受かる志望動機とは?上手な志望動機の書き方と伝え方【例文付き】
企業にとってわかりやすく、納得度の高い志望動機とはどのようなものなのでしょう。
組織人事コンサルタントの粟野友樹さんが、職種別の例文を紐解きながら、志望動機の整理の仕方、書き方や伝え方のポイントを解説します。
受かる志望動機とは?
志望動機が大事なのは事実ですが、志望動機だけで合否が決まるわけではありません。それでも、分かりやすく納得度の高い志望動機にすることで、自ずと合格率を高めることはできるでしょう。
では、面接官に伝わりやすく、納得度の高い志望動機の書き方・伝え方について解説していきます。
自分と志望企業が重なる接点を明確にしよう
面接官の納得度が高まる志望動機にするために押さえたいポイントは大きく分けて4つです。
- 事業内容が理解できており、その会社を選んだ理由が明確である
- 転職理由と志望動機に一貫性がある
- 経営理念・カルチャーへの共感が見られる
- 会社に必要な経験・スキルがあり、入社後に何ができるのかが明確である
これら4つのポイントを整理する際は、自分と志望企業とが重なる接点に着目しましょう。
業界・企業研究を深め、事業内容や経営理念、カルチャーを理解することは大切です。
ただ、その会社に興味を持ち、共感した理由に自分との接点がなければ、志望動機として説得力が出ないでしょう。入社後にどう活躍できるのかを伝える上でも、企業が必要とする経験・スキルを持っているかどうか、発揮できるのかどうかが重要です。
志望動機は業界・企業・仕事内容の3軸で整理しよう
志望動機を整理する際は、業界・企業・仕事内容へと対象を絞って考えるといいでしょう。
- なぜその業界に興味があるのか
- 経営理念や事業内容、人や組織、評価などどういう軸で興味があるのか
- どの業務内容で自分のスキル・経験、強みを発揮できるのか
自分と企業との接点がない志望動機では、企業側は「うちの会社じゃなくてもいいのではないか」「この人を採用するメリットはどこにあるのだろうか」と懸念を抱きます。
上記の3軸で考えることで志望動機をまとめやすくなり、企業側も入社後にどう貢献してくれるのかをイメージしやすくなるでしょう。
志望動機の書き方・伝え方で気をつけるべきポイント
企業側は、求職者のリアルな経験や実体験に基づいた志望動機を知りたいと考えています。
「御社(貴社)のサービスを普段から活用しているので」「御社(貴社)の商品が好きだから」「○○という経営理念に共感したから」といった理由では、表面のいいところだけを見ているのではないか、興味本位なだけではないかと捉えられてしまうので注意が必要です。
ほかにも、
- 給料などの処遇面、福利厚生の話ばかりする
- 即戦力重視の採用ポジションに対して、1から学びたいという意向を伝える
- 長々とスキルや経験が書かれており、志望企業や仕事内容にどう活かせるのかが伝わってこない
などの志望動機では、その業界・企業・仕事内容を選んだ理由が見えず、企業側は採用の判断がしにくくなってしまうでしょう。
志望動機の書き方・伝え方の例文
では、どのような志望動機であれば企業側の理解が深まるのでしょうか。具体的な志望動機の書き方、伝え方のポイントと例文を見ていきましょう。
志望動機の書き方のポイント
履歴書・職務経歴書の志望動機欄に書く際は、スペースも限られているため200~300文字程度を目安にします。要点を簡潔に記載し、詳細を面接で話せるように準備しておきましょう。
志望度の高い企業には別途、志望動機書を添付して提出するケースもあります。志望動機書はA4用紙1枚程度にまとめます。これを添付することで、履歴書・職務経歴書には書けなかった具体的な内容や想いを伝え切ることができるでしょう。ただし、志望動機書の作成には時間や労力がかかるので、特に志望度が高い企業に対して提出することをおすすめします。
では、ここで一般的な志望動機の例文についてご紹介します。
【例文】職種:事務(IT業界→スタートアップ期コンサル業界)
現職ではコンサル業界出身の方と仕事をする機会が多く、論理的思考力の高い優秀な方々と働くことで自分の成長につながると思い、貴社業界に興味を持ちました。
立ち上げフェーズであり、事業が〇〇領域に特化して急成長をされている貴社でスキルアップを目指すためにも、事務を通じてコンサルタントの皆様が働きやすい環境整備を進めたいと考えております。
現職では主に総務・事務を中心に担当していますが、簿記3級も持っているため経理業務にも貢献できます。また、バックオフィス全般のマニュアル作成や業務整理も任されており、現場が必要とするサポートを先回りして進める力が鍛えられました。今後は、人事や営業事務など新しい領域にも挑戦し、事業成長に貢献できれば幸いです。
このケースでは、業界、企業、仕事内容の3つの軸を次のように整理しまとめています。
業界:現職のプロジェクトで優秀なコンサル業界出身の方と仕事をする機会が多く、こういった方々と働けたら自分にとって成長になると考え、コンサル業界を志望。
企業:会社を立ち上げたばかりの企業フェーズと、事業が〇〇領域に特化しており今後の世の中のニーズに合致していると感じた点からこの企業を志望。
仕事内容:スタートアップ期だからこそ、総務・経理・人事・営業と幅広い領域でチャレンジができることが魅力と感じた。
さらに、活かせる経験スキルとして、簿記3級も持っており経理事務としても貢献できる点やバックオフィス全般のマニュアル・業務の整理を行える点を伝えています。入社後には、自分もスキルアップしながらコンサルタントが働きやすい環境を整備していきたいとまとめています。
志望動機の伝え方のポイント
面接で志望動機を伝える際は、だらだらと長く話さず、1分程度にまとめられるのが理想です。文章が長い場合は、要点やポイント部分のみを抜粋してアピールするといいでしょう。では、ここで志望動機を伝える際の例文についてご紹介します。
【例文】職種:営業(地方銀行→人材業界)
地方銀行の営業として、中小企業の経営状況や人材不足などの現実を見てきた経験から、人材面から地方企業の支援に力を入れている貴社の経営方針に共感し、志望しました。
現職では、お金の面から経営支援を行ってきました。しかし、人材が枯渇して事業が立ち行かなくなるケースを目の当たりにし、経営資源において“人”が最も重要だと感じるようになりました。貴社は全業界の顧客に対応すると同時に、地方企業の支援を地方銀行などと連携して行っており、その事業内容に強く意義を感じています。
現職では、お客様を数字や書面上で知るだけではなく、製造や販売現場に足を運び、働く人のリアルな情報を集めて提案をしてきました。貴社で、これまでの営業経験を活かしながら地方の中堅・中小企業向けの人材コンサルティングを行う領域で実績を挙げ、お客様の成長に貢献したいと考えております。そして、将来的にマネジメントができる人材になり、適切な組織作りに貢献したいと思っています。
このケースでは、業界、企業、仕事内容の3つの軸を次のように整理しまとめています。
業界:地方銀行で中小企業の経営をお金面から支援してきたが、人材面での支援が根本ではないかと考えるようになり、人材業界を志望。
企業:全業界の顧客に対応されている幅広さと同時に、地方企業の支援を地方銀行などと連携して行っている事業内容や方針に共感した。
仕事内容:ヒト・モノ・カネ情報の中で、お金に関わる部分を経験した上で、人が大事だと考えている。特に中堅中小企業向けの人材コンサルティングを担当できることに魅力を感じた。
活かせる経験スキルでは、現職で顧客の現場を見て、現場に即した提案をしてきた点をアピール。将来はマネジメント層として、組織作りに貢献していくビジョンも伝えています。
まとめ
志望動機は、志望企業の魅力や良さだけを伝えるだけでもなく、自分のスキル・経験をアピールするだけでも足りません。その両者がどう結びついているかという観点を大切に、これまでの経験を振り返るようにしましょう。
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