面接で志望度の高さが伝わる志望動機・志望理由の伝え方

採用面接で聞かれる質問の一つに「志望動機」「志望理由」があります。経験・スキルがやや不足していても、志望動機・志望理由に説得力があり、採用に至るケースは少なくありません。
面接の志望動機・志望理由の作り方、答え方のコツと注意点、企業が重視するポイントについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が解説します。
回答例文も紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
面接の志望動機・志望理由の作り方、準備の仕方
面接で志望動機・志望理由を聞かれたときの回答を準備するなら、次のステップで進めるとよいでしょう。
企業選びの軸を決める
転職先企業を選ぶにあたり、自身が重視する「軸」を決めましょう。
次のような項目について、自分の希望を整理し、優先順位を付けてみてください。
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その企業の理念、社風、事業内容などを調べる
応募企業企業について研究します。
企業ホームページや採用ページをはじめ、ニュースリリース、メディアのインタビュー記事、SNSでの発信など、多角的に情報を収集してください。
事業内容・経営理念・仕事内容・社風・働き方などについて理解を深めましょう。
企業研究の際には、複数の企業を比較してみると、その企業の特徴や強みを把握しやすくなります。
自分が大切にする「軸」と企業の接点を見つける
自分が企業選びで大切にしたい「軸」と、企業研究によってつかんだ情報をすり合わせてみましょう。
そこで見つかった「接点」が、志望動機・志望理由となり得るでしょう。
応募企業での、自分の強みの活かし方を考える
「自分が求めているものが応募企業にある」ことが志望動機・志望理由となりますが、面接の場で企業に伝えるにあたっては、「企業側のニーズ」も意識することが大切です。
企業としては「自社で活躍してくれる人材」を求めていますので、自身の経験・スキルが応募企業でどのように活かせるかを考え、面接で伝えるとよいでしょう。
面接の志望動機・志望理由OK例とNG例回答を解説
面接で志望動機・志望理由を聞かれたとき、どのような伝え方をすれば、採用担当者の納得感を得てプラス評価につながる可能性が高まるのでしょうか。
応募する求人が「同業界・同職種」「異業界・同職種」「同業界・異職種」「異業界・異職種」のケース別に、回答の一例を紹介します。
異業界・異職種を目指す場合は、その業界・職種を研究し、理解した上でその企業を選んでいること、未経験の業界・職種であっても前職で培ったスキルを活かせる部分を伝えましょう。
あわせてNG例も紹介しますので、参考にしてみてください。
「同業界・同職種」の場合
○○商社で営業を担当していますが、取り扱える商材が限られているためお客様のニーズに応えられず、もどかしさを感じることがあります。御社は取り扱い商材の幅が広く、最近では新たなに△△サービス事業も立ち上げられたことから、昨今お客様が抱えている課題を解決できると考え、志望いたしました。 データと事例を活用したプレゼンテーションを得意としていますので、その経験が御社の営業活動でも活かせると考えています。 |
「異業界・同職種」の場合
アパレルメーカーのマーケティング職として、F1層向けのプロモーションを経験してきました。家族が体調を崩したのを機に、健康に関する情報収集を行う中で、御社のサプリメントを知りました。○○を打ち出してPRする健康食品メーカーが多い中、御社の△△というコンセプトに強く共感しており、より多くの人に知ってもらいたいと考え、志望いたしました。業界未経験ではありますが、女性をターゲットとしたSNSマーケティング手法の知見と経験が活かせると考えています。 |
「同業界・異職種」の場合
これまでSIerでエンジニアとして働いてきましたが、システムの開発以上にチームメンバーの育成にやりがいを感じていました。また、クライアント企業と対話する中では、システムでは解決できない「人材」の悩みが大きいことを実感し、「人材採用・育成」への興味を深めました。 そこで、SIerの中でも新しい採用手法や人事制度改革に取り組んでいる御社で、人事職のキャリアを積みたいと考えています。特に○○制度はエンジニアのキャリアの可能性を広げるものであり、自身のエンジニア経験を活かして運用・改善に携わりたいと思います。 |
「異業界・異職種」の場合
飲食業界で店舗運営を行う中で、デジタルツールの利便性や、顧客に新たな体験を提供できるエンターテインメント性に興味を抱きました。さまざまな店舗向けツールを研究した結果、特に御社のアプリの○○機能に魅力を感じ、これをぜひ業界に広げていきたいと考えました。 御社の顧客である飲食店側の視点を持っていること、課題やニーズを理解できることは、営業職として活かせると思います。飲食店の意見も吸い上げ、改善にも貢献したいと考えています。 |
NG例
志望動機・志望理由として語っても、意欲が伝わらなかったり、かえってマイナス印象を持たれたりする可能性があるNG例を紹介します。
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企業が志望動機・志望理由を重視する理由とポイント
企業が志望動機・志望理由を重視する理由は、「入社意欲は高いか」「入社後に活躍・定着・成長してくれそうか」を見極めるためといえます。
それを判断する観点は企業によって異なりますが、次のようなポイントに注目していることが多いでしょう。
企業理念・社風への共感
業界や職種が同じであっても、理念や社風は企業によって大きく異なるものです。
志望動機・志望理由を聞き、理念や社風への共感が強いことがわかれば、同業他社ではなく自社への入社意欲が高く、入社後に職場になじみやすいと期待されるでしょう。
事業内容・業務内容への想い
企業研究によって事業内容・業務内容を理解しており、「この会社であれば自身の経験・スキルが活かせる/さらに磨ける」と確信している応募者であれば、入社後に活躍し、成長できると判断される可能性があります。
描いているキャリアビジョン
応募者が中長期キャリアビジョンを明確に描いていて、自社でそのキャリアパスを歩めるのであれば、長く働き、将来にわたって貢献してくれるという期待を持たれるでしょう。
面接で志望動機・志望理由を問われたときの答え方のコツ
面接で志望動機・志望理由を話す際には、次のポイントを意識してみてください。
応募した企業ならではの志望動機を話す
志望動機・志望理由を答えるとき、「他社の面接でも同じことが言えるだろう」「それであれば当社でなくてもいいのではないか」と思われるような、汎用的な内容を語ることは避けましょう。
他社にはない、その会社ならではの特徴にフォーカスし、そこに魅力を感じていることを伝えるとよいでしょう。
入社後、自分が貢献できることを伝える
志望動機・志望理由を語った後、「自分が入社したら、こんな経験・スキルを活かして貢献できる」というアピールで締めくくるのもいいでしょう。
「御社に魅力を感じている」という一方通行にならず、企業側からも魅力を感じてもらえる可能性があります。
長々と話さず、簡潔に伝える
熱意を伝えたいあまり長々と話しすぎると、面接担当者は集中力を保ちにくくなり、重要なポイントが印象に残らないまま面接終了となってしまうかもしれません。
志望動機・志望理由を話す時間は「1~2分程度」が適切です。面接前に、準備した内容を口に出して話してみて、時間感覚をつかんでおくとよいでしょう。
自己PRと一貫性を持たせる
面接では「自己PR」を求められることもあります。
自己PRで話す内容と、志望動機・志望理由の内容に矛盾があると、疑念を抱かれるかもしれません。
「自分の強みは○○であり、それが御社で活かせる」というように、一貫したストーリーを語れるようにしておきましょう
面接の志望動機・志望理由を答えるときの注意点
面接で志望動機・志望理由を話す際には、次のポイントに注意してください。
自社企業や他企業を悪く言わない
応募企業に魅力を感じていることを伝えようとして、現職(前職)の企業や他企業を引き合いに出し、それらを悪く言うことは避けましょう。
ネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
他社と比較して語るのではなく、その企業だけにフォーカスして伝えてください。
給与・待遇の話はしすぎない
応募企業に興味を抱いたきっかけが「給与・待遇」や「福利厚生」、あるいは「テレワークOK」といった労働条件であったとしても、それをそのまま志望動機・志望理由として語らないほうがいいでしょう。
事業内容・業務内容・社風などに注目し、魅力を感じる部分を伝えましょう。
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