ジョブチェンジとは?成功させるために知っておきたいこと

仕事を変えることを“ジョブチェンジ”と呼ぶことがあります。では、ジョブチェンジとキャリアチェンジは何が違うのでしょうか。また、ジョブチェンジを成功させるために、どのようなことに留意しておいた方がいいのでしょうか。
そこで、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、ジョブチェンジの意味や成功のポイントについて伺いました。
ジョブチェンジとは?キャリアチェンジとは違う?
ジョブチェンジとキャリアチェンジに明確な定義はありません。一般的に使われているジョブチェンジとキャリアチェンジの意味について解説します。
ジョブチェンジ
ジョブチェンジとは、一般的に仕事や職種を変えることを指します。例えば営業から事務、経理から技術者など、職種を変えることで仕事内容も変わるため、ジョブ(仕事)+チェンジ(変更)と呼ばれます。
この言葉は転職に限らず、社内異動で職種が変わった場合も使われることがあるようです。
キャリアチェンジ
キャリアチェンジとは、一般的には業界や職種が異なる仕事に就くことを指します。例えば、不動産業界の営業から人材業界の事務、メーカーの経理からIT業界の技術者など、全く異なるキャリアを選ぶことをキャリアチェンジと呼んでいます。
この言葉は、業界も職種も変わるため、転職活動で使われることが多いようです。
ジョブチェンジ・キャリアチェンジする人は増加している
株式会社リクルートが、転職支援サービス「リクルートエージェント」の転職決定者分析(2009年度~2020年度)を行い、異業種や異職種の転職の動向をまとめました。
その結果、2009年の時点では24.2%だった「異業種×異職種(キャリアチェンジ・ジョブチェンジ)」の割合が2020年には36.1%と大幅に増加していることが分かりました。

【参考】『リクルートエージェント』転職決定者データ分析│株式会社リクルート
以前は経験を活かして転職する「同業種×同職種」が一般的でしたが、業界や職種を変えるジョブチェンジ・キャリアチェンジが増えている背景として、中途採用市場の構造的な変化が要因と見られています。
その背景にあるのは、産業や企業を変革する動きと、働き手の意識の変化です。ジョブチェンジ・キャリアチェンジが当たり前になっている中で、自分らしいキャリアを模索し、実現のために行動することが求められています。
ジョブチェンジを成功するためのポイント
ジョブチェンジを実現するにあたり、どのような点に気をつける必要があるのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。
社内で実現できるか考えてみる
ジョブチェンジを考えている場合は、いきなり転職するよりも、まず自社の異動で実現できないかを検討してみましょう。
転職活動では、職種未経験者よりも経験者の方が評価される傾向があるため、ジョブチェンジはなかなか選考を通過しない可能性があります。
自社で異動希望を出したり、上司に希望の職種を兼務させてもらえないかを打診したりして、社内で実現できないか探ってみましょう。
経験を活かせる求人を探す
どうしても社内でジョブチェンジを実現できない場合は、転職活動を始めることになります。ただし、全く共通点のない仕事に応募すると、選考を通過することが難しく、たとえ選考を通過したとしても、全くの未経験で入社することになるため、活躍するまでに時間がかかります。
同業界の異職種や、これまでの仕事との共通点がある求人に応募することで、転職成功しやすくなるでしょう。
ポータブルスキルをアピールする
ポータブルスキルとは、業界や職種が変わっても持ち運びができるスキルを指します。厚生労働省では、ポータブルスキルの要素を「仕事のし方(対課題)」と「人との関わり方(対人)」の2つに分類し、全部で9つの種類があるとしています。

【参考】ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)│厚生労働省
これらのスキルは、どのような仕事にジョブチェンジしたとしても活かすことができます。転職活動をする前に自分のポータブルスキルを言語化しておいて、応募書類や面接でアピールしましょう。
ジョブチェンジの成功事例
ジョブチェンジの成功事例を、3つの職種でご紹介します。いずれも、知識や経験を活かしてジョブチェンジをしています。
経理からカスタマーサクセスへ
【Aさん】
自分の成果がもっと数字に表れる仕事をしたくなり、経理からジョブチェンジを決意。成果が数字に表れる仕事と言えば営業ですが、いきなり営業へのジョブチェンジには不安もあったため、営業に近い職種を探したところ、「カスタマーサクセス」という職種を見つけました。カスタマーサクセスとは、既存顧客に対して支援する仕事で、新規営業はしないものの実績が数字に表れる職種です。これまでの経験が活かせる、経理やバックオフィス向けのソフトウェアのカスタマーサクセスの求人に応募し、ジョブチェンジを果たしました。
キャリアアドバイザーから人事へ
【Bさん】
人材業界でキャリアアドバイザーをしていましたが、人事の制度設計に興味を持ち、人事へのジョブチェンジを希望するようになりました。ただ、未経験で人事制度の設計を行うのは難しいと判断し、まずはこれまでの経験を活かして、人事部門の中途採用担当者に転職。自社の採用活動を続けながら、人事制度の制度設計にも少しずつ携わるようになり、念願のジョブチェンジを実現しています。
エンジニアからコンサルタントへ
【Cさん】
エンジニアとして開発プロジェクトのPMを担当していましたが、データサイエンスに興味を持つようになりました。ただ、在籍していた企業は、データサイエンスには消極的だったため、ジョブチェンジを考えるようになりました。データサイエンスを積極的に行っている企業に応募し、開発マネジメントを行いながらデータサイエンスの実績を積みました。数年後、データサイエンスに専門特化した企業に転職し、コンサルタントとして活躍しています。
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