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【自衛隊の転職事例】企業からの評価は高い?希望を叶えるためのコツは?

都会に佇むビジネスマンの後ろ姿

業界・職種を変える転職の一例として、あまり知られていないのが自衛隊からの転職事例です。

自衛官が転職をする際には、どんな選択肢があるのでしょう。組織人事コンサルタントの粟野友樹氏に聞きました。

アドバイザー 粟野友樹
アドバイザー 粟野友樹

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

自衛隊からの転職事例

自衛隊の転職には、一般企業とは異なる特徴があります。

そもそも自衛隊には、53~57歳の間に退職する「若年定年制」と、20~30代半ばで退職する「任期制」(※)があり、一般企業より早い時期に退職を迎えます。

(※)任期制自衛官とは、自衛官候補生として3か月の教育を受けた後に、2~3年勤務する自衛官のこと(陸上自衛官は約2年、一部技術系は約3年、 海上・航空自衛官は約3年を1任期とし、2任期以降は各2年となる)。1任期目の修了時に、引き続き自衛官として勤務するか、大学などに進学するか、「自衛隊新卒」として民間企業などに就職するかを選択できる。

退職後の生活に不安を抱くことなく任務につけるよう、自衛隊では「退職自衛官の再就職支援」の施策を充実させています。

防衛省のホームページによると、定年退職の10年ほど前から技能訓練や通信教育を受け、再就職に向けた準備を進めていくほか、インターンシップの機会もあるようです。

私が転職をサポートした事例には、次のようなケースがありました。

任期制自衛官(自衛隊新卒)から大手証券会社の営業へ転職した事例

2年の任期を修了後、成果主義で知られる大手証券会社の営業職に転職。選考時には、自衛隊の厳しい訓練で培った体力や忍耐力、行動力を評価されました。

「元自衛官」であることから、営業先でお客様から覚えてもらいやすい、といった面も期待されたようです。

任期制自衛官(自衛隊新卒)から通信系会社の総務へ転職した事例

2年の任期を修了後、通信系会社の総務担当として転職。自衛隊時代の共同生活で培ったチームワーク力をアピールし、採用となりました。

定年制自衛官からIT企業のIT担当へ転職した事例

航空自衛隊の情報部門で培った専門スキルの高さを評価され、IT企業のIT担当として転職、防衛大学校では情報工学科を専攻。プログラミングスキルが高く、情報セキュリティの専門知識も豊富な方でした。

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自衛隊での経験を活かして転職する人の多い業界や職種の例

自衛隊の転職に関しては、退職自衛官の再就職支援を行う一般財団法人 自衛隊援護協会など、転職サイトや転職エージェントを活用する一般的な転職活動と異なるネットワークもあります。

自衛隊救護協会のデータによると、退職自衛官の転職先の上位は「サービス」「製造業」「運輸・通信・電気・ガス・水道業」でした。

また、航空自衛隊のホームページが公開している「退職自衛官の過去3か月の就職先実績」によると、警備など保安にかかわる仕事や、航空機械整備や修理、船舶・航空機運転の仕事など、専門スキルを生かした就職先も多くありました。

あくまでも、“直近の航空自衛隊の再就職事例”ではありますが、傾向として見られるのは、営業や事務、販売・接客の仕事は少ないこと。

一方で、在籍中の経験スキルや資格を活かし、建設機械の運転、自動車運転、製品製造・加工処理、機械整備・修理、その他保安、その他専門的職業などが多い点が挙げられます。

資格には、自動車整備士、電気主任技術者、ボイラー技士、フォークリフト運転者、土木成功管理技士、危険物取扱者などがあり、通信教育を通じて、社労士、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)、ファイナンシャルプランナー(FP)に挑戦する人もいるようです。

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元自衛官の市場価値は?企業はどう評価し、何を期待している?

 “元自衛官”という経歴を、企業はどう評価し、どんな力を期待しているのでしょうか。

自衛隊援護協会のホームページ(「年次報告」>「令和6年度(一般社団法人)」>「令和5年度 事業報告書」)によると、令和5年度の退職予定自衛官の求人倍率は、定年制で12.54倍、任期制で37.96倍となっています。

令和5年度の全国の有効求人倍率が1.26~1.32倍の間であることからも、元自衛官のニーズは非常に多くあることがわかります。

この数値からは、再就職先探しが比較的進めやすいと考えられますが、自衛官本人の希望の条件や職種、カルチャーフィットなどを考慮すると、求人倍率が示す通りに“選びたい放題”とはいえないでしょう。

企業が評価するポイントには、規律・責任感、実行力、チームワーク、忍耐力、体力などがあります。

専門性の高いスキルの鍛錬も重ねるため、航空自衛隊では、自衛官として培われる力を4S(責任力、集団力、専門力、正実力)と表現しており、これらはさまざまな業務で必要とされる力だといえます。

自衛官が転職活動をするときのポイント

では、実際に自衛官が転職活動をする際には、どんなことに気をつけるべきなのでしょう。

在籍中の経験・スキルや資格を活かして再就職先を探す、という点ではほかの転職活動と共通しています。

ただ、自衛官ならではのルールや、調べるべき情報もあるので注意が必要です。

退職時のポイント

自衛隊を辞める際は、「自衛隊法」のルールに則って手続きが進められていきます。

退職を認める承認者は階級によって異なるため、自衛隊法第31条に定められている階級の人に承認してもらうよう、交渉を進める必要があります。

自衛隊法第40条には、退職の承認について書かれてあります。

「自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、退職を承認しないことができる」とあり、これは有事の際が想定されています。

具体的な退職の手続きについては、陸上自衛官人事業務規則第28条に記されています。

労働基準法と異なるのは、「退職願を作成したのち、退職希望日の30日前までに上申しなければいけない」という点です。

労働基準法では14日前までに退職の意志を伝えれば退職ができると定められているので、自衛隊を辞める際は、その2倍の時間がかかることになります。

転職準備のポイント

転職する目的ややりたいことを整理する点は、一般的な転職活動と同じです。

自衛隊員の場合は、各自衛隊内で職業訓練や資格取得支援、就職訓練プログラムなどがあり、それらを積極的に利用するのも一つの方法です。

自衛隊救護協会でも、合同説明会や各基地や駐屯地の相談所接地・個別相談、求人案内、再就職に役立つ書籍、通信教育・資格取得の案内などが充実しています。

より幅広い事例を知るために、ハローワークや民間の転職エージェント、転職サイトを活用したり、民間企業に再就職した元隊員に相談したりするのもいいでしょう。

ただ、自衛隊の転職については、自衛隊法でさまざまなルールがあります。

例えば、現職の隊員があっせん行為を行うことは禁止されているほか、在籍中の利害関係企業への就職にも規制があります(一定以下の階級の隊員は問題ありません)。

転職を考える際には、自衛隊法の退職・転職にかかわる項目を調べてから動くことをおすすめします。

応募書類作成のポイント

応募書類作成に向けて、自衛隊員として身につけた経験やスキル、取得した資格を整理、言語化していく必要があります。

注意したいのは、自衛隊内の用語や専門用語を、一般企業向けに理解しやすいように記載することです。

自衛隊内の配属部隊名や任務、目的、規模などは、一般企業の人事担当者、現場の採用責任者はほとんど知りません。

専門用語を書いても伝わらないため、「〇〇を工夫・改善することで作業効率を◯%アップさせました」など、できるだけ数値で具体的に伝えることが大切です。

面接のポイント

面接でも、仕事内容や専門用語を、面接担当者に伝わるように言い換え、説明しましょう

説明に時間がかかりすぎると、自己PRや志望動機などを話す時間が足りなくなってしまうので、ポイントを押さえて伝えられるように端的に整理し、話す練習をして臨むといいでしょう。

例:
所属していた「需品科」は、必要な物品の購入手配や配置などを行う、企業でいうと総務や購買・調達のような部署です。
例えば、台風や地震といった自然災害時に、簡易入浴施設を被災地に設置されている場面をニュースなどでご覧になったこともあるかと思いますが、そういった機材や物資、施設に係る仕事です。

企業分析にきちんと時間を取り、企業理解・仕事理解を深めておくことも欠かせません。

規律や実行力、体力など、自衛隊ならではの強みを理解している担当者も多いため、それだけでは強いアピールにはならない可能性があります。

重要なのは、一般的な強みや特徴ではなく、「他の自衛隊出身の方にない独自の強みは何か」を伝えることです。

応募企業の募集職種で求められる要件や、企業の社風などを把握し、「自衛隊での自分の経験・スキル」がどのように合致するのか、どんな専門性を活かせるのかを伝える必要があります。

「元自衛官」に興味を持つ企業の担当者は少なからずいますが、“特殊な世界の経験談”を面白く話していたら面接が終わってしまった…というケースもあります。

興味を持たれることが多いからこそ、一般的な自衛官のイメージを伝えることだけに終始せず、自分のスキルをしっかりとアピールすることが大切です。

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※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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