転職活動で自己肯定感が下がったら?転職活動でモチベーションを高める方法

転職活動を続けるうちに、自己肯定感が下がってしまうケースがあります。自己肯定感が下がると、人柄や熱意が伝わらず転職活動が難航してしまうかもしれません。
そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に取材し、転職活動で自己肯定感が下がる原因と、自己肯定感を高めるポイントについてまとめました。
「自己肯定感」とは?
自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定する感覚を指し、他の誰かと比べることなく自分の価値を認めることができる力を表しています。
自己肯定感が低いと自分に自信が持てないために、仕事でもチャレンジングな取り組みができず、成長機会が限られてしまいます。
自己肯定感を高く保つことは、転職活動に限らず前向きに仕事を続けるために重要です。
転職活動で自己肯定感が下がる原因
選考通過の結果や面接での反応が思わしくないと、自己肯定感が下がってしまうことがあります。
転職活動で自己肯定感が低下する代表的なケースを3つ解説します。
経験・スキル不足を実感する
中途採用の場合、即戦力となる経験・スキルを重視する傾向があります。
未経験者を歓迎する求人もありますが、待遇が良い重要ポジションでは一定の条件が設けられているケースが一般的です。
転職活動を始めた頃は経験・スキルに自信を持っていても、求人を探して面接で経験・スキルを問われるうちに、実力不足を痛感し自己肯定感が下がることがあります。
特に、所属企業ならではの独自性の高い仕事をしている、変化が激しい職種で旧来型の経験しか積んでいないなどのケースで、マッチする求人が少ないために自信を失ってしまう傾向があります。
選考を通過できない
選考で不合格が続いた結果、自己肯定感が下がってしまうこともあります。
人材採用はあらかじめ採用人数が決まっているため、応募が集中した場合は応募条件を満たしていても不合格になることがあります。
しかし、不合格が続くとこれまでのキャリアや人格を否定されたように感じてしまい、モチベーションが下がってしまうようです。
面接でうまく返せない
面接では志望動機や転職理由などの他にも、様々なことを聞かれます。
企業によっては、回答を準備しにくい意外な質問を通じて、応募者の機転や対応力、人柄などを明らかにしようとすることもあります。
面接で聞かれたことにうまく答えられず、面接の雰囲気や採用担当者の顔色が悪くなる経験をすると、面接への緊張感やプレッシャーが高まります。
その結果、「また失敗するのでは」「うまく話せる自信がない」など気持ちが後ろ向きになり、自己肯定感が下がることもあります。
転職活動で自己肯定感が下がるデメリット
自己肯定感が低くなった状態で転職活動を続けると、デメリットが生じる可能性があります。
代表的な3つのデメリットを解説します。
面接での説得力がなくなる
自分の価値を認めて自信がある状態であれば、アピールにも力が入ります。
堂々とした態度で「○○は××年の経験があります」ときっぱりと言われるのと、自信がなさそうに「○○は××年の経験があります…」と言われる場合では、印象が大きく異なるでしょう。
採用担当者は、具体的な経験・スキルや仕事でのエピソードを確認する際に、表情や話し方なども判断の参考にしています。
自己肯定感が低い場合は、「自信がなさそう」「ネガティブ」という人物評価に加えて、回答への説得力も欠けてしまうことがあります。
人柄が伝わりにくくなる
自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れる力でもあります。
自己肯定感が高い場合は「自分らしさ」が出やすくなりますが、自己肯定感が低いと自分に自信がないため「自分らしさ」を隠そうとしてしまいます。
人物像が伝わりにくいと採用担当者は組織や社風との相性を判断することができず、選考でプラスの評価を受けることが難しくなります。
同じ条件の応募者がいた場合に、比較検討で人柄が自社にマッチしていた応募者を優先されてしまう可能性があります。
応募先を絞ってチャレンジしなくなる
自己肯定感が低いと自分の可能性を信じることができないため、求人の選択にも影響を及ぼします。
「どうせ受からないだろう」「アピールできる自信がない」と、希望条件を下げて選考を通過しやすい求人を優先し、キャリアの選択肢を狭めてしまう可能性があります。
転職活動で自己肯定感を高める方法
自己肯定感が高いと、前向きに転職活動を進めることができます。
転職活動で自己肯定感を高める方法を4つご紹介します。
転職市場を理解する
点数で合否が決まるテストと転職活動を同じように捉えてしまうと、選考通過ができなかったときに「自分の何かが不足していた」と感じて自己肯定感が下がりやすくなります。
転職市場は、企業の採用ニーズと求職者の転職ニーズの需給バランスで成り立っています。
そのため、豊富な経験・スキルがあったとしても、企業の採用ニーズに合致しなかったり、同じような条件の応募者が多かったりすると、選考通過が難しくなります。
また、「経験・スキルも人柄も申し分ないけれど、自社の給与水準では希望する年収を支払うことができない」という理由で採用を見送る企業もあります。
転職市場は常に変化しており、企業と求職者のニーズがマッチした場合に転職が決まります。
そのため、「転職活動の結果=自分の価値」と捉えず、「ミスマッチだった」と考えるようにしましょう。
数値で客観的に捉えるようにする
1件1件の選考結果を重く受け止めすぎてしまうと、悲観的になりモチベーションが下がってしまうことがあります。
「書類選考の通過率が○割なので応募書類を見直してみよう」「面接の通過率を考えると、最低でも○○件は応募する必要がある」などと、転職活動を数値で捉えてみましょう。
気持ちの波を抑えて、ロジカルに転職活動を進めることができます。
PDCAを繰り返し改善の兆しを掴む
思うような結果が出ないと自信を失い自己肯定感が下がります。
転職の方向性、応募する求人、応募書類、面接対策など、見直しや改善できることがないか考えてみましょう。
「職務経歴書を改善したら通過率が上がった」「面接の受け答えを見直したら採用担当者の反応が変わった」など、ポジティブな結果が出る可能性があります。Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)を繰り返すことで、改善の兆しを掴むことができるでしょう。
なお、応募する求人を厳選していると転職市場のニーズや数値での傾向が掴みにくくなります。
最初は志望度が高くなかった企業でも、面接で話を聞くうちに志望度が上がり内定を決めるというケースも多いものです。
キャリアの可能性を広げるために、少しでも興味を持った求人にはできるだけ応募するようにしましょう。
転職活動が成長につながると捉える
転職活動は、自分のキャリアを棚卸しし、今後のキャリアプランを考える貴重な機会でもあります。
また、求人を探して面接で話を聞いていくことで、世の中の採用ニーズや相場観の把握、自分の経験・スキルの市場価値を知ることができます。
現職に不満を抱いて転職活動を開始し、他社の待遇や仕事内容を知った結果、自社の魅力を再確認して転職活動を中止するケースもあります。
転職活動自体が今後のキャリアを真剣に考える成長機会になるということを自覚しておくと、転職活動や選考結果もポジティブに捉えることができるでしょう。
モチベーションが下がった場合は休息を
たくさんの求人の中から自分に合った企業を探して応募し続けていると、心身ともに疲れてしまうこともあります。
モチベーションが下がっていると感じた時は、無理をせずに休息を取ることもひとつの選択です。
ゆっくり休んでリフレッシュすることで、気持ちを切り替えることができるかもしれません。
自己肯定感を意識しながら、健やかな気持ちで転職活動を進めましょう。
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