キャリア・プラトーとは?停滞期を抜け出すためのヒント

キャリアの停滞期を「キャリア・プラトー」と言います。どんな時に、キャリア・プラトーに陥ってしまうのか、抜け出すにはどうすればいいのか、
組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏に伺いました。
キャリア・プラトーとは?
キャリア・プラトーとは、ビジネスパーソンに訪れる「停滞状態」のことで、多くは40代のミドルシニア層で起こる現象とされています。
組織内で、昇進・昇格の可能性に行き詰まった(もしくは、行き詰っていると本人が感じている)、キャリアの「上がり」が見えてしまったことで、仕事に対するモチベーションが低下したり、能力開発の意欲を失ったりするとされています。
ただ、キャリア・プラトーは30代でも起こると言われています。
中堅になり自分のペースで仕事ができるようになったことで、「やり切った感」を覚えるとともに、若手時代に比べて自身の成長を実感しにくくなり、モチベーションが低下してしまう人は少なくありません。
これからどんなキャリアを目指せばいいのかわからなくなり、行き詰まりを感じてモヤモヤしてしまうケースもあるようです。
30代でキャリアの行き詰まりや停滞感を覚えたら
キャリア・プラトーに陥ると、普段の仕事の質を下げるだけでなく、今後のキャリア形成にも影響が出てしまう恐れがあります。
キャリアの停滞感は、主に「次の一手」が見えなくなることで起こります。
もし30代でキャリアの行き詰まりや停滞感を覚えたら、次のような方法を取ることで抜け出せる可能性があります。
社内の上司や先輩などに相談する
まず、自身をよく知る上司や先輩に、「次に何を目指せばいいのかわからない」と素直に相談することをお勧めします。普段から自身の働きぶりを知っている上司や先輩であれば、これまでの経験などを踏まえ、次に進むべき道を指南してくれるでしょう。
例えば、ロールモデルとなるような社内の人を紹介してくれたり、「君の経験や強み、持ち味を考えると〇〇職を目指してはどうか?」と方向性を示してくれたりすることが期待できます。
直属の上司であれば、メンバー一人ひとりに対して「こういうスキルを付け、こういうことを成し遂げてほしい」など具体的な思いを持っているはず。自分にどんな期待をかけてくれているのかを聞くことで、モチベーションが刺激される可能性もあります。
もしくは、「あと1年、後輩の育成に注力して高い評価を得ることができれば、マネージャー候補に推薦できるので頑張ってほしい」など、具体的な「やるべきこと」を示してくれるケースもあるでしょう。新しい目標ができることで、停滞期から抜け出せるかもしれません。
キャリア・プラトーは実のところ、自分一人が勝手に行き詰まりを感じていて、周りから見れば「順調にキャリアを積んでいる」というケースは少なくありません。社内の自分を良く知る第三者に、話を聞いてもらうだけでも気分が変わるのではないでしょうか。
社外の人に話を聞いてみる
あえて現在の自身の働きぶりを知らない社外のビジネスパーソンに、客観的な意見をもらうという方法もあります。
例えば、大学時代の友人や転職した先輩や同僚、社外のコミュニティで知り合った人など。「仕事に行き詰まりを感じていて、次の一手が見えない」ことを相談することで、社内の人にはない違った角度からのアドバイスが期待できます。有用なアドバイスに新鮮さを覚え、視野が広がるかもしれません。
また、キャリア・コーチングを利用し、プロならではのフラットな意見とアドバイスをもらうのも有効でしょう。
停滞感から脱するため、自分から新しい環境に飛び込んでみるのも一つの方法です。
例えば、ビジネススクールや資格学校に通ってみたり、勉強会やセミナーに参加してみたりすることで、社外の人脈が増え、刺激を得られるかもしれません。自分を変えたい、成長させたいという思いを持った人が多いので、前向きなパワーももらえるでしょう。
転職サイトを見る、転職エージェントに相談する
仕事に停滞感を覚えているときは、自信を失い視野が狭まっている可能性があるので、転職サイトを見たり転職エージェントに相談したりすることで、視野が広がり気持ちが上向く可能性があります。
転職サイトにはたくさんの求人が掲載されています。これまで知らなかった仕事や企業を見つけることで、「こんな可能性もアリなのかも?」と気づかされたり、自分の経験を求めている求人を見ることで「評価してくれる会社もあるんだ」と自信が湧いたりする効果があります。
また、転職エージェントに相談すれば、さまざまなキャリアの可能性を提示してもらうことができます。実際に応募するかどうかは別として「いろいろな選択肢がある」と知ることが停滞感の解消に役立つでしょう。
「キャリア・プラトーは自身を変えるきっかけ」と前向きに捉えよう
キャリア・プラトーは決してネガティブなことばかりではありません。キャリア論でいえば、停滞期は次のキャリアへの「トランジション(移行期)」と捉えることができるからです。
停滞期に陥ったら、悩み立ち止まるのではなく、「これは次のステージへの準備期間」と考え、意識的に周りに話を聞いて刺激を得るといいでしょう。
さまざまな人の話を聞いて視野が広がったら、社内異動や転職、副業、プロボノ、セミナーや勉強会などへの参加など、自身をアップデートする機会を得るのも有効です。そこから次のキャリアのヒントが得られるでしょう。
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