転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2018/11/16 UPDATE 毎週水・金曜更新!

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残業代の基礎知識と正しい計算方法

残業代の基礎知識残業代の計算方法を正しく理解していますか?

この記事では、ビジネスパーソンであれば理解しておきたい残業代の基礎知識として、分かりやすい例をもとに、残業代の計算方法や法定労働時間と所定労働時間の考え方について解説します。また、割増になる残業代と割増にならない残業代も紹介しています。

プロフィール

あべ社労士事務所
代表 社会保険労務士 安部敏志(あべさとし)

大学卒業後、国家公務員I種職員として厚生労働省に入省。労働基準法や労働安全衛生法を所管する労働基準局、在シンガポール日本国大使館での外交官勤務を経て、長野労働局監督課長を最後に退職。法改正や政策の立案、企業への指導経験を武器に、現在は福岡県を拠点に中小企業の人事労務を担当する役員や管理職の育成に従事。事務所公式サイト:https://sr-abe.jp/

残業代とは?

「残業代」という言葉が一般的ですが、法律用語としては「割増賃金」と言います。会社は、労働基準法に基づき、以下の労働に対して割増賃金を支払う義務があります。

– 時間外労働:割増率25%以上
– 休日労働:割増率35%以上
– 深夜労働:割増率25%以上

なお、実際の割増率は会社の就業規則によりますが、法律で定められている最低限の率(時間外労働の場合は25%)で計算している会社が多いようです。

残業代の計算方法

残業代は以下の計算式により計算されます。

残業代  = 「基礎となる賃金」 ×  時間外労働、休日労働または深夜労働の時間数  × 割増率

「基礎となる賃金」とは?

「基礎となる賃金」は基本給だけではありません。基本給以外に、会社から支給されている各種手当も「基礎となる賃金」に含まれます。ただし、以下の手当は法令により除外可能とされています。

基礎となる賃金から除外可能な手当

– 家族手当
– 通勤手当
– 別居手当
– 子女教育手当
– 住宅手当
– 臨時に支払われた賃金
– 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金

残業代の計算例

それでは、わかりやすい事例を使って残業代の計算例をご説明します。

・月給16万円、所定労働日20日、 所定労働時間が8時間の正社員Aさんが2時間の時間外労働を行なった。
・この会社の時間外労働の割増率は25%、深夜労働の割増率は25%

Aさんの時給相当額を計算すると、時給相当額は1,000円になります。会社は以下の計算により、Aさんに追加で2,500円の残業代を支払わなければなりません。

16万円 ÷ 20日 ÷ 8時間 = 1,000円(時給相当額)
1,000円 × 2時間 × 1.25(割増率) = 2,500円

ただし、この2時間の時間外労働が深夜労働(午後10時から午前5時)に該当する場合は、以下のようになります。

1,000円 × 2時間 × 1.50(時間外労働の割増率25% + 深夜労働の割増率25%) = 3,000円

割増になる残業代と割増にならない残業代

ここまで「残業代 = 割増賃金」として、基本的な内容を解説してきましたが、実は「残業代 = 割増賃金」というのは正確ではありません。残業代というのは、残業することで毎月の賃金に上乗せして支払われるものですが、割増にならない残業代もあります

法定労働時間と所定労働時間

時間外労働に対しては、「割増率25%以上の割増賃金が必要」と解説しましたが、法的に正確な解説を行うと、

法定労働時間を超えた時間外労働に対しては、割増率25%以上の割増賃金が必要

ということです。「時間外労働」が何に対する時間外なのか、つまり法定労働時間外なのか所定労働時間外なのかを明確にしておかなくてはなりません。そのためには、法定労働時間と所定労働時間という考え方を理解しておく必要があります。

– 法定労働時間:法律が定めた限度の労働時間(原則、1日8時間・1週40時間)
– 所定労働時間:会社が定めた労働時間

例えば、9:00-17:00の勤務、休憩時間1時間という勤務形態の会社の場合、所定労働時間は7時間です。

もし、この会社で18:00まで働いた場合、所定労働時間を1時間超えて時間外労働したことになります。これも時間外労働であり、残業と言えるわけですが、法定労働時間の8時間以内なので、図のように、法律上は割増率は25%でなく0%でも構いません。時給1,000円の方の場合、17:00-18:00の残業代は1,000円です。1,250円にはなりません。

所定労働時間と法定労働時間

ただし、これは法律上の話であり、実際の計算は会社の就業規則によります。会社の就業規則が

– 所定労働時間を超えた時間外労働に対して割増賃金を支払い、その割増率は25%

となっていれば、就業規則が法律に優先されるため、上の例で18:00まで時間外労働をした場合、1,000円ではなく1,250円の割増賃金となります。

早出勤務の場合は?

残業時間というと、勤務時間より後の時間というイメージを持たれがちですが、朝早く出勤する、いわゆる早出勤務も時間外労働(上の例では9:00-18:00以外の時間)になります。

そのため、例えば始業時刻9:00に対して、8:00に出勤して仕事をしていれば、1時間の時間外労働になりますし、残業代は発生します。

問題となるのは始業時刻より早く出勤しているのが仕事なのかどうかという点です。仕事であれば時間外労働になり残業代が発生しますし、自分自身の勉強のためなど自主的なものであって仕事でなければ、時間外労働にはなりません。

記事作成日:2018年8月30日 EDIT:リクナビNEXT編集部