仕事に行きたくない…モチベーション回復の方法と辞めるかどうかの判断軸

仕事への意欲は、状況によって変化するものです。ときには「仕事に行きたくない」と、出社意欲がわかない日もあるかもしれません。では、仕事へのモチベーションが低くなった場合は、どのように対処したらいいのでしょうか。
組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に取材し、仕事に関するストレスや仕事に行きたくない場合の対処法、会社を辞めるかどうかの判断軸についてまとめました。
仕事に関するストレスの上位は?
ビジネスパーソンが抱える仕事へのストレスとはどのようなものがあるのでしょうか。
厚生労働省が発表した「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活において強い不安やストレスを感じている人の割合は、正社員で57.1%に及ぶことが分かっています。
また、不安やストレスの原因として挙げられたのは、「仕事の量」「仕事の質」「仕事の失敗、責任の発生など」「会社の将来性」「セクハラ・パワハラを含む対人関係」が上位となっています。

出典:厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)>個人調査>第1図 就業形態別にみた強いストレスの内容別労働者割合(主なもの3つ以内)(令和3年)」
仕事の量
前述の調査で1位となった「仕事の量」ですが、仕事の量が多いと休息時間が短くなるため、心身ともに疲労が溜まっていきます。
「納期に間に合わない」「仕事が終わらない」というプレッシャーを抱えていると、十分な休みを取ることができずに、気力や精神力が失われ仕事への意欲が減退していきます。
仕事へのモチベーションの維持には、業務量の調整が必要です。
仕事の質
仕事の質が低いことも、モチベーションダウンの原因になります。
単純作業の繰り返しで変化が感じられなかったり、本人にとって不本意な業務を任されたりすると仕事への意欲が減退するばかりか、成長実感を得ることもできません。
こうした状態が長く続くと、仕事へのやる気が失われ「仕事をしたくない」という気持ちが強まります。
仕事の失敗、責任の発生など
仕事で失敗した、責任を問われるような問題が発生したという場合も、不安やストレスの原因になります。
特に、失敗による影響範囲が広かったり、迷惑をかけた関係者が多かったりすると、問題解決だけでなく信用を回復するまでに時間や労力がかかります。
ストレスやプレッシャーもより大きくなるでしょう。
セクハラ・パワハラを含む対人関係
例えば、「同僚との仲がこじれた」「人前で上司に強く怒られた」など、人間関係が悪化したりハラスメントを受けたりした場合、「顔を合わせたくない」「関わりたくない」という思いが強くなって仕事に行きたくなくなります。
仕事で必ずやり取りをしなければならない人物と関係性が悪くなった場合は、不安やストレスがさらに増すでしょう。
心身に不調が表れている場合は無理をしない
「仕事に行きたくない」という気持ちが強くなり、心身に不調が表れている場合は、まず「無理をしない」ことが大切です。
不安やストレスを感じているのに無理して仕事を続けていると、健康状態を大きく損ねてしまうかもしれません。
決して無理をせず、上司や人事、メンタルヘルス窓口や産業医、厚生労働省が受け付けている総合労働相談コーナーなど、悩みに応じた相談先を選び解決を図るようにしましょう。
仕事に行きたくない場合の対処法
心身に不調が表れていない状態で、仕事に行く気が起きない場合の対処法をご紹介します。
自分に合った方法を試してみましょう。
仕事を休みリフレッシュする
仕事量が多く疲れが溜まっている場合は、心身を回復させるとモチベーションが戻ってくるかもしれません。
また、仕事から離れる時間を設けることで、気持ちを切り替えることができるため、思わぬ解決策が見つかることもあるでしょう。
ストレスを抱えて仕事に行く気が起きない場合は、休みを取り心身ともにリフレッシュしてみましょう。
周囲に相談する
自分で抱え過ぎず、人に話してみるというのも解決策のひとつです。
仕事のことを理解している上司や同僚、先輩などに相談してアドバイスを受けるのも有効ですが、ただ話を聞いてもらうだけで不安やストレスが和らぐこともあります。
相談しやすい家族や友人などに、話を聞く時間を設けてもらってもいいでしょう。
抱えている悩みを書き出す
仕事が忙しく業務量が多いと、課題や悩みが整理されないまま抱えすぎてしまって、余裕がなくなっていることもあります。
仕事での悩みや課題を書き出して可視化できると、業務の見通しがつけやすくなります。
可視化する際に業務量や納期なども明らかにすることで、優先順位をつけて取り組むことができるでしょう。
仕事に行く楽しみを作る
原因に心当たりがなくても、モチベーションが上がらず仕事に行きたくない時もあるかもしれません。
その場合は、「仕事に行く楽しみを作る」という方法があります。
例えば「昼休みに美味しいランチの店に行く」「通勤時間にベストセラーを読む」など、仕事に行くことで新しい発見や感動を得られるような楽しみを作るといいでしょう。
仕事への向き合い方を見直す
仕事への向き合い方、捉え方を見直してみるという方法もあります。
嫌なことがあったとしても、「失敗を克服する体験をして鍛えられている」「苦手な人と関係性を構築する技術を身につけている」など、その経験から得られるものを前向きに考えてみましょう。
また、「鈍感力」を意識してビジネスライクに対応することで、ストレスが軽減するかもしれません。
自分のスタンスを変えることで、状況を改善できないか考えてみましょう。
辞めるかどうか迷ったら?転職の判断軸
転職は待遇や仕事内容、人間関係が変わるため、入社直後はストレスを抱えやすいものです。
そのため、仕事に行きたくないと感じたとしても、直ちに転職することが適切とは限りません。
辞めるかどうか迷った場合の、転職の判断軸をご紹介します。
現職で改善が見込めるか
自分の行動次第で、現職で改善が見込めるかどうかが転職の判断軸のひとつになります。
転職活動は書類作成や企業研究、面接対策など心身ともに負荷がかかる上に、入社後も初めての環境で緊張状態が続くことが予想されます。
まず現職で改善に向けて行動し、難しい場合は転職を考えましょう。
改善に向けて行動した経験は、転職活動で退職理由を聞かれた時にアピールすることもできるでしょう。
心身に影響が表れているか
心身に影響が表れているかどうかも判断軸のひとつです。
現職で改善が見込めず、心身にも影響が表れているのであれば転職を検討しましょう。
ただし、仕事を続けながら転職活動を並行して行うのは負荷もかかります。
有給休暇などを活用して、無理のない範囲で進めましょう。
転職によるメリットがあるか
転職前後で、どの程度待遇や仕事内容が変わるかも判断の要素となります。
転職することによって待遇が向上するのであれば、前向きに転職を検討するという方法もありますが、待遇が下がる場合は現職での解決を探った方がいいかもしれません。
転職によるメリット・デメリットを整理して冷静に判断するようにしましょう。
判断できない場合は、転職活動を始めてみよう
転職した方がいいかどうか判断ができない場合は、とりあえず転職活動を始めてみるという方法があります。
転職活動を始めると、求人に記載された内容で他社の待遇や職場環境を把握し、提示されるオファーで自身の経験・スキルの市場価値を理解することができます。
転職した方が待遇は向上することが分かればそのまま転職活動を続け、現職に残った方が良さそうだと分かれば転職活動を中止して、後悔の少ない選択をするようにしましょう。
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