結婚前と結婚後、転職するタイミングはどちらがいいですか?【転職相談室】
仕事にやりがいを感じて働いているものの、パートナーとの結婚が近づき、ワークライフバランスのために転職を考えるようになったというご相談。
今回は、リクルートキャリアのバリエーションワークスタイル推進プロジェクト(旧女性リーダー採用・活躍支援プロジェクト「ジョカツ部」)の中野裕子さんに伺いました。
目次
結婚を控えて転職をするなら、タイミングはいつ?(Tさん/メーカー/27歳/女性)

食品メーカーで広報を担当して5年目。後輩の指導も任されるようになり、やりがいを持って働いていますが、小さな会社のため、責任範囲が広く毎日残業をしています。
お付き合いしているパートナーとの結婚話が出ているため、最近は、結婚後のワークライフバランスを考えるようになりました。転職をするなら結婚前、結婚後どちらが良いのでしょうか?
結婚と転職のベストタイミングは人それぞれ

Tさんは、今任されている仕事の責任範囲が広く、毎日残業をしているということですが、結婚を機に働き方を見直して、どのようにしていきたいのでしょうか。
結婚したら、家事を自分でやる必要が出てくるでしょうし、パートナーと過ごす時間も大事にしたいと思っています。
時々残業が発生することはやむを得ないのですが、現在のように残業ありきの業務量を抱える働き方は、避けたいと考えています。
また、そう遠くない将来、子育てと両立していくことを考えると、今の会社では難しい気がしています。


今の会社は子育てする人への制度があまり充実していない、ということでしょうか。
私は、産休・育休を上限まで取って、復帰後も時短で働きたいと思っています。
現職には、そもそも育児と両立させている人が少ないですし、もし会社が、復帰後すぐにフルタイム、という働き方を期待しているのであれば、転職をした方がいいのではないかと悩んでいます。


多くの企業は就業規定で、産休・育休の取得は入社後一年以降などの規則がありますので、産休に入るまでに一年は転職先で仕事をすることになります。
また、転職後、職場で仕事を任せられると思ってもらえる程度に信頼関係を作りきれないまま産休に入ると、復帰後にポジションを確保しにくい可能性もあります。
子育てとの両立のために転職をして成功した人は、転職後から産休取得までにどのくらいの期間があれば、思い描いている仕事の実績を残せるのかを考えて、産休に入る時期から逆算して、転職のタイミングを計っています。


その辺のタイミングを見定めて、転職活動をいつスタートすればいいのか、考えてみましょう。
転職のタイミングを考えると同時に働き方を見直す

自分が担当している業務フローを整理し、後輩に任せられる部分は分担し、残業時間を減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。
女性のワークライフバランスの相談を受ける中で、ここ10年で、「私が(会社や部署内で)初めての産休取得者です」という人と、彼女たちに自社を女性にとって働きやすい会社にするための意見がほしい、ロールモデルになってほしいという企業が増えてきています。
最初の一人になるのは責任が重すぎると感じて転職する人もいますが、この職場を後輩のためにも自分が良くしようと考える人もいます。
任されている仕事が多いのであれば、人に仕事を渡していくこともできるはずなので、会社の制度を整える側に回り、自分が実現したい働き方の仕組みを作っていくこともできるかもしれません。
ただ、広報である以上、開発会議や営業会議など、各部署の定例会議に参加し、発信の準備をしていかなければならないので、なかなか自分が外すこともできないと思っています。


しかし、今後働き方を見直すのであれば、すべての会議に参加しなくても、業務が進む仕組みを作っていく必要に迫られると思いますよ。
自分が出席しなくても情報収集する方法を考えたり、後輩に任せたりする方法もあります。
その点に関しては、現職だから、転職したからということで変わらない部分です。
また、転職した先で、必ず子育て制度や周囲の理解が整っているとも限りません。
ここ数年で、各社とも女性活躍推進のための制度が充実してきていますが、運用状況は様々で、1社ごとに異なります。
一般的に、従業員規模が大きい企業であれば、充実した子育て制度が活用されていたり、上司・周囲の意識変革に向けた研修などが導入されていたりしますが、そういった企業は人気があって応募者が多く、転職する難易度はかなり高くなります。


そういった企業は、誰かが不在でも業務が進むような組織の仕組みを作っています。時短でも働きやすいノウハウがあるものです。
参考:「女性の活躍推進企業データベース(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/)」
また、多くの企業が女性に活躍を期待しているけれども、実際の取り組み方がわからないと言います。
そこで、当事者側が、具体的に「結婚後もこういう働き方がしたい。御社の女性社員は復職後どのように働いていらっしゃいますか?」ということを伝えると、企業側も対応の仕方が見えてきます。途中で変わるかもしれないけれども、現時点ではこう考えていますという姿勢を見せた方が、採用する側も対応方法を決めやすいのです。
その上で、働き方を見直し、企業の子育て制度と向き合っていく必要性を感じました。


転職もライフイベントもパートナーとよく話し合う

女性も男性も、まだ、旧来の家庭内における男女の役割分担を意識しており、言葉にしないまま、家事は女性の役割だと思っている人が多く見受けられます。
「果たして、それが本当に自分たち夫婦にとってあるべき姿なのか」と、問い直してみた方がいいですよ。
相手にどれくらい家事育児をやってもらいたいと思っているのか、自分はどれだけ仕事と家事育児の両立をできるのか、転職前にパートナーと話してみてください。


時代が変わり選択肢が増えているので、目指すものがあればそれを実現することは可能です。
それに対して、どういう働き方をしたいのかを、自分とパートナーで一緒に考えて、決めていく。
理想論かもしれませんが、そうしていくことで、予定通りのライフステージを進まなかった場合にも、変化に対応できる関係性があれば、また話し合って働き方を見直していくことができます。
例えば、子どもを想定通りに授かるかどうかは、誰にもわからないものです。
子育てとの両立を考えて、転職をしたものの、なかなか子どもを授からないまま40代後半になった人もいますし、やりたい仕事があっても、まずは妊活を優先して仕事を辞めた人もいます。
人の気持ちも変わるもので、子育てで仕事をセーブしてみたものの、逆に「実はもっと仕事を頑張りたい自分に気づいた」という方や、その逆の方もいます。
結婚を控えて、転職のタイミングを悩んでいましたが、そもそも、自分の長期的なキャリアプランとライフプランを整理することから、見直すことが大事だとわかりました。
ありがとうございました。

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