転職成功を諦めかけている人へ─うまくいかない原因の探し方と改善方法のアドバイス
転職活動が長引いていると焦りを感じることでしょう。
「なかなか内定が取れず、心が折れそう」「もう転職は諦めようかな」と揺れ動いている社会人に、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏がアドバイスします。
目次
転職活動がうまくいかない原因とは?
転職活動が半年も過ぎれば、長いと感じることでしょう。現職を続けながらの応募開始から内定までの平均的な活動期間は、1~2カ月。それを過ぎると、転職希望者の中には転職活動を一時休止したり、諦め始めたりする人もいます。
転職活動がうまくいかないと、「自分はどこにも通用しない」「自分は必要とされていない」と、自己否定的な考えになりがちですが、そのように考える必要はありません。
うまくいかない原因は、転職活動の進め方や方向性がずれていたり、タイミングが合致していなかったりすることがほとんどなのです。
特に転職活動で苦戦する若手社会人には、高望みやえり好みをし過ぎる傾向が見られます。経験が浅いのに業種も職種もガラリと違う企業に応募する、大手企業ばかりを狙う、キャリアに見合わない年収を希望するなど、現実からかなり飛躍しているためにミスマッチが生じているのです。
こうした原因を明らかにし、改善していけば、転職活動がうまくいく可能性は高まっていきます。
何のために転職をするのか、あらためて考えてみる
転職活動がうまくいかないと感じたら、まずは「何のために転職をするのか」に立ち戻ってみましょう。
なぜなら、長々と転職活動を続けているうちに本来の転職目的を忘れてしまい、内定を得ることが目的にすり替わってしまうことが少なくないからです。
中には、「転職活動を開始したのだから、転職しないといけない」と思い込み、義務感で進めている人もいるようです。だからこそ、あらためて転職理由を振り返ってみてほしいのです。
うまくいかない原因を突き止め、改善する
次に、うまくいかない原因はどこにあるのかを考え、改善策を講じていきましょう。何の対策も講じないまま同じように転職活動を続けていても、期待するような結果は得られません。
それでは、転職活動がうまくいかない原因を見極めるチェックポイントやその改善策を、書類選考 → 面接という選考過程に沿って紹介していきましょう。
書類選考は通過しているか
思うように書類選考が通過しないケースに多いのは、経験・スキル、経歴が企業の求める条件とずれているというミスマッチです。
仮に50社に応募して、5社しか書類選考に通らなかったとしたら、ミスマッチは明らかだと考えましょう。
この場合の改善策は、書類選考を通過した企業の募集要項を見直すこと。そして、自分の経験・スキル、経歴と合致している点を把握し、それに基づいて応募先を選んでいくことです。
応募先選びの方向性を見直すことで、書類選考の通過率はアップするでしょう。
どの段階の面接でつまずいたか
通常、人事担当者によって行われる一次面接でつまずいている場合は、志望動機や転職理由、自己PRなどが企業が求めるものに合致していても、きちんと伝えられていないことが原因だと考えられます。
改善策としては、もう一度自己分析とキャリアの棚卸しを行うといいでしょう。
配属予定部署の管理職などによる二次面接でつまずいているとしたら、経験・スキルのアピール不足が原因かもしれません。この場合、2つのパターンが考えられます。
1つは、そもそも企業が求める経験・スキルが不足していること。もう1つは、経験・スキルがきちんと伝わっていないことです。
前者の場合はやはり応募先選びから見直すこと、後者の場合は自分の強みをキーワードで伝え、それを裏付けるエピソードを数字などを交えて具体的に伝えることを心がけましょう。
一次・二次にかかわらず、面接で重要なのは、自分が言いたいことが相手にきちんと伝わっているかどうかです。その改善策として有効なのは、模擬面接を行うことです。
自分の話した内容を録音して聞きなおし、相手にどのように伝わっているかを確認し、明確に伝わるよう練習するのです。模擬面接の相手は友人に頼んだり、転職エージェントを利用して行ったりするといいでしょう。
ひとりでうまくいかない場合は第三者の助けを借りてみる
ひとりで転職活動を行っていてうまくいかない場合は、転職エージェントやリファラルなど、第三者の力を借りることも検討してみましょう。
転職エージェントに登録すると、エキスパートによる応募書類の見直しや模擬面接などのサポートを受けられるのはもちろん、転職希望者の経験・スキルを踏まえて希望に合致した応募先を紹介してもらうこともできます。
相談相手がいることはメンタル面でも支えになりますし、ひとりで転職活動を続けるよりもマッチング率が高まることが期待できます。
今は転職せずに一時休止という選択肢もある
ここまで紹介したのは、転職活動がうまくいかないとき、その原因を突き止め、改善して転職活動を続けていく方法ですが、もう1つ別の選択肢もあります。
それは、転職活動を一時休止することです。
言うまでもなく、転職は必ずしなくてはいけないものではありません。このまま惰性で転職活動を続けていても、心身が疲弊してモチベーションが下がり、選考時にいいパフォーマンスを発揮できなくなることも考えられます。
だとしたら、思い切って転職活動を一時休止しリフレッシュしてみることも、前向きな選択肢となりえます。
一時休止するメリットは、休止期間中に応募先企業に見合うキャリアを身につけることで、後々希望通りの転職がかなう可能性が高まること。
現職に留まって部署を異動する、リーダー職を経験する、目指すキャリアに生かせる資格を取得するなどして、さらなるキャリアを積んだ後、タイミングを見計らって再チャレンジすればいいのです。
どのくらいの期間休むかは本人の状況次第ですが、「もう一度、あのときの転職活動を振り返ってみよう」と、転職と向き合える気持ちになれたときや、現職でさらなる経験を積んで自信が出てきたときが、再チャレンジのタイミングなのではないでしょうか。
再チャレンジする際には、年末から年度末の求人案件が増えるタイミングを狙ったり、転職サイトや転職エージェントを変えたり増やしたりして、新たな気持ちでスタートさせるといいでしょう。
うまくいかない転職活動も無駄ではない
転職活動がうまくいかないと苦しいものですが、そのような経験も無駄にはなりません。
なぜなら、転職活動の流れが理解できたこと、応募書類の作成方法や面接の対処法がわかったことなど、すべてが自分の経験値になるからです。
一度でも経験していればゼロスタートではなくなるので、次の転職活動のアドバンテージになるはずです。
また、転職活動で得られた自分に対する評価や不足している点を認識することは、現職を続ける上でも、今後の自分のキャリアを考える上でも、大いに役立つことでしょう。
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