「雇用保険被保険者証」とは?【社労士監修】
「雇用保険被保険者証」をご存知でしょうか。雇用保険に加入していることを証明する大切な書類ですが、会社で保管していることも多いため、目にしたことがある方は少ないかもしれません。
本記事では、転職をした時に必要となる「雇用保険被保険者証」についてご説明します。
執筆・監修
あべ社労士事務所
代表 社会保険労務士 安部敏志(あべさとし)
大学卒業後、国家公務員I種職員として厚生労働省に入省。労働基準法や労働安全衛生法を所管する労働基準局、在シンガポール日本国大使館での外交官勤務を経て、長野労働局監督課長を最後に退職。法改正や政策の立案、企業への指導経験を武器に、現在は福岡県を拠点に中小企業の人事労務を担当する役員や管理職の育成に従事。事務所公式サイト:https://sr-abe.jp/
雇用保険被保険者証とは?
転職に際しては様々な手続きが必要ですが、転職先の会社から求められる書類の1つに「雇用保険被保険者証」があります。
雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入した際にハローワークから発行される証明書で、雇用保険に加入していることを証明するものです。
ただ、雇用保険の加入手続きは、本人(従業員)に代わって、以下の流れで会社が行いますので、雇用保険被保険者証がどのような書類なのか知らない方が大半かもしれません。
– ハローワーク:雇用保険被保険者証を発行
雇用保険被保険者証はどのような書類?
雇用保険被保険者証は以下のような書類です。小さな書類なので紛失しないように注意する必要があります。
転職先の会社が雇用保険被保険者証の提出を求める理由は、あなたが前職で加入していた雇用保険を引き継げるように手続きするためです。
この中で大事な部分は「被保険者番号」です。そのため、転職先に提出する際には、雇用保険被保険者証のコピーでも構いません。
雇用保険被保険者証はいつもらえる?
雇用保険被保険者証は、会社がハローワークに雇用保険被保険者資格取得届を提出してからハローワークで発行されるものなので、ハローワークの手続き次第ですが、通常は1カ月程度でもらえます。
これまで多くの会社は紛失防止のために雇用保険被保険者証を本人に手渡さず会社で保管していました。
転職の際には、転職先で雇用保険被保険者証が必要になるため、退職時に会社は本人に渡すのですが、転職経験がない方は雇用保険被保険者証を見る機会がなかったのです。
実は平成15年5月以降、ハローワークは「雇用保険被保険者証は労働者に対してハローワークから交付するものであり、事業主が保管すべきものではない」という通知を出しています。
そのため、本来は入社後すぐに雇用保険被保険者証はもらえるはずなのですが、従来どおりの運用のように会社が保管している場合もあるため、もし手元にない場合は会社に確認してください。
雇用保険被保険者証を紛失した場合
入社時または退職時に受け取った雇用保険被保険者証を紛失してしまったという場合は、ハローワークに行って再交付の手続きをして再度もらうことができます。
再交付の手続きは、事業所(離職している場合は最後に被保険者であったときに雇用されていた事業所)の所在地を管轄するハローワークで、以下の「雇用保険被保険者証再交付申請書」に記入して行います。
新しい雇用保険被保険者証は、ハローワークの混雑具合によりますが即日発行してもらえます。
再交付する際の持ち物
手続きには以下のものを忘れずに持っていきましょう。
– 印鑑
また、雇用保険被保険者証再交付申請書には、最後に被保険者であったときに雇用されていた「事業所の名称」「所在地」「電話番号」を記入する必要があります。
退職から日にちが経っている場合は意外と忘れていたりするため、事前にメモして行きましょう。
雇用保険被保険者証がない場合
紛失以外で雇用保険被保険者証がない場合として、そもそも雇用保険に加入していなかったという場合があります。
雇用保険は、従業員や事業主の意思に関係なく、法律上当然に雇用保険の被保険者になりますが、会社に雇用されるすべての人が加入できるわけではありません。
法律上、雇用保険の加入要件は以下の2つを満たす必要があります。
2. 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
まず、1週間の所定労働時間が20時間以上である必要があり、短時間労働者であるパートやアルバイトの方はこの条件を満たしていない可能性があります。
例えば、1日6時間・週3日勤務の場合は、1週間の所定労働時間が18時間となるため、雇用保険の適用外となります。
次に、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる必要があります。1か月以内の契約社員で更新がない場合は雇用保険の適用除外になります。
まとめ
雇用保険被保険者証はあなたの雇用保険の加入を証明してくれる大事な書類です。
紛失しないようにきちんと保管しておきましょう。また、紛失してしまった場合はすぐにハローワークで再交付の手続きを行ってください。
引用:厚生労働省ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_procedure.html
https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=koyohohiSaikofuLink
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