転職なら社会人のための転職サイト【リクナビNEXT】|求人、転職に関する情報満載! 2018/09/21 UPDATE 毎週水・金曜更新!

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有給休暇を消化できない場合、繰り越しや買い取りはしてもらえる?

有給休暇が消化できない場合、繰り越しや買い取りは可能?仕事が忙しく、なかなか年次有給休暇(有給)を消化できないまま、日数が溜まり続けている方もいるのではないでしょうか。転職を検討している場合は、あらかじめ有給のルールを理解しておくことが大切です。

この記事では、年次有給休暇の有効期限や繰り越し、企業の買い上げ(買い取り)について解説します。

プロフィール

あべ社労士事務所
代表 社会保険労務士 安部敏志(あべさとし)

大学卒業後、国家公務員I種職員として厚生労働省に入省。労働基準法や労働安全衛生法を所管する労働基準局、在シンガポール日本国大使館での外交官勤務を経て、長野労働局監督課長を最後に退職。法改正や政策の立案、企業への指導経験を武器に、現在は福岡県を拠点に中小企業の人事労務を担当する役員や管理職の育成に従事。事務所公式サイト:https://sr-abe.jp/

有給休暇の期限と繰り越し

年次有給休暇は、入社日の6カ月後から権利が発生して年10日付与され、その後は1年ごとに日数が増えていきます。その日数は2年間有効です。これは、労働基準法第115条により、年次有給休暇の時効が2年間と定められているためです。

雇われた日からの勤続期間 付与される休暇日数
6カ月 10日
1年6カ月 11日
2年6カ月 12日
3年6カ月 14日
4年6カ月 16日
5年6カ月 18日
6年6カ月 20日

入社後の年次有給休暇の発生時期

例えば、入社日を2018年4月1日とすると以下のようになります。

– 入社日6か月後の2018年10月1日:10日間の休暇が発生
– 入社日の1年6か月後の2019年10月1日:11日間の休暇が発生

年次有給休暇を消化せずに繰り越した場合

1日も年次有給休暇を利用していない場合は、以下のようになります。

– 2020年9月30日までは21日間の年次有給休暇が残っている
– 2020年10月1日に最初の10日間の日数が時効によって消滅
– ただし2020年10月1日は入社日の2年6か月後なので新たに12日間の休暇が発生
– そのため2020年10月1日時点の年次有給休暇日数は、「21 – 10 + 12 = 23日
有給の発生と消滅のタイミング

年次有給休暇の買い上げ(買い取り)は可能?

日本の年次有給休暇の取得率は、国際比較調査でも最下位となっており、年次有給休暇の買い上げはよく問題になります。しかし、年次有給休暇は、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るためです。

そのため、会社が年次有給休暇の日数を買い上げる、つまり金銭と交換するのは違反であることが以下の行政解釈で示されていますが、これは年次有給休暇の日数を買い上げることによって「年次有給休暇を与えなければならない」という法律に違反する行為とみなされてしまうためです。

年次有給休暇の買上げの予約をし、これに基づいて請求し得る年次有給休暇日数を減じること、請求された日数を与えないことは違反である。
(昭和30年11月30日基収第4718号)

逆に、労働者が「年次有給休暇を利用しないので会社に買い上げて欲しい」と請求しても、法違反となってしまうので会社は買い上げることができないという点を理解しておきましょう。

ただし、年次有給休暇には2年間の時効があります。そのため、時効になって年次有給休暇が消滅する、退職するが年次有給休暇が残っているといった場合に、残日数に応じて調整的に会社が買い上げることは、事前の買い上げとは異なり、結果的な取り扱いとなるため、法違反とはなりません。

なお、就業規則に「退職時に残った年次有給休暇を買い上げる」と規定されていない限り、あくまで買い上げは会社側の配慮の問題です。そのため、有給休暇が消滅する際に、労働者が買い上げを要望したとしても、必ず会社が買い上げなくてはならないという法的な義務はありません。

記事作成日:2018年8月30日 EDIT:リクナビNEXT編集部