いています。
ただし、未達成が続くと職場の評価が下がってしまうため、モチベーションを維持することが難しくなります。居心地が悪くなった結果、自ら異動や退職を希望するケースもあるようです。
ノルマや目標がある仕事の見極め方
求人にはノルマや目標があることを明記していないケースもあります。そこで、ノルマや目標が設定されている仕事の見極め方をご紹介します。
モデル年収を確認する
求人に記載されているモデル年収を確認すると、ノルマや目標の有無を推し量ることができます。特に、基本給に比べて賞与の金額が著しく高かったり、年収相場よりも大幅に高い年収を提示されていたりする場合は、ノルマや目標が設定されているケースが多くなります。
また、例えば「28歳 年収800万円、29歳 年収1,300万円」など、モデル年収の金額幅がかなり広い場合も、該当する可能性が高くなります。
勤続年数や離職率などを確認する
実績に応じて給与が大きく変わる職場の場合は、実績が出せずに退職する人が多くなる傾向が見られます。そのため、勤続年数や離職率などを確認することで、ノルマや目標が厳しく設定されているかどうかを推測することができます。
ただし、ノルマや目標は営業や販売など直接部門のみに設定されているケースが多いため、バックオフィスやシステム開発などの間接部門の従業員数の割合が大きいと、正確に把握することが難しくなる点に注意が必要です。
求める経験・スキルを確認する
一般的に、高いノルマや目標を設定している企業の場合は、選考時は経験・スキルよりも強い入社意欲や結果にこだわる姿勢などを求める傾向があります。入社後の実績を重視するため、学歴や経験などの条件は少なく、未経験者にも門戸を広げているケースが多いのが特徴です。
モデル年収が高いにも関わらず、応募者に求める条件がとても少ない求人は、ノルマや目標が設定されている仕事である可能性が高いでしょう。
ノルマが少ない仕事とは?
営業や販売の仕事に興味を持っているものの、「厳しいノルマや目標を設定されるのに不安がある」という方もいるかもしれません。特に未経験の場合は、入社後すぐに高い成果を出すことに自信を持てない方もいるでしょう。そこで、比較的ノルマが少ない職種をご紹介します。
ルート営業
既存顧客に対してフォローを行うことが中心のルート営業は、ノルマや目標が比較的少ない傾向があります。目標設定も、新規売り上げより顧客の継続受注を見られるため、信頼関係を構築する力や傾聴力などが求められます。
カウンターセールス
店舗に来訪する顧客に対して商品・サービスの案内を行うカウンターセールスは、店舗の集客力に依存するため、一般的な新規営業ほどノルマや目標を課すケースは多くはありません。ただし、案内した顧客に対してどのくらい受注したのかという「受注率」「決定率」などの割合を見るケースがあります。
カスタマーサクセス
既存顧客に対してフォローを行い、商品・サービスの活用支援を行うカスタマーサクセスの場合は、新規獲得のノルマや目標がありません。その代わりに、解約率やアップセル・クロスセルといった取引額の拡大を評価するという可能性があります。
代理店向け営業
自社の商品・サービスを、代理店の営業に販売してもらうために営業活動を行う「代理店向け営業」は、直接営業するのではなく、代理店の営業担当者が売れるように働きかけを行う役割を担います。セミナーや営業資料の作成などマーケティングの要素が強いため、ノルマや目標を個人に課すケースは少ないでしょう。
――なお、同じ職種でも、企業の営業方針によってノルマや目標の厳しさは異なります。また、商品・サービスが優れており、ブランドの認知力が高い場合は営業がしやすいので目標達成がしやすくなります。
他にも、競合が少ないエリアの場合は、営業活動が比較的しやすいという傾向があります。転職先を決める際は、必ず仕事内容や評価制度などを確認するようにしましょう。
成果を求められない仕事は少ない
営業や販売職に限らず、多くの仕事は目標を立てて遂行され、達成状況で評価されます。目標を設定しないと、事業が適切に運営されず、従業員に対して公正な評価をすることができません。
そのため、企業は経営方針に従って事業戦略を決め、「売り上げ○○億円」「ユーザー数○○万人」などの数値目標が設定されます。それを個人の目標にブレイクダウンするのが一般的で、全く目標がないというケースはほとんどないでしょう。
営業や販売などの直接部門だけでなく、開発やバックオフィスなどの間接部門でも、「売り上げ○○億円を実現するには、△△の新商品を××までにリリースする必要がある」「○○万人のユーザーを獲得するために、××までにPRを行う」などの目標が設定されます。
長く活躍し続けるためには、ノルマや目標を課されない仕事を探すのではなく、自分が成果を出せそうな仕事かどうかを見極めることがとても重要になります。
また、達成難易度やプレッシャーは企業によって異なるため、全体の達成率や目標の管理方法などを面接で確認し、自分に向いているかどうかを判断するようにしましょう。
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