空白(ブランク)期間がある場合の職務経歴書の書き方見本
転職活動がうまくいかなかった、家族の事情で働いていなかった、ボランティア活動をしていた…など、前職を辞めたあと、様々な理由から職歴に空白期間ができてしまった場合は、職務経歴書はどのように書けば良いのでしょうか。
今回は、4つのケースに分けて、書き方をご紹介します。
ブランク1:転職活動が長引いた場合
失業期間のある人は、その時期についてどう書けばいいのか迷いがちです。しかし、「応募先で落ち続けた」などと職務経歴書に書く必要はありません。それよりも、前職の業務内容やエピソード、志望動機などを詳しく書きましょう。無職の期間については「充電期間」ととらえ、現在は新たな意欲に満ちていることを伝えます。資格試験の勉強など、自分自身を磨く努力をした人は、そのことも盛り込んでおきましょう。
「失業期間が1年」の場合の職務経歴書例
職務経歴書
2016年1月11日
○○ ○○(氏名)
2011年4月 株式会社〇〇物産に入社 横浜営業所に配属
【会社概要】
事業内容/食品商社 設立/1980年 資本金/3000万円 従業員数/70名
【仕事内容】
自社ブランドのハーブティー、輸入食材などを、百貨店、スーパー、小売店などへ定期的に卸す営業を担当。
●店舗の特徴を把握し、それに応じた商品を提案、売り場スペースを確保する
●自社ブランドや商品の認知度を上げ、売り上げ増加を図る
●追加受注への対応や、商品取り換えなどのアフターサービス
顧客数:約20社 担当地域:横浜市一帯 営業形態:主にルート営業
【成果】
2012年12月~2013年1月、年末年始に合わせた重点商品(ハーブティーの詰め合わせセット)に、独自に考案したグリーティングカードふうの手書きのPOPをつけて各売り場に設置した。その結果、売り上げが前半で130%増。各店舗の売り場スペースが平均1.2倍に拡大した。2004年には福袋も提案し、同様の売り場スペースを確保した。
【工夫したこと】
新しい食材を提案する際には、まず自分で調理して味を確かめるとともに、店舗の担当者にも試食してもらった。同時に、レシピを書いたチラシやPOPを売り場に設置するなど、食材の用途が来店客に伝わるよう工夫した。また、それぞれのハーブティーに合う料理やお菓子などを紹介するPOPを作成し、商品の楽しみ方を紹介するよう努めた。
2014年11月 一身上の都合により退職 現在に至る
■自己PR
仕事を通じて、「食」に対する興味が膨らみ、本当にやりたいことを見つめ直すために前職を退職しました。その後は、ステップアップするための貴重な充電期間として、料理教室に通って調理の腕を磨くとともに、求人情報や企業の研究に努めてまいりました。現在も、ワインエキスパートの資格取得に向けて勉強を続けております。離職して1年がたった今、将来に向けた新たな目標が定まりました。さまざまな業態の飲食店を企画・運営している貴社で、より多くの人に、新しい「食」の楽しみ方を提案したいと考えています。食に対する情熱なら誰にも負けない自信があります。これまでに培った知識と経験を、ぜひ、貴社で発揮させてください。
ポイント:前職の職務経歴をしっかりと書く
どんな仕事を、どのように工夫して行っていたか、失業前までの職歴をきちんと書くようにしましょう。その経験が応募先でどう生かせるか、ブランクを経て就業意識がいかに高まっているかを伝えることも大切です。
また、無職の期間に何をしていたのかも、「転職活動をしていた」という内容ではなく、どんなことを考え、ステップアップを目指してどのように自分自身を磨いてきたかを中心に書きましょう。ただし、うそを書いたり、事実を誇張して書いたりしてはいけません。
ブランク2:家庭の事情があった場合
転勤や育児など家庭の事情によって退職し、職歴に空白期間ができた場合も、職務経歴書では退職前までの職歴をきちんと書き、応募先で活かせる経験・スキルをアピールします。応募する仕事によっては、退職後の経験を志望動機につなげることで、より説得力を持たせることができるでしょう。
「夫の赴任に伴い渡英、再就職希望」の場合の志望動機例
夫の赴任に伴い、前職を退職して3年間、ロンドンで生活しました。滞在中は積極的に現地の人々と交流し、小学生の娘の同級生を自宅に招いて日本語を教えるボランティアを続けました。日本の昔話を題材にした紙芝居やひな祭りのパーティーなど、楽しく学べるよう工夫をしたところ、子どもたちをはじめ保護者にもたいへん好評でした。幼いころから異文化を理解する機会を持つことは、非常に意義深いと思います。帰国後は、子供向けの英会話講師として英語教育ならびに異文化理解教育に携わり、魅力的な授業を工夫したいと考え、貴社を志望いたします。
〈語学力〉TOEICのスコア700点
ポイント:海外での経験を志望動機につなげる
渡航前の職歴に加え、現地滞在中にボランティアをしたり、観光ガイドなどのアルバイトをしていた経験があれば、そこで学んだこと、身に付けたことをアピール材料にしましょう。職務経歴書のほかに、「自己PR書」を作成するのもお勧め。コミュニケーション力や語学力など、応募先企業で生かせる内容を中心に書きましょう。
ブランク3:インターネットで収入を得ていた場合
アフィリエイトやクラウドソーシングなど、インターネットを通じて収入を得る人が増えています。退職後は会社に属さず、インターネットで稼いでいた場合は、職務経歴書に成果や工夫した点を書いて積極的に自己アピールを。
「退職後はアフィリエイトで収入を得ていた」場合の志望動機例
ポイント:生活ができていたならアピール材料に
企業や店舗と提携し、商品などをネット上で販売するアフィリエイト。収入の幅は人それぞれですが、販売するには情報収集力や文章力、商品知識が必要で、応募先企業での仕事内容に生かせる場合も少なくありません。自分なりに工夫した点や、アフィリエイトの成果などを書いてアピールしましょう。同時に、再就職を目指す志望動機も明確に。
ブランク4:ボランティア活動をしていた場合
会社を辞めたあと、ボランティア活動を行っていた場合の自己PRのポイントをご紹介します。ボランティア活動で得たことを伝える際も、ビジネス視点を持っていることを踏まえた上で、経験が入社後に活かせることをアピールしましょう。
ボランティア活動をしていた場合の自己PR例
一つのプロジェクトを成功させるためには、顧客の要望を深く理解し、最適な解決策を提案するとともに、社内外のスタッフを取りまとめるコミュニケーション力が重要だと考えます。マスコミ報道に触発されて、私も何かの役に立ちたいと思い、難民支援のボランティアに2年間従事しましたが、その間、〇〇地域に医薬品を届ける新規プロジェクトを中心になって立案し、成功させました。一定の結果を出せた今、自らの将来を見つめ直し、今後は前職と同じSEとしてスキルを磨き、企業活動を通じてより良い社会づくりに貢献したいと考えています。
ポイント:ビジネスに取り組む決意を明確に
企業活動とボランティア活動とは、営利目的であるかどうかの大きな違いがあります。ボランティア活動に取り組んだ理由や目的を書くとともに、しっかりと気持ちを切り替えていることを伝えましょう。「新規プロジェクトを中心となって立案し、成功させた」など、企業で生かせる経験があれば積極的に記載を。ボランティア活動の理念はくどくならないように注意が必要です。
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