クリエイティブ系職種にはどんなものがある?働き方・キャリアパス・職種一覧

クリエイティブ系職種にはどのようなものがあり、どんな働き方をしているのかを紹介。
クリエイティブ系と一言でいっても、その種類はさまざまです。クリエイティブ系職種に就くためにはどうすればいいのかもあわせて、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんが解説します。
目次
【職種一覧】クリエイティブ系職種にはどんなものがあるのか
クリエイティブ系の仕事とは、その言葉通り「何かを創り出す」仕事を指します。
映画、テレビ、出版物、Web、ゲーム、ファッション、インテリアなどあらゆる媒体でものづくりに携わる仕事を指し、その内容は多岐にわたります。
ものを制作するだけではなく、制作のディレクションや進行管理までを担う職種もあり、責任範囲もプロジェクトごと、職種ごとに異なります。
では、クリエイティブ系職種には、具体的にどんなものがあるのかを、以下の3つの分類で見ていきましょう。
- お客様のニーズをデザインによって形にする「デザイナー」「クリエイター」など
- 企画を考える「プロデューサー」「ディレクター」など
- 文章にかかわる「ライター」「編集者」など
1.お客様のニーズをデザインによって形にする「デザイナー」「クリエイター」など
デザイナーという名前のつく職種は、さまざまな業界で必要とされています。
具体的には、次のようなものがあります。
職種名 | 仕事内容 |
ファッションデザイナー | 衣服のデザインを手掛ける |
インテリアデザイナー | 建築物やインテリアのデザインを担う |
プロダクトデザイナー | 家電や日用品など製品のパッケージデザインを扱う |
グラフィックデザイナー | 広告物など紙関連のデザインを手掛ける |
Webデザイナー | Webサイトのデザインを担う |
CGデザイナー | 2次元、3次元のグラフィックスを制作する |
UIデザイナー | ユーザーインターフェイスを手掛ける |
UXデザイナー | サイトを通じたユーザー体験を踏まえて全体を構築する |
また、コンテンツ作りにかかわるクリエイターの仕事には、次のようなものがあります。
職種名 | 仕事内容 |
ゲームクリエイター | ゲームのキャラクターや背景デザイン、シナリオづくりなどを担う |
動画クリエイター | 動画編集やVR制作を手掛ける |
サウンドクリエイティター | 音楽制作、効果音づくりなど、動画に音を吹き込む |
フォトグラファー | 広告制作物やアート作品に向け、人物やものを撮影する |
デザイナーやクリエイターの仕事には、デザインに関する知識やセンスに加え、お客様の要望を汲み取り、具体的にイメージに落とし込んでいく力が求められます。
2.企画を考える「プロデューサー」「ディレクター」など
Web、テレビ、映画、雑誌、書籍などさまざまな制作コンテンツの企画を考える仕事も、クリエイティブ系職種の一つです。
会社やプロジェクトによって役割は異なり、細かく担当業務が分かれていたり、制作進行管理など他職種の仕事の一部を担ったりするケースもあるでしょう。
クリエイティブ系職種には、次のようなものがあります。
職種名 | 仕事内容 |
プロデューサー | 総責任者として全体の企画を立てる |
ディレクター | 現場責任者として制作責任を持つ |
開発ディレクター | 開発におけるディレクションを行う |
アートディレクター (クリエイティブディレクター) | デザイン領域に特化してディレクションを担う |
プランナー | コンテンツ方針の企画立案を行う |
ディレクションを進める上では、放送作家や脚本家、ライターやフォトグラファー、デザイナーなどさまざまなプロフェッショナル人材を取りまとめる必要があり、調整力やリーダーシップが求められます。
3.文章にかかわる「ライター」「編集者」など
文章にかかわるクリエイティブ系職種には、目的に応じて次のようなものがあります。
職種名 | 仕事内容 |
コピーライター | 新聞やポスターなどに使われるグラフィック広告や、テレビCM、Webサイト上の広告に広告文を書く |
ライター | 雑誌媒体、書籍、Webメディアや企業ホームページ、自治体の広報物などで記事を書く |
編集者 | 企画を立て、ライターやデザイナー、フォトグラファーなどと出版物や記事コンテンツを作り上げていく |
脚本家 | 映画やテレビドラマ、舞台、アニメ、ゲーム、ラジオドラマなどの脚本を書く |
放送作家 | テレビ番組や舞台、ラジオなどの企画構成を考え、進行台本を作る |
書く仕事に就くためには、文章を構成する力や語彙力、取材を通じた情報収集力、編集力などが求められます。
クライアントの目的、読者ターゲットに応じて書き方や内容が変わってくるため、相手のニーズを組み取る力が重要になるでしょう。
クリエイティブ系職種の働き方と将来性・キャリアパスにはどんなものがあるのか
クリエイティブな職種では、どのような働き方の特徴や、キャリアパスがあるのでしょうか。
ここでは以下のとおり、クリエイティブな仕事に多い3つの働き方を見ていきましょう。
- 広告代理店や制作会社などのクライアントワークを担う
- 事業会社で自社サービスや自社メディアを運営する
- フリーランスとして働く
広告代理店や制作会社などのクライアントワークを担う
さまざまなクライアントの依頼を受け、クリエイティビティを制作物に落とし込んでいきます。
クライアントの要望ありきで方針や予算、納期が決まるため制約も多く、提案力に加えて、調整力や進行管理ノウハウが鍛えられます。
クライアントワークだからこそ、幅広い業界の仕事に携わり、プロジェクト数も多く経験できるでしょう。
最新の業界動向に触れられる面白さもあります。
事業会社で自社サービスや自社メディアを運営する
自社の商品・サービスや自社メディアでの制作に携わります。
メディアの制作を例に取ると、小規模な会社で、撮影から執筆、編集まで自分が手掛ける環境もあれば、ライターやフォトグラファー、デザイナーなどを束ね、仕事を割り振りながらディレクションを行う仕事もあります。
企画から制作までクリエイティブを一気通貫で見られる点が事業会社の魅力でしょう。
ただ、どのような規模や体制で、どのような商品やサービス、メディアを展開しているかによって、働き方は大きく異なります。
フリーランスとして働く
会社や組織に所属せず、個人で案件を受注する働き方です。
自分のクリエイティブスキルや特技を生かし、いかに安定的に案件を得られるかが、収入を大きく左右します。
クリエイティブ系職種では、将来的にフリーランスとして独立できるように「まずは会社や組織に所属して経験と人脈を広げよう」「副業で続けながら、実現可能性を考えよう」と働いている人材も多くいます。
クリエイティブ系職種の働き方(まとめ)
いずれの働き方においても、WebやIT、ゲーム業界などを中心に各種クリエイティブ系職種の需要は高まっているでしょう。
ただし、クリエイティブ系職種では技術進化のスピードが早いため、常にスキルを磨こうと努力する姿勢、最新情報へのアンテナの高さ、情報収集への貪欲さは欠かせません。
昨今は生成AIの台頭により、グラフィックデザイン、文章作成などをAIが一定レベルまで作り上げることが出来るといわれています。
こういった時代にあっては、人間だからこそできる仕事が求められます。
例えば、上流工程で企画を立てて人を動かしてまとめるスキルや、ファシリテーションスキル、インタビュースキルなどが、ますます重要になってくるかもしれません。
クリエイティブ系職種として働く時の注意ポイント
ものづくりに携わるクリエイティブ職種は、「センスが活かせて楽しそう」「感性のまま働ける仕事」などと思われがちです。
ただし、実は泥臭く、粘り強さが求められる仕事でもあります。
クリエイティブな仕事に挑戦したい、転職したいと思う方は、クリエイティブ職種として働く上での注意点にはどんなものがあるかも知っておくと良いでしょう。
以下に、代表的な3つポイントを紹介します。
- 常に安定したクオリティが求められる
- 高いコミュニケーション力が必要
- 粘り強い業務遂行力が欠かせない
1.常に安定したクオリティが求められる
スキルやセンスがすぐに反映されるのがクリエイティブ系職種での仕事の特徴です。
プロとして仕事を受ける以上は、アウトプットにバラつきが出ないようにスキルを磨き続ける必要があります。
技術の進化や社会のトレンドの動きを敏感に感じ取り、学んでいこうとする向上心が欠かせません。
2.高いコミュニケーション力が必要
クリエイティブ系職種といえば、一人コツコツとものづくりに向き合う仕事とイメージする方も多いかもしれません。
しかし、実際は、多くの業務フェーズにおいて、高いコミュニケーション力、調整力、連携が必要になります。
クライアントの意向を引き出し、制作チームのメンバーとの調整を繰り返しながら進めていくため、プロジェクトマネジメント力も求められるでしょう。
3.粘り強い業務遂行力が欠かせない
クリエイティブ系職種の仕事は、何時間かけたから終わり、というものではありません。
クライアントの要望に合ったアウトプットができるまで、何度もアイデアを出したり、修正を重ねたりと、粘り強さや忍耐強さが必要になります。
ルーティンワークが好きな人、マニュアルや正解のある仕事が好きな人には向いていないかもしれません。
未経験からクリエイティブ系職種に転職するために必要なこと
未経験からクリエイティブ系職種に転職するために必要なスキルやアピールには、どんなものがあるのかをみていきましょう。
専門スキルや知識が求められるクリエイティブ系職種では、経験者を求める傾向が強いといえます。
未経験の場合、美術系の大学や専門学校で学んだ経験がある人、作品づくりの実績がある人は、強みとしてアピールできるでしょう。
資格取得よりも実践を重視し、どんなアプトプットをしてきたかが重視されるのが、クリエイティブ系職種の転職の特徴です。
「なぜその仕事に就きたいと思ったのか」という明確な転職理由と志望動機を整理した上で、その職種を目指すために日々どんな努力をしているのか、副業やプライベートでの活動も含め、アピールできると良いでしょう。
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