異業種・異業界への転職にはどんなスキルが求められる?成功のコツは?
最近気になるあの業種や新卒の頃から憧れていた業種へ、ほかの業種から転職はできるものでしょうか。
同業種・同職種であれば経験をそのまま活かせるため、転職のしやすさは一番です。一方で、まったくの未経験の業種・職種へ転職したいのであれば、それに合った準備が必要になります。では、異なる業種へ転職したい場合、どんなポイントを押さえればいいのでしょうか。
ここでは職務経験を活かして業種を変えたいという転職について、これまで多くの転職者をサポートしてきた、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏にアドバイスをいただきました。
※今回の記事では、「業種」と「業界」について、同義で使用しています。
異業種転職は難しい?
異業種転職であっても、職務経験を活かすことを前提としていれば、業界を変えるのはそこまで難しいことではありません。
同業種同職種の転職と同じで、年齢と経験年数・スキルの相関関係がマッチしていれば業界を変えることは大きな壁にはならないものです。
年齢でとらえた場合と、職務経験でとらえた場合でポイントを見てみましょう。
企業が重視するポイントは年齢によって異なる
企業が採用をする際に重視するポイントは、大きく分けると以下の4つあります。
- 基礎学力や素養、職務遂行能力といった「ポテンシャル」
- 仕事に対する価値観や考え方を表す「スタンス」
- 業界問わず活かせる仕事の強み「ポータブルスキル」
- 専門性が高く特定の領域で発揮される「テクニカルスキル」
例えば、20代で転職と考えるのであれば、「ポテンシャル」と「スタンス」に加えて「ポータブルスキル」も多少重視される傾向にあります。
年齢や転職する企業や業界によって採用の際に重視されるポイントは異なりますが、特に異業種の場合、ポータブルスキルが転職先にどう活かせるかがカギになります。
今までの職務経験から異業種転職で活かせるスキルを見つけるには?
異業種転職で活かせるポータブルスキルは、これまでの職務経験から見つけることができます。
例えば、法人営業の場合、異業種への転職においても、商材の金額規模が近い、クライアントが同じ公共機関など、何らかの要素が同じであれば今までの経験を活かすことができます。
ITエンジニアであれば、金融業界のアプリ開発の経験を活かしてSIerから金融機関のシステム担当へという道もありますし、Javaの開発経験を活かして、Webベンチャー企業のサービス開発へいく道もあります。職種や職種に紐づく知識・経験で似ているところがあれば、企業の採用担当者も転職先で即戦力となるイメージが持てます。
また、組織風土・企業文化が似ている場合、仕事の進め方も似てくるので、企業側も自分自身も転職先で活躍するイメージがしやすくなります。
異業種転職を成功させるためのコツは?
異業種への転職成功で、押さえておきたいコツは2つあります。
- あなたがいる業界を採用担当者に理解してもらう
- 応募先企業とこれまでのキャリアの共通点を見つける
成功させるコツを理解し、選考で実践していきましょう。次で事例とともに詳しく解説していきます。
1.あなたがいる業界を採用担当者に理解してもらう
異業種への転職をする際に、相手の採用担当者も知らない業界があるということを前提にしておくことは大事です。
採用する側が知らない業界から転職をする場合、転職先の会社の業務と自分がやってきた仕事の何が一致するのか、説明して、理解してもらう必要があります。
例えば、3年ほど家電量販店で通信回線営業をして、MRに転職した人がいます。
医者を顧客にするMRの仕事も言うなれば個人向け営業。販売方法の業務改善で営業実績を上げた経験が評価されたのです。通信業界から医療業界への異業種転職ですが、年収も上がりました。
医療業界の採用担当者は通信回線の販売について細かい知識はわかりませんが、個人向け営業であるという共通点があり、営業プロセスでどんな工夫をしてきたかという点が、十分伝わり、異業種転職成功となりました。
また、SIer SEから事業会社の社内SE、広告代理店のマーケティングから事業会社のマーケティング、人材紹介業から事業会社の人事など、専門職種から事業会社の担当部門への転職は異業種への転職としては多く見受けられます。
2.応募先企業とこれまでのキャリアの共通点を見つける
異業種転職が成功した人に言えるのは、転職先と今までの職務内容に何かしら共通点を見つけているということです。
共通点が多ければ多いほど、働くイメージがしやすく、転職に向いている業種と考えてもいいかもしれません。
そのために、自身のキャリアを整理するために、まずは今までの経験や、得られた知識を具体的に書き出してみましょう。
どんな仕事にも目的があり、過程があり、結果があります。時系列で、担当した業務の「時期・期間」「顧客(業種、企業規模、部署等)」「扱った商品・サービス」「目標」「成果」「工夫したこと」など、思いつく限り出して、職務内容を5W1Hで整理し直すと、志望理由につながってきます。
転職活動に役立つ「自己分析」のポイント(整理シート付)
異業種転職をする際の転職理由と企業選びのポイント
転職理由
まずはあなた自身のために、転職理由の整理が大切です。
例えば、「もし一時的に年収が下がったとしても、もともと憧れだった広告業界へ転職してWeb広告のマーケターとしてスキルを身に着けたい」など、あなたにとって価値のあるキャリアプランになっている、ということを明確にしておきましょう。
中には、結婚を機に土日の休みを確保したいから、土日の休みを確保できる業種へ行きたいという理由もあるかもしれません。
しかし、その転職理由がきっかけになったとしても、あなたのキャリアプランに必然性のある業種・職種を選ぶかどうかが、今後のキャリア形成に非常に重要になってきます。
企業選び
次のような企業は異業種からの転職にも意欲的な場合が多いので、企業選びのポイントの一つとして参考にしてください。
- 「成長産業」(人材確保が勝負を分ける)
- 「新サービス・新規産業」(経験者がいない)
- 「未経験者に門戸を開いている企業」(新卒に近くポテンシャルやカルチャーが合うことを重視、育成体制あり、サービスや事業の変化スピードが早い)
これまでの経験・スキルや今後のキャリアが整理できたら、自分に向いている業種や企業を探してみましょう。
「求める経験やスキルランキング」など、リクナビNEXTのランキングを利用して探してみるのもおすすめです。
異業種転職での志望理由・自己PR方法
異業種転職の志望理由
外資系の金融機関で営業をしていた26歳の男性で日本のゲーム、キャラクターコンテンツ会社へ転職した人がいました。業種も異なりますし、職種も営業から経営企画へ。
志望理由は、
というものでした。
スキルとしてはアメリカの高校・大学時代を通じて磨いた語学力や論理的思考力、外資系金融機関の法人営業を通じた財務分析力があるためのポテンシャルを見込まれていますが、最終的に「どうしてもこの会社に入りたい」という想いが他者との差別化につながりました。
自己PRの例
ここまでご紹介してきたように、異業種への転職には、今までの経験と次の企業の「共通スキル」を探すことから始めましょう。具体的なイメージが湧かない場合はこちらも参照ください。
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