転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2018/11/16 UPDATE 毎週水・金曜更新!

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グッドエージェント賞 2015年受賞者 4.株式会社プロコミット 西尾理子氏

質の高いマッチングを実現した転職エージェントに授けられる「グッドエージェント賞」の受賞者を紹介するシリーズ。

グッドエージェント賞 2015年受賞者一覧 >

人も羨む好条件なのに迷いが拭えない

H氏から西尾のところへ「転職の相談にのってほしい。」と電話がかかってきたのは、2014年9月頃のことだった。4年前にH氏が大手監査法人からベンチャー企業へ移ったとき、転職を手伝ったのが彼女だったため、また依頼がきたのだった。

ところが、H氏の話を聞いたとき、西尾は戸惑ってしまう。彼はすでに好条件のオファーをいくつも持っていたからだ。「複数の有名ベンチャー企業からデータサイエンティストやCFOなど、熱烈なオファーがあり、いずれも現職より高収入が提示されていました。正直なところ、この上に何を望むのかと思いました。」

しかも、具体的な相談内容は、H氏本人も明確にできていなかった。「何かすっきりしない」―そんな漠然とした違和感の正体をはっきりさせるため、知らない情報を確認し、考えを整理しようと連絡してきたのではないかと西尾はいう。

「求職者には、『私は、正解を答えられるわけではありません』と話しています。プロとして第三者的立場から必要であろう情報はすべて提示するし、アドバイスもします。しかし、満足のいく転職を実現するには、求職者が“頭も心も納得”した上で、自ら決断しなければなりません。私はその結論に到達するための壁打ち役なんです。疑問や質問、悩みを受け止め、いくつかの案を提示しますが、選択権は、常に求職者に持たせます。そのスタンスが、絡み合った考えを整理したい求職者には心地良いのかもしれません。H氏も前回そんな印象を持っていたから、また連絡をくれたのだと思います。」

関連性の薄いスキルを両方生かして働きたい

西尾が面談を通して解きほぐすものには、収入などの条件や希望職種だけでなく、転職を契機に何を成し遂げたいのか、どういう自分になりたいのかといったマインドまで含まれる。しかし、マインドは曖昧模糊としており、一問一答のような形式ばった質問では明らかにしづらい。そこで西尾は、質問の答えに対してさらに質問を重ねていく。その過程で、求職者の思考は整理され、徐々に深まり、「結局のところ自分が何を望んでいるのか」が浮かび上がってくる。

H氏の場合、明確になった望みは贅沢なものだった。アーリーフェーズのベンチャー企業において、監査法人で培った上場準備にも対応できる経理財務スキルと、急成長していくベンチャーにおいて磨き上げたデータマイニングのスキル両方を生かせるポジションで、存分に力を試したいというものだったからだ。

「彼が持っていたオファーは、経理財務とデータマイニングのいずれかを必要とするポジションだけでした。一般的な職種に両方を生かせるポジションなどないため、H氏は希望が叶うわけがないと、本人も気づかないうちに自らの想いにフタをしていたのです。ただ、希望が明らかになったからには、応えられるオファーを提示したい―そのとき浮かんだのがC社でした。」

求人にはないポジションを創出してマッチング

C社は25歳の社長が2013年に設立したベンチャー企業だが、総務省のイノベーション創出チャレンジプログラムの対象になるなど、未来を変えうる企業として注目されている。その事業とは、自動車に設置して走行情報など、さまざまなデータを蓄積できる機器の開発であり、将来的には、収集したビッグデータを活用した新規事業創出も視野に入れている。ただ、社員は5名だけで、西尾のところには、エンジニアや経理財務、事業開発など、他職種の採用ニーズが届いていた。

「C社も、想定していた職種は限定的なものでした。しかし、経理財務に明るく、近い将来訪れるであろう上場にも、ビッグデータ解析による新規事業創出にも対応できる人材が必要ないはずがありません。C社の事業内容や将来像とH氏のスキルの親和性をじっくり説明して、彼の力を発揮しやすいポジションを創出して迎え入れることを勧めました。」

得難い人材の必要性に気づいたC社も非常に前向きになり、H氏が最初に連絡してからおよそ1カ月後に採用が決まった。

この案件は、求職者、求人企業双方が認識していなかったニーズを浮き彫りにし、新たなポジションを創出することでマッチングさせた好例といえる。しかし、もう一つ大きな示唆があると西尾はいう。

「優秀な人ほど、自らの可能性を広げることに能力を傾けます。ゆえに、転職を考えたとき条件の絞り方が分からず、強みを明確化できないまま、一般的な価値観に流され、心の納得を得られずに転職してしまうことが少なくありません。その意味では、優秀な人も転職弱者なんです。だから、コンサルタントには、求職者の真の想いを浮かび上がらせるパートナーシップが必要なのだと思います。」

受賞ポイント

求職者から信頼され、本人も気づいていない想いを言語化する力

満足のいくマッチングを成功させるためには、前提として求職者の真の望みを言語化する必要がある。ただし、求職者自身が気づいていない望みを掘り起こすのは容易ではない。西尾氏は的を射た質問を繰り返し投げかけることで、求職者の思考を一歩ずつ深めていくことに成功している。また、その過程が求職者からの信頼獲得にも結びついている。

求人企業の本質的ニーズと求職者の望みを叶えるポジションを創出する

求人企業が置かれている現状などの短期的視点だけではなく、将来の展望など中長期的ビジョンからも本質的なニーズを理解する。そこに、求職者の真の望みを掛け合わせることで、限定的な職種という枠にとらわれないポジションの提案を実行。事前の情報収集や分析精度を突き詰めることで、提案の確度を上げ、求人企業、求職者双方の納得感も獲得している。

受賞者

株式会社プロコミット 西尾理子氏優秀賞_西尾理子

大学卒業後、大手コンピュータ関連会社に入社。ITコンサルティング業務に従事した後、大手人材紹介会社に転職。主に、IT業界、製造業界出身者の転職支援を担当。その後、サーチ部門にて、主にエグゼクティブ、エンジニア向けのスカウティングに携わり、プロコミットへ。現在は、成長企業の次世代リーダーポジションやITエンジニアの採用・転職支援を中心に担う。