転職のプロが伝える企業と自分の相性の見極め方
転職を考えるとき、企業選びにはさまざまな基準があります。
転職してから後悔しないよう、相性のよい企業を選びたいものですが、そもそも「相性がよい」とはどういうことでしょうか。
今回は、相性のよい企業の見極め方について、約500名の転職支援に携わった組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏に伺いました。
転職活動で企業と自分の相性を見極めるメリット
転職活動の「相性」と言うと、その企業のビジョンとの相性、事業・仕事との相性、組織・人との相性、人事制度との相性など、いろいろな面での相性が考えられます。
それぞれ大事なポイントですが、中でも「その企業の持つ独特な雰囲気」ともいえる「社風」との相性は、その企業で仕事をする上で、非常に重要なファクターです。
社風は、その組織に共通したものの考え方・行動・見方で、社員一人ひとりが感じている、いわば主観的なものです。それゆえに、転職したては社風がわからず、適応が難しいと感じてしまうことがあります。
たとえ仕事ができる人でも、その企業特有の仕事の進め方や、評価基準、意志決定方法などがわからなければ、思うようなパフォーマンスを発揮できません。
もし自分の価値観・志向性と社風が合っていなければ、尽力したことが成果につながらず、評価されない場合もあります。
仕事内容の相性がいいことはもちろん大切ですが、社風との相性がいいことは、自分のパフォーマンスを評価してもらい、仕事を任され、安心して働くことにつながり、より前向きに働く上で、大きなメリットになります。
まずは自分自身を知ろう
企業との相性を見る際には、企業に関して調べると同時に、まずは自分自身について整理をする必要があります。何を重視して働くのか、自分のどんな強みを活かしたいのかなど、客観的に把握しましょう。
自分の強みがわからない場合は、上司からの評価や、同僚から仕事に関して言われたことなどを思い返してみます。
もう少し客観的に自分の強みを知りたい場合は、診断ツールを使う方法もあります。
そのうえで、仕事の進め方やコミュニケーションスタイル、評価基準等について、どのような社風の中で働きたいのか、自己分析しておきましょう。
「チームワークを大事にしたい」「フラットなコミュニケーションができる」「プロセスを重視する」など、望んでいる社風を言語化しておくとよいでしょう。
転職活動のステップ別企業との相性の見極め方
転職先の社風と自分の相性を知るには、企業の情報を多角的に調べることが大切です。
企業の社風と相性がいいかどうかは、求人を選ぶ段階や面接の場で確認していきましょう。ここでは転職活動のステップごとに、企業との相性の見極め方をお伝えします。
求人応募時
求人に応募する際は、求人情報やホームページで企業情報を確認することでしょう。その際に、企業のビジョン・ミッション・バリューや社長メッセージに目を通しましょう。
特に社長のメッセージには経営方針や企業の社風が反映されています。インターネットで検索し、経営者インタビュー記事を探して読んでおくと、社風を知る手立てになるでしょう。
面接時
面接は、実際に企業の社員に会える貴重な機会です。質問をする機会があれば、働いている様子などを確認してみましょう。
例えば、一日のスケジュールについて教えてもらうと、同僚とのコミュニケーションの取り方や、スピード感を知ることができます。
また、男女比や年齢層などのチームの構成員を聞くことで、雰囲気が想像できる場合もあります。ほかにも、その企業で社内表彰があれば、どういったことを評価した表彰なのかを聞くこともよいでしょう。
営業成績を評価しているのか、顧客対応力を評価しているのか、社内コミュニケーションを評価しているのかで、仕事の内容からだけでは推測できない社風が見えてきます。
また、面接官が二人以上いれば、会話やコミュニケーションの様子から、職場の雰囲気を知ることもできるでしょう。
その他
選考フロー以外にも、企業のイベントに参加したり、社内見学などを通じて、面接官以外の人と話す機会を作ってもらったりしてもいいでしょう。
特にオンライン面接だけで選考が進んでしまった場合には、社風をつかめていない可能性があります。企業主催のオンラインイベントに参加するだけでも、社員の参加の様子などから、選考ではわからなかった社風を感じることができます。
また、転職エージェントを利用することで、過去に該当企業に在籍していた人が話していた社風について、聞ける場合もあります。
100点満点の相性はないと考えておこう
社風との相性を意識して選考を進めたつもりでも、100点満点で相性が合うということは、なかなか難しいでしょう。
だからと言って、「年収がいいから」「仕事内容が次のキャリアにつながるから」と、条件だけで推し進め、「なんとなく合わない」という本音に目をつぶってしまうと、入社後条件が変わったときに、辞めたくなってしまいます。
「ここなら心地よく自然に働けそう」と、直感的に自然に頑張れそうだと思った会社の社風は、自分と相性がよいと考えましょう。
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