未経験から営業職に転職できる?具体的な方法をアドバイス

「営業職にチャレンジしてみたい。営業未経験でも転職できる?」――その答えは「できる」です。未経験者を歓迎する営業求人は豊富にあります。
自分に合う営業職の選び方、選考をクリアするための対策などについて、Segurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
そもそも未経験から営業職への転職は可能?
営業未経験でも、営業職に転職するチャンスはあります。
どんな商品・サービスを扱う企業でも、売り上げを上げて利益を生み出す営業職は欠かせません。営業職の採用ニーズは常に高く、求人数も豊富です。
企業側としては営業経験者が欲しいのはやまやまなのですが、人材不足の昨今、応募要件を経験者だけに絞ると、採用予定数を満たすのは難しい状況です。そこで、未経験者にも門戸を開いている求人が多数あります。
中には、あえて異業種・異職種の人材を迎え、自社にない知見・スキルを営業活動に取り入れたいと考える企業も見られます。
「営業の種類」を知ろう
ひと口に「営業」と言っても、さまざまな種類があります。自分に合う営業職を選ぶために、どのような営業の種類があるかを理解しておきましょう。
大きくは、個人を対象とする「個人営業」と、企業を対象とする「法人営業」、そして扱う商材は「有形」と「無形」に分かれます。
- 個人営業【無形】
保険などの金融商品、冠婚葬祭、旅行・レジャーなど - 個人営業【有形】
住宅、自動車など ※服飾・宝飾品・化粧品などの外販もあり - 法人営業【無形】
IT・Web、人材、広告など - 法人営業【有形】
消費財、工業製品・部品、設備など
上記4パターンのうち、「有形商品の法人営業」は経験者を求める傾向が強いのですが、それ以外では、未経験からでも目指せる営業求人が多数あります。
また、「営業スタイル」も多様です。主には次のような種類があります。
- 新規開拓営業
これまで取引のない顧客を開拓し、新規契約の獲得を目指す - ルート営業
既存顧客と定期的にコミュニケーションをとり、取引額を維持・アップさせる - 反響営業
広告やダイレクトメールなどを見て興味を持ち、問い合わせをしてきた顧客に対応する - カウンター営業
仲介物件などを扱う不動産会社や保険ショップのカウンター、もしくは住宅のモデルルームや各種製品のショールームで、来訪客に対応する内勤型営業。商品に興味を持って来た顧客に対応する
このほか、近年増えてきた、新たなタイプの営業職もあります。
クラウド上で提供される「SaaS(サース/Software as a Service)」サービスを手がける企業が増えていますが、SaaS企業では、見込み客に電話・メール・DMなどでアプローチしてコミュニケーションをとり、関係構築を図る「インサイドセールス」を積極採用しています。
なお、営業に類似した新たな職種として「カスタマーサクセス」のニーズも増えています。これは、既存顧客の契約が継続されるように、自社サービスの活用度や満足度を高めるためのコミュニケーションやサポートを行う職種です。
こうした「インサイドセールス」「カスタマーサクセス」の求人では、もともと販売・サービス職だった方々も多く採用されています。
それぞれの営業特性を理解したうえで、自身に合っていそうな営業職をピックアップしてみてください。
転職活動の際は何をチェックされる?
未経験で営業職の求人に応募した場合、選考では次のようなポイントが注目されます。
下記のポイントを整理しておき、面接で伝えられるように準備しておきましょう。
なぜ未経験で営業にチャレンジしたいと思っているのか
企業は「なぜ、営業の仕事にチャレンジするのか」に注目していますので、志望理由を明確に伝えられるようにしておくことが大切です。
営業職に興味を持ったきっかけとして、「稼げそう」「ビジネススキルを身に付けたい」「スーツを着る仕事に憧れる」といった声も聞かれますが、面接で語るにはそれだけでは不足です。
営業の仕事に魅力を感じたきっかけや理由を、具体的なエピソードを交えて語れるようにしておきましょう。
営業の仕事を多面的に理解しているか
営業職に対して、魅力的な面だけでなく、厳しい面・苦労する面も理解しているかどうかが見られています。
営業職には、「成果が数字で表れ、評価されやすい」というやりがいがある反面、目標数字を達成するための努力、業績が伸びないときのプレッシャーを乗り越えるストレス耐性なども必要です。
「顧客に価値を提供し、感謝される」ことは大きな喜びですが、無理な要求をされたり、クレームを受けたりする場面もあります。厳しい面もあることへの覚悟ができていれば、その姿勢はプラス評価されるでしょう。
これまでの経験のどんな部分が、営業に活かせると考えているのか
営業未経験とはいえ、これまでの仕事の経験が営業活動にどう活かせるかは見られています。
自身の経験・身に付けたスキルを整理し、どの部分が営業職に活かせるかを考え、アピールできるようにしておきましょう。
営業として何を目標とするのか
営業活動を通じて、どんな目標を達成したいのか、どんな「ありたい姿」をイメージしているのかを伝えられるようにしておきましょう。
「売り上げトップになって収入を上げたい」でも、「顧客と深い信頼関係を築きたい」でも、どのようなことでも構いません。ただし、応募先企業がそれを求めているかどうかについては、事前の企業研究で確認しておくことが大切です。
同じ業種で、同じような商品・サービスを扱っていても、企業が営業を評価するポイントや大切にしているこだわりは異なるものです。例えば、「量をこなす」営業活動を重視する企業もあれば、「コンサルティングの質を高める」ことを重視する企業もあります。
まず、自身の目的や志向に合う企業を選び、そのうえで自身の目標を語れるようにしておきましょう。
異業種での経験をどうアピールすればいい?
営業の経験がなくても、応募先企業に「これまでの経験が活かせそうだ」という期待感を持ってもらえれば、採用の可能性が高まります。
どのようなポイントをアピールすると効果的か、事務職・接客販売職・SE職の3職種のケースで解説します。併せて、企業に懸念を抱かれやすいポイントもお伝えしますので、面接ではそれを払しょくできるように準備しておきましょう。
事務職は「ホスピタリティ」が活かせる
事務職とは、いわば「社内向けにサービスする」仕事ともいえます。社内の人々と関わるなかで、どのような気配りをし、円滑に事務処理が進むように工夫を凝らしてきたかなどを伝えましょう。そうした「ホスピタリティ」を顧客へのフォローで発揮できることがアピール材料になり得ます。
また、「営業事務」であれば、営業担当者に代わって顧客に対応したり、業績を挙げられるようにサポートしたりした経験を伝えると効果的です。
企業は事務職の方々に対し「受け身姿勢なのではないか」「数値目標を持つプレッシャーに弱いのではないか」といった懸念を持つことがあります。
自ら課題を発見して改善を図ったり、目標を設定して効率化に取り組んだりした経験があれば、それを伝えることで懸念を払しょくできるでしょう。
接客販売職は「個人相手の接客スキル」が活かせる
店舗での販売やサービスを行ってきた方々は、個人客への接客スキルをストレートに活かすことができます。接客中に相手の表情やしぐさなどを観察し、興味のレベルや不安などの感情を察知して対応してきた経験、売り上げを上げるためのコミュニケーションの工夫などをアピールしましょう。
「目標達成意欲」も注目されていますので、店舗の売り上げ目標達成に向けてどのように取り組んだか、実際にどのような業績を挙げたかも伝えられるよう準備しておいてください。
法人向け営業を目指す場合は、「PCでの資料作成スキルがあるか」「法人に対する適切なビジネスマナーや言葉遣いが身についているか」なども不安視されるポイントですので、もし自信がなければトレーニングしておくといいでしょう。
SE職は「IT知識」「課題分析・提案力」が活かせる
IT関連の商材・サービスの営業職のニーズは高く、技術の知見を持っているSE経験者であれば、営業としても歓迎されます。
上流工程でクライアントと直接やりとりした経験は高く評価されますので、どのような思いで、どのようなことを大切にしてクライアントに向き合ってきたかを語れるようにしておきましょう。
要件定義などにおいて、課題の分析、解決への提案を行ってきた経験も、整理・言語化しておくことをお勧めします。
エンジニア出身者に対しては、特に「コミュニケーション力」が注目されています。理論だけでなく、相手の感情を汲み取ったコミュニケーションもできるかどうかが見られている可能性がありますので、自身の経験を振り返っておくといいでしょう。
「なぜエンジニアから、畑違いとも思われる営業職にキャリアチェンジしたいのか」も問われるため、志望動機を明確に語れるようにしておくことも大切です。
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