英文履歴書・職務経歴書(レジュメ)の書き方【例文付き】
外資系企業や、英語力を活かした求人に応募する場合には、英語レジュメの提出を求められます。日本語で履歴書や職務経歴書を作成する場合とはまとめ方が少し異なるため、はじめて作成するなら特に注意が必要です。今回は、転職成功者が実際に使用した英語レジュメを参考にしながら、書き方のコツを整理します。
シーディエス株式会社 霍野菜穂子氏
一橋大学卒業後、安田信託銀行(現みずほ信託銀行)に入行。ジュニアファンドマネージャーとして経験を積んだ後、ロンドンに渡りUBS、Dresdner Kleinwort Bensonなどの投資銀行に14年間勤務。ソシエテ・ジェネラルにてFICC、コモディティの日本窓口のヘッドとして活躍後CDSへ。金融業界を中心に、ミドルレベルからシニアレベルのリクルーティングを担当。日々のコンサルタント業務の中で数多くの英語レジュメを見ている。
英語レジュメは「履歴書」「職務経歴書」を英訳したものではない
英語レジュメを、「日本語で作成する履歴書・職務経歴書を英訳したもの」だと考えていたら大間違いです。
「レジュメを見る外国人の担当者が知りたいのは、その人が何をできるかです。どんな組織にいたかではありません。よって、具体的なスキルを中心に、積んできたキャリアの中身が伝わるようにまとめることが基本です。部署名や事業所名などを細かく書く必要もありません。逆に言えば、どんなスキルがあるかがきちんと伝わりさえすれば、フォーマットにこだわる必要はありません」(霍野菜穂子氏)
定型フォーマットがなく、自由に作成できることを「表現の幅がある」「好きにアピールするチャンス」と捉えられる発想がないと、グローバル企業で活躍する人材になれないかもしれません。
「大切なのは、シンプルな表現で伝えること。どう書けば自分のキャリアがわかりやすくまとまるのか、自分の仕事を英語で表現するとどうなるのかなど、最初は言葉選びで悩むでしょう。まずは一度努力して書いてみること。書くことで英語の語彙は確実に上がります。そして、自分で作成したものは、専門エージェントのキャリアドバイザー・リクルーターに見てもらうといいでしょう。細かい表現などは、添削してもらいながら少しずつブラッシュアップさせていけばいいと思いますよ」
実物のレジュメを参考に、ポイントをチェック
【case1】旅行会社の営業アシスタントから転職を希望するAさん(36歳)の英語レジュメ
「30代までで転職回数がそれほど多くない人や、プロフェッショナルとして複数分野のスキルに長けている人でなければ、時系列で書いていくほうが伝えやすいと思います」
時系列にまとめる際は、日本語で書く職務経歴書のように直近の仕事から書くのが一般的。また、語学力や使用できるアプリケーションなど強調できるスキルについては、別途項目をたててまとめておきたいところです。
(1)「できること」ごとに見出しを立てる
関わった仕事の内容ごとに見出しが立てられており、身についたスキルが明確で、何ができるかが一目でわかるレジュメ。
「さらに、それぞれの具体的な業務内容、詳細が箇条書きで簡潔にまとめられており、読み手は要点をつかみやすいですね。時系列で記述しているにもかかわらず、スキルがちゃんと見えるという、とても秀逸なレジュメです」
(2)動詞から始まる箇条書きにする
「英文」を書こうとすると、「主語+述語」で記載したくなるもの。しかしそれでは説明的な文章になり、レジュメとしては合いません。
「基本的には“I”などの人称代名詞は省略したほうがシンプルで簡潔な文章になります。もちろんそれで十分に伝わりますし、一文が短くなって読み手も理解が早まります」
(3)海外で学んだ経験があればプログラム名や資格の内容まで書く
留学経験や語学研修を受けた経験など、海外で学んだこと経験がある場合は、このレジュメのように項目をつくってアピールしたいところ。
「どこで何をしたかだけでなく、何をどれだけ学んだかを具体的に記述すること。たとえ短期海外語学研修であっても、このレジュメのように『Language Studies Canada, Certificate of Intensive English as a Second Language Course Advance2 (Level 8 of 10)』などとプログラム名や資格の内容まで明記するといいですね。採用担当者が応募者のスキルをイメージしやすいですし、真剣に取り組んだことの証明にもなります」
【case2】広告制作会社の財務・経理から転職を希望するBさん(34歳)の英語レジュメ
時系列にまとめる場合でも、概要や強調したいことを抜き出し、項目立ててまとめることは有効です。
「枚数については特に決まりはありません。ただ、ダラダラとたくさん書かないように。必要な情報がきちんと網羅されていることを最優先に考えてください」
その結果、1枚に収まらずに2枚、3枚となっても、それは大した問題ではないとのこと。
(1)概要を最初に書くとわかりやすさがアップ
「OBJECTIVE」「SUMMARY」「QUALIFITATION(SPECIAL SKILL)」など、採用担当者が特に気にする内容については、最初に項目をつくり、箇条書きなどで明確化しておくと良心的。論理的でわかりやすいレジュメだという印象を与えられるはずです」
(2)スペースの確保や下線など、レイアウトは工夫を
「レジュメの作り方から、転職者の自己表現能力を見ようとする担当者もいます。文字がぎっしりのものよりはスペースがあって見やすいほうが印象もいいですし、伝えたいスキルや経験が目につきやすくなります。このレジュメは下線でうまく会社ごとに区切られていて、バランスの良さが印象に残りますね」
(3)最終学歴のみでOK
学歴は最終学歴のみを。使用できる言語や、アプリケーションなどのスキルも最後にまとめておきましょう。学歴だけでなく、業務経験も最後(直近)のものを重要視する場合が多いため、スペースは多めにとって厚めに書くように。「PERSONAL DATA」については必須項目としない場合も多いが、「書くなら一番最後に添えておけばいいでしょう」
「個人として」何ができる人なのかが伝わることが最も重要
フォーマットがない分、自由度が高い英語レジュメ。最初はなかなか苦戦しがちかもしれません。とはいえ、日本語の職務経歴書のように、「自分自身を売り込むためのツール」であることは同じです。まずは見本を参考にしながら、自分なりに作成してみることが大事です。
転職活動を進めながら、キャリアアドバイザーなど転職のプロに添削をお願いしてみるのもお勧め。少しずつブラッシュアップさせ、自分のキャリアを効果的にアピールする方法を選んでいきましょう。
記事作成日:2013年2月6日
EDIT&WRITING 志村 江 PHOTO 樋木 雅美
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