退職交渉のポイントは?円満退職するためのステップ
退職を決意したら、いきなり会社に退職届をだすものと誤解している人はいないだろうか。退職の意思表示は退職日の1カ月半~2カ月前までを目安に、直属の上司に相談という形で切り出すのがポイント。先に同僚に話すのは論外だし、意思表示にもマナーはあると心得よう。
目次
はじめに:退職の意思表示をする前に、自分の意志を確認
退職の意思表示をするに当たってまず、自らの意志が固まっているのかを改めて確認しておきたい。意志が固まっていなければ会社からの強い引き留めにあった場合、気持ちが揺らぐもの。結果的に残ることになった場合、一度退職の話を切り出してしまった都合、気まずい状況にもなるしその後の昇進・昇格にも影響する可能性がある。
退職を切り出す前にもう一度、今後のキャリアプランや夢について長期的な視点で見直すことが必要だ。決して、不平不満など一時的な感情に流されて安易に決めないようにしたい。
ステップ1:最初に、誰にどう話を切り出し、退職届を出すのか?
最初に退職の話を切り出す相手は、直属の上司だ。もし社長や部長などに話してしまうと、直属の上司の管理能力が問われかねない。同僚や先輩に話して、そこから上司の耳に入るのもトラブルの元。あくまでまず、直属の上司に対して「ちょっと相談があるのですが」といった相談という形で持ち掛けるべき。
その後、直属の上司から退職の了解を得たら、直属の上司は「後任をどうするか?」「退職時期に問題はないか?」など部長や社長と話し合って方針を決定。そこで初めて退職が正式に決定し、周囲に広報される。だから同僚や先輩部下、顧客などにも無用の混乱を避けるため、正式に広報されるまでは退職を口にするのは極力避けたほうがいいだろう。
また退職届を出すタイミングだが、一般的には会社が退職を了承した後。例えば退職の1カ月半くらい前までに退職の意思表示をした場合、退職日の1カ月前までに提出するのが妥当だ。仮に上司へ意思表示をする際に退職届を出しても、その場では受け取らないケースが多い。直属の上司がまだ社長や部長に相談する前に退職届を受け取ってしまった時点で、退職を正式に受理したことになってしまうからだ。
ステップ2:退職理由は、どうやって説明する?
退職理由を聞かれたら、「個人的な理由を話す」のが円満退職のコツ。退職を決意する理由の中にはもちろん、現状に対して何らかの不満があるのは当然のことだが、いくら辞めるからといってこれまでの不平不満をすべて話してしまっては、円満退職への道を自ら閉ざしてしまうようなもの。またそれを聞いた上司が「来年から改善する」「希望の部署に異動させる」「給与を上げる」など、引き止めの材料にされる可能性もある。円満退職を望むなら、例えどんな理由があろうと、不平不満を述べるのは極力避けるべき。
それは対同僚や部下に対しても同じ。残る側にすればあれこれ不満を言われるのはそれなりの理解を示す半面、あまり気持ちの良いものではない。周囲に快く送り出してもらうためにも、「どうしてもやりたい仕事がある」「キャリアアップするために新たな環境に移りたい」など、できるだけ前向きかつ納得のいく理由を話すのがベストだろう。
ステップ3:上司や会社から強い引き留めがあった場合は?
退職時、もし本当に必要な人材であれば上司などから強い引き留めにあう可能性は十分ある。その大きな理由は3つ。ひとつは会社にとってあなたが本当に必要とされている場合。次に「会社に自分の管理能力を疑われてしまう」というような理由による、上司自身の保身。最後は「社員はなるべく退職させない」という全社的な人事方針によるもの。
また引き留め方法も、昇給や昇進をちらつかせて本人の不満を解消する手段をとったり、「恩を仇で返すのか!」と強気に出られる場合もある。
しかし基本的には、退職の自由は法的に認められた権利。だから何を言われてもひるまず、これまでお世話になったことを感謝しつつ、それでも退職の決意が変わらないことを訴え続けることが大事だ。あらかじめ強い引き留めに合うことが予想される場合、先に転職先を決めてしまうのも一つの手。
もし直属の上司が退職を受け入れない場合、さらにその上の上司や人事部に相談するか、最終手段として労働基準監督署に相談することもできる。
一方、退職を申し出た後、待遇改善など好条件を提示されて心が揺らいでしまった場合はどうすればいいか。基本的にはそれでも退職を撤回しないことがベスト。なぜならば、もし自分の保身のための引き留めであれば、提示された好条件が口約束である可能性が高いからだ。どうしても迷いが消えない場合は、上司が本当に自分の将来を案じ、親身になって引き留めてくれているのか、条件が口約束ではないかを確認することが大事だ。
いずれにしても最終的に決断するのは自分自身。もし引き留められて気持ちが揺らぐようなら、退職後に後悔することも十分ありうると覚悟しておこう。
ステップ4:退職日はどのようにして決めればいい?
民法上では退職の意思表示から2週間を過ぎれば、いつでも辞められることになっている。しかしその一方、会社には「会社の法律」ともいうべき就業規則が存在し、「1カ月前に申し出ること」等の規定が設けられている場合もある。その際は基本的に就業規則を尊重すべき。
また有給休暇を消化して退職したいのならなおのこと、引き継ぎに十分な時間を設定することが必要だ。有給休暇の消化は当然の権利だが、円満退職を目指すならやるべきことはしっかりやってから有給休暇を取るようにしたい。
またボーナスをもらってから退職したい場合にも注意が必要。ボーナスには本来、過去の業績に対する報酬と、今後の働きへの期待が含まれるため、賞与額が決まる前に退職を申し出ると査定が下がり、ボーナスが減額される恐れもある。ただし半分以下などあまりに大きな減額は、不当として労働基準監督署などの相談したほうがよい。
そうしたトラブルを未然に防ぎたいのであれば、支給額が決定してから最低、1カ月ほど期間を置いて退職を申し出ることで、計画的なボーナス退社という印象は薄れる。ただし嫌みを言われるのは覚悟の上、というのであればボーナス支給直後に退職しても大きな問題にはならないはずだ。
ただし雇用期間が定められている契約社員の場合、正社員と少し事情が異なる。期間が満了するまでは原則として企業側は解雇できない代わりに、先述した民法の「2週間前までに意思表示すれば退職できる」という条項も適用されない。もしそれを無視して退職した場合には最悪、会社側から損害賠償を求められることもあるので、契約満了まで我慢するのが得策。
ただし家庭の事情などどうしても退職せざるを得ない場合、契約満了前に退職できないか上司に相談してみるといいだろう。
退職願の正しい書き方は?
退職届は退職が正式に了承された後、会社に求められた時点で初めて提出するもの。基本的に直属の上司に必ず手渡しする。会社によっては人事部に直接送る場合もあるので、提出を求められた時点で確認しておこう。
退職願の正しい書き方の詳細については、こちらの記事を参考にしよう。
円満退職するための、退職願の書き方
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