スキルアップ転職を成功するために知っておきたいことと、転職理由にする場合の注意点

企業から評価されるスキルを身につけることは、長く働き続けるためにとても重要です。そのため、スキルアップができる仕事に転職することを検討している方も少なくないようです。
そこで、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、スキルアップの意味やスキルアップを目的にした転職のポイントについて伺いました。
スキルアップとは?
スキルアップとは、学習や仕事を通じて能力や技能を高めることを指します。所属企業でスキルアップを目指すには、現在の業務をさらに深く掘り下げたり、できることの幅を広げたりする方法があります。
他にも、異動希望を出して部門や職種を変えることによって、異なるスキルを身につけることもできるでしょう。
所属企業で身につけられないスキルは、学校やスクールなどに通ったり、書籍やインターネットで学んだりする他に、「転職して身につける」という方法があります。スキルアップのために転職する場合は、学校や書籍よりも実践的なスキルが身につくでしょう。
キャリアップとの違い
スキルアップと同じような言葉として、キャリアアップが挙げられます。スキルアップとの違いは、スキルアップが能力や技能を高めることに対して、キャリアアップは役職や雇用形態などポジションをアップすることを指します。
例えば、「課長から部長」のように昇進や昇給だけでなく、「契約社員から正社員」のように、希望する雇用形態に変更することもキャリアアップと呼ばれているようです。
転職に必要なスキルとは?
転職で求められるスキルは、大きく2つの種類があります。
- 業種や職種に関わらず通用する、持ち出し可能な能力である「ポータブルスキル」
- 特定の職務を遂行する上で必要となる専門的な知識・技術である「テクニカルスキル」
この2種類のスキルは、応募する職種やポジション、企業が求める人物像によって異なります。
スキルアップのために転職を検討している場合は、求人を読み込んで応募企業がどのようなスキルを必要としているのか把握したうえで、アピールすることが重要です。
スキルアップ転職を成功するためのポイント
スキルアップを実現するために転職する場合のポイントを3つご紹介します。
自己分析を行い、なりたい姿を明らかにする
スキルアップは、自分が得意なことの延長線上にあった方が習熟のスピードが高まります。また、様々なスキルがある中で、なりたい姿(ゴール)を明らかにしてから必要なスキルを整理した方が、スピーディに効率よく身につけていくことができるでしょう。
そのために、まず自己分析を行って、自分の強み・弱みを明らかにすることが大切です。これまでの経験を振り返って、自分がどのようなキャリアを描きたいのか考えてみましょう。
必要なスキルを明確にする
自分のなりたい姿を明らかにしたら、実現するために必要なスキルを考えます。
例えば、「マーケティングのスペシャリストになりたい」という将来像を描いたら、そのために必要なスキル・経験を洗い出します。スペシャリストになるためには、マーケティング領域の専門知識を学んだり、取り扱うマーケティングツールを増やしたりと、様々な経験・スキルが求められるでしょう。
なりたい姿に近づくための、具体的な経験・スキルを明らかにすることが大切です。
実現可能なキャリアパスを考える
自己分析を行い必要なスキルが明確になったら、スキルアップができる仕事を探します。求人の中には、どのようなスキルが身につくか書かれているケースがあるので参考にしてみましょう。
この時に、自分が希望するスキルを全て身につけることができる求人を探そうとすると、マッチする求人がとても少なくなってしまいます。
また、希望にマッチする求人があったとしても、企業が求める条件に合わなければ選考を通過することができません。求人が少なかったり、なかなか選考を通過しなかったりする場合は、希望条件を見直してみましょう。
それでもなかなか選考を通過しない場合は、所属企業でスキルアップができないかもう一度考えてみることも大切です。
スキルアップを転職理由にする場合の注意点
スキルアップを転職理由にする場合の注意点を解説します。転職理由は面接では必ず聞かれる質問です。事前に確認しておきましょう。
スキルアップの結果、応募企業でどのように貢献できるかを伝える
転職の理由がスキルアップだけだと、企業は入社後にどのように活躍してもらえるのかを判断することができません。企業は教育機関ではないので、スキルアップだけが目的では不十分。求人や採用ページの仕事内容を読み込んで、これまでの経験やスキルアップの結果、応募企業にどのように貢献できるのかを考えておきましょう。
応募企業で実現可能な転職理由にする
転職理由は、応募企業で実現可能な内容にしないと、企業研究をしていないと判断されてしまいます。
例えば、海外展開をしていない企業に対して「語学力を身につけてグローバルに活躍したい」と伝えたり、自社サービスを持っていない受託企業に対して「技術力を高めてサービス開発を行いたい」と伝えたりするなどが挙げられます。
転職理由は現時点で実現可能なものにして、採用担当者が納得できる内容にすることが重要です。
スキルアップを転職理由にする場合の伝え方例
スキルアップを転職理由にする場合の、面接での伝え方をご紹介します。活かせる経験をアピールしながら、入社後に身につけたいスキルがあることを伝えましょう。
営業でスキルアップを目指す場合の伝え方例
現職は特定の領域で使われる商材を扱っていたため、既存顧客へのご案内が営業活動の中心でした。新規営業にもチャレンジしたのですが、対象となる顧客がとても少なく、なかなか新規営業の経験を積むことができませんでした。
そこで、ターゲットの多い商材で、新規営業のスキルを身につけていきたいと考えております。これまでの営業活動で、顧客の懐に入りリレーションを構築することは得意だと自負しております。自身の強みを活かして、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。
事務でスキルアップを目指す場合の伝え方例
前職では受付対応や役員のスケジュール管理などを行っていました。多忙な役員の時間をうまく調整するために、社内からの問い合わせに対しては目的や判断材料などを確認し、何度もやり取りが発生しないように心がけています。感謝されることも多かったのですが、もっとITを活用して多くの方のサポートを行いたいと考えて転職を決意しました。
貴社の営業チームは進捗管理やコミュニケーションにIT活用し、生産性を高めていると知りました。入社後は、これまでの効率化の姿勢を大切にしながらも、一日も早くITスキルを身につけて、営業チームのサポートを行いたいと考えております。
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