転職で幸せになる人の共通点は?体験談から学ぶ失敗しない転職の共通点とは?
今いる環境から「よりステップアップしたい」「年収を上げたい」「ライフワークバランスを重視したい」など、転職を考える理由はさまざまです。ただ、変化に不安はつきもの。
どんな転職をすれば幸せになれるのか、実際に転職した方たちにはどんな共通点があるのでしょう。組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏に伺いました。
転職で幸せになった人のケーススタディ
まず、希望通りの転職ではなかったが、結果的に幸せを感じられた方の事例をご紹介します。
事例1:「年収は下がったけれど幸せ」
26歳女性Tさん。
結婚を機に、大手ネットバンクから住宅ローン会社へ転職。
民間と政府系迷ったが、政府系を選択。
前職では、仕事にやりがいを感じつつも、あまりの多忙さにプライベートの時間がほとんどとれなかったというTさん。結婚をきっかけに、転職を考えました。
民間と政府系、2社の住宅ローン会社から内定をもらいましたが、より自分のライフスタイルに合った働き方を…と政府系に進むことに。
「やりがい」や「年収」という軸では希望通りの転職とはいきませんでしたが、これまでの「残業してバリバリ働く」日常から、17時半~18時には退社する毎日に変わり、心に余裕が生まれるようになったそうです。
「民間の住宅ローン会社の方が、仕事のやりがいを感じるシーンは多かったかもしれません。でも、Tさんにとって大切だったのは、ライフスタイルに合わせて働き方を考えることでした。
結果、家族もTさんの転職を喜んでくれ、体と心のバランスがよくなったと喜んでいます。何を優先して転職するか、長期的な視点を持って動いたことがよかったのだと思います」(粟野さん)
事例2:「希望の業界ではなかったけれど幸せ」
26歳男性Iさん。
塾勤務。コンテンツ制作の企業に人事として転職。
学習塾で教室長を務めていたIさん。人を育てることに興味を持ち、教育系の業界で人事・育成などに携わりたいと転職を決めました。
ただ、人事未経験のため、希望する業界からはなかなか内定が出ません。
そこで、「教育業界にこだわらず、“人事業務”に携われるところで経験を積もう」と積極的に情報収集を行って選択肢を広げたところ、コンテンツ制作会社から採用が決まりました。
小さな会社だったため、人事、採用、総務まで業務は幅広く、育成だけにパワーを割けるわけではありません。しかし、広く経験を積める環境は「未経験の自分には合っていた」と満足しているそうです。
「Iさんはコンテンツ制作という事業内容に興味があったわけではなく、希望通りの転職とはいえない条件でした。でも、入ってみると周りの社員が誇りをもってモノづくりに向かっている様子に刺激を受けるように。彼らを支える人事・総務全般の仕事にやりがいを感じ、今では社内の雑用も前向きに取り組んでいらっしゃいます。
転職活動を進めながら、自分に合うところを柔軟に捉えなおし、自分の成長可能性を見出していく方は、転職後も幸せに働いているなと思います」(粟野さん)
転職後も満足感を得られていない人のケーススタディ
一方、思い描いた通りの転職をしたはずだったのに幸せを感じられない、というケースもあるようです。
事例3:「大手の希望は叶ったけれど…」
26歳男性Nさん。
大手金融から、大手メーカーに転職。
転職理由は、「就活リベンジ」だったというNさん。
「新卒で行きたかった」という大手メーカーへの転職を実現したものの、風土が合わずに再び転職を検討しているといいます。
「業界・企業選びの軸は、一貫して“大手企業”と“メーカー”でした。Iさんはコミュニケーション力が高く、自ら人脈を作って新しいことにどんどんチャレンジしていくタイプの方。ベンチャー企業で、チャレンジングな働き方ができる環境も合っているのではないかと提案したこともありました。
ただ『名の知れたところで自分に箔をつけたい』と、選考を受けたのは大手のみ。採用が決まったときはとても喜んでいましたが、転職後、新しいことに積極的にチャレンジする志向性とメーカーの風土が合わず、違和感を抱いているようです」(粟野さん)
事例4:「成長重視の転職だったはずが…」
20代半ば女性Yさん。
大手銀行から「成長できる環境」を求めて、外資系コンサルティングファームに転職。
前職の銀行では、頭取の国際会議などの出張に同席し、秘書兼リサーチャーとして活躍していたYさん。仕事を任されるようになった最初こそ、メガバンクのトップに帯同できる面白さを感じていました。しかし成長実感を得にくく、よりスキルアップを目指せる環境に身を置こうと外資系コンサルティングへの転職を実現しました。
成長スピードに期待していましたが、入社してアサインされたプロジェクトは銀行向け。結局、前職と同じようなスピード感、堅い風土に対峙することになり、思い描いた働き方ではなかったようです。
「コンサルティングファームはプロジェクトベースで仕事が進むので、担当業界やプロジェクトメンバーによって状況はかなり異なります。
Yさんは『大手コンサルに内定が出た。これで、バリバリ働いてスキルアップできる』とすぐ転職活動を終えましたが、大手コンサル=成長できる、と思考停止になっていた部分があったかもしれません」(粟野さん)
幸せな転職を実現するために
では、転職後の満足度が高く、幸せなキャリアを築いている人にはどんな共通点があるのでしょう。
これまで数多くの転職相談を受けてきたコンサルタントの粟野さんは以下の3点を挙げます。
- 情報収集に労を惜しまない人
- 内定が出た企業の知名度や規模などに惑わされず、納得できるまで吟味する人
- 転職活動を始めてからも、優先順位を柔軟に変えながら動ける人
「転職活動に時間をかけ、情報収集を大切にしている方は、転職後の満足度も高い傾向にあります。事業内容や仕事内容を理解するために、説明会やイベント、選考に入る前の面談などに足を運ぶ方も多く、また複数企業の選考・面接を受けるなどして、企業と直接コミュニケーションをとる機会を積極的に見つけています。
情報収集をすればするほど、比較検討する材料が増えていきます。そのため、1社から内定が出たとしても、転職活動で大事にしたい軸に照らし合わせて、自分が活躍できそうか、風土が合いそうかといった冷静な判断ができ、納得できなければ内定辞退という決断もできるようになります。
例えば、名の知れた企業から内定が出ると、『大手だし安心』と思考停止になってしまう転職者は多くいらっしゃいます。
しかし、たとえ結果的に大手企業へ転職したとしても、ベンチャー企業も大手も両方、転職活動を通じて比較検討した上で選んでいれば、納得感があり、入社後に『自分で選んだのだから』と踏ん張る力にもつながるでしょう。
そして、転職活動とは、動いているうちに考えが変化していくものです。
『この会社のことを知らなかったけれど、社員の話を聞いてみたら自分に合いそう』という出会いはたくさんあります。最初に決めた条件にあまりに頑なにならず、他の選択肢に柔軟に触れながら検討するといいのでは。最終的に『自分が決めた道なのだから、“幸せな道”にしていこう』と考えられるようになると思います」(粟野さん)
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