転職したいけど、気力がなくやる気が出ない。転職活動が進まない場合の対処法は?

転職したいけど、仕事や生活に追われてやる気が出ず、気力がわいてこない。何から始めればいいか分からなくて現状維持のままで転職活動が進まない―。
そんなときには、まずどんな行動をとればいいのでしょう。モチベーションや意欲が低下している時の転職活動のコツを、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんに聞きました。
目次
転職したいけど、現状維持で転職活動が進まない(始められない)人の特徴5パターン
転職したい(しなくちゃいけない)けれど、現状維持で転職活動が進まない(始められない)場合、「転職活動や自己分析に対する解像度が低い」ことが考えらえます。
自分の中でのなんとなくの想像上の不安やネガティブイメージだけが膨らんで、動けずに行動が止まっている人も少なくありません。
転職の目標が定まっていなかったり、転職活動のステップを把握できていなかったりするために、転職活動の成功イメージが持てず、やる気が出ない、気力がわかない状態になっているとも言えるでしょう。
具体的には、以下の5つのような特徴を持つ人たちが考えられます。
<転職したいけれど転職活動が進まない・始められない人の特徴5パターン>
- 何がしたいか分からない
- 取り組むべきことが分からない
- 自分に自信がない
- 転職後に後悔しそうで怖い
- 「転職活動は大変だ」というイメージが強すぎる
パターン①何がしたいか分からない
「現職から転職したいけど、何がしたいか分からない」ために、転職活動に対するやる気が出ず、気力がわかないという人は珍しくありません。
自分の転職軸が明確ではないので、何がマッチするかわからない状態とも言えるでしょう。
こういった人は、転職サイトなどで求人を探しても、情報が多すぎて転職したいと思える仕事を見つけられない可能性もあります。
パターン②取り組むべきことが分からない
「転職したいけど、転職活動では何にどう取り組むべきか分からない」という人もいます。これは、初めての転職活動をする人などによく見られるケースです。
具体的に何をすれば良いかわからない、何から手をつければいいのか優先順位が分からない、職務経歴書などをどう書いたらいいのか分からないなどが原因で、やる気が出ず行動が止まってしまうこともあるでしょう。
分からないことを調べること自体を面倒に感じてしまい、気力がわかないという場合もあります。
パターン③自分に自信がない
「転職したいけど、どうせどこの企業からも内定をもらえないだろう」と、経験やスキルへの自信のなさから求人への応募をためらってしまう人もいます。
こういったタイプの人は、自己分析をしていないケースも多く、自分の強みや市場価値、どういったところに転職できる可能性があるかが分からずに、最初から転職を諦めてしまっているケースも少なくありません。
パターン④転職後に後悔しそうで怖い
「転職したいけど、後悔しそうで怖い」という人も、なかなか転職活動を進めることができない傾向にあるでしょう。
現職に不満はあるものの、「転職先に馴染めるのか」「年収など条件含めて今より満足できるのか」など、不確定な未来に不安を感じて、転職活動そのものを始められないという人も少なくありません。
パターン⑤「転職活動は大変だ」というイメージが強すぎる
「転職したいけど、転職活動はやることが多くて大変そうだ」とイメージを強く持ちすぎている人も、なかなか転職活動を進めることができない人に多いでしょう。転職活動には、時間の捻出や調整なども必要です。
そのため、現職の仕事との並行に不安やストレスを感じている場合には、なかなかやる気が出ず、気力がわかないという人も珍しくありません。
転職したいけど、やる気が出ない・気力が無い時は、少ない労力でも転職活動を進められる道を探ろう
転職には様々な背景がありますが、転職したいと考えていても、すぐに動き出せないこともあるでしょう。
「これからのキャリアのことを考えて、今の会社に長くいるつもりはない」
「業界の先行きを考えると、いずれ転職しなければと思っている」
など、転職したいけど目の前の仕事や家事などの生活に追われて、じっくり考える時間がなかったり、環境を大きく変えることを億劫に感じてしまったりすることもあるでしょう。
転職活動ですべき準備を思うと、しり込みしてしまう気持ちもわかります。
しかし、何もしないままではいい求人に巡り合えず、いつまでも「はやく転職活動を始めなくちゃ」「いつかは転職しなくちゃ」と思い続けるだけになってしまいます。
「転職したいけど…」と思う気持ちがあるならば、少ないパワーで転職活動を続けるコツを見つけながら、今の生活の中で無理せずできるやり方を考えていきましょう。
やる気が出ない・気力がわかない6つのシーン別「効率的な転職活動の進め方」
転職したい(しなくちゃいけない)けれどやる気が出ない、気力がわかない…。そんな方は、やる気や気力がわかない理由を明確にした上で、具体的にどんな動き方があるのかを知りましょう。
ここでは、やる気が出ず、気力がわかない主な場面として、以下の6つをとりあげます。
- 転職活動が大変そうで動けない
- 選考に落ちてやる気が下がった
- 求人を探す時間がない
- 職務経歴書を作る気力がない
- 気に入った企業の募集が終わってやる気を失った
- 自己分析が面倒
① 「転職活動が大変そうで動けない」時の対処法
初めて転職活動をする人はなおさら、何から始めればいいか分からず、大変そうなイメージばかり膨らみがちです。
就職活動を思い出して、「また、自己分析から始めなくてはいけないのか」「書類作成も面接対策もめんどくさい」「不合格になって落ち込みたくない」「仕事をしながら、あんな風に動けない」などネガティブな面ばかり思い描く人もいるかもしれません。
そこでまずは、インターネットで「転職活動の流れ」を調べて把握することから始めましょう。
やること・やらなくてもいいことが明確になり、“分からないことからくる不安”は多少、軽減されるはずです。
また、気力がわかない場合、自分から“能動的に”情報を調べたり動いたりするのが大変なのだと思います。それならば、受け身の状態でも、情報が届く仕組みを作っておけばいいでしょう。
転職サイトに登録し、希望条件を設定しておくと、「おすすめの求人」がメールなどで届くようになります。登録は所要時間15分ほどと気軽にできるので、まずは情報登録から始めてはいかがでしょうか。
求人情報が届くようになると、「こんな企業が募集しているんだ」「こんな職種もあるんだ」など、思わぬ発見があるかもしれません。
自分の市場価値への気づきになりますし、求人内容に興味を引かれなければ、希望条件を変えてみてもいい。入ってきた情報を見ながら動けばいいので、そこまで大変さを感じずに活動できるかもしれませんよ。
② 「選考に落ちてやる気が下がった」時の対処法
転職活動を始めたものの、選考に落ちたことで気力が続かなくなった、という方もいるでしょう。
何社も落ち続けてしまった場合は、応募企業の選定基準から見直してみましょう。
自身のスキルや経験と応募条件とのミスマッチがある可能性があるので、求人情報を改めて読み直してみては。人気企業、大手企業ばかり受けていたため、競争倍率が高くて落ちていた、というケースも考えられます。
その上で再び転職活動を始める際は、転職サイトのオファー(スカウトメール)サービスを活用するのも一つです。
自身の職務経歴や希望条件などを登録しておくと、それを見た企業から「うちに応募しませんか?」「おすすめの求人があるので面談しませんか?」などのオファーが届きます。
スカウトメールでは、自分のどんなスキルや経験に興味を持ってくれたのかを伝えてくれる企業もあります。
評価された、という前提があれば自信につながり、選考面接でも落ち着いて会話ができるかもしれません。
③「 求人を探す時間がない」時の対処法
転職したいけど、そもそも活動時間が取れず、じっくり企業情報を調べる暇もない―。
そんな多忙な方は、転職サイトのアプリをダウンロードし、隙間時間に見た企業に「気になる」ボタンを押して保存しておくだけでもいいと思います。
リクナビNEXTの場合、「気になる」ボタンを押すことで、企業の採用担当者に通知が届くので、そこからあなた宛のスカウトメールが届くかもしれません。
スカウトメールが届けば、「一度話だけでも聞いてみよう」と行動を起こす気持ちになるかもしれません。
④「職務経歴書を作る気力がない」時の対処法
職務経歴書を作るには、これまでのキャリアでの実績や成果を言語化する必要があります。
仕事や家事などで忙しい場合、作成時間を確保するのが難しい方もいるでしょう。
職務経歴書の作成ができずに転職サイトでの転職活動が進められない場合には、まずはSNSを利用した転職活動をやってみるという手もあります。
SNSを利用した転職活動では、初回のカジュアル面談では職務経歴書不要というケースもあります。まずはこうした選考フローの企業を見つけ、情報収集するのも一つです。
ただし、ほとんどの企業で最終的に職務経歴書の提出は必須です。
いざ書き始めてみると、「何を書けばいいのか分からない」「見やすく整理できない」など、様々な理由でつまずく方も少なくありません。
そんな時には、書類のテンプレートを活用してみると良いでしょう。
何をどの順番で書けばいいのか分からない…と頭を抱えて時間がかかっている場合は、こうしたフォーマットを活用して情報を整理してみてはいかがでしょうか。
⑤「気に入った企業の募集が終わってやる気を失った」時の対処法
転職活動のタイミングによっては、応募したかった企業の募集がちょうど終わっていた、という事態も起こりえます。
しかし、中途採用では、通年で随時採用を続けている企業も多く、同業種の企業で似たような求人が突然出てくることもあり、チャンスは1回きりではありません。
そこで、今後同じようなことが起こらないように、転職サイトの「気になる」リストや保存リストを活用し、次に求人開始した時に「新掲載お知らせメール」が届くように設定しておきましょう。
リクナビNEXTでは、募集中の求人に対しても、「もうすぐ掲載終了お知らせメール」として掲載終了が近づいている求人情報が届きます。仕事で忙しいときにも応募忘れを防ぐことができます。
また、転職サイト上では募集が終了していても、企業の採用ホームページでは継続して募集をかけているケースもあります。ホームページ上に違う職種で募集があり、興味を引かれるかもしれません。
新たな情報を得られる可能性もあるので、すぐに諦めず、直接ホームページを見て確認してみましょう。
⑥「自己分析が面倒」な時の対処法
自分の経験やスキル、強みや弱みの言語化には、じっくり考える時間とパワーが必要です。
正解のないものゆえに、どこまでやればいいか分からず、億劫に感じてしまうこともあるでしょう。そんな方は、Web診断を活用してみるのもおすすめです。
その一つが「グッドポイント診断」です。
いくつかの質問に答えるだけで、客観的に強みが判明し、簡単に自己分析ができるものです。ビジネス上の強みを5つ診断してくれるので、自己PRの参考に使いやすいでしょう。
リクナビNEXTで求人に応募する時には、グッドポイント診断の診断結果を添付することもできるので、志望企業へあなたの強みをダイレクトに伝えることもできます。
また、自分一人ではなかなか自己分析が進まないという方は、転職エージェントなどの第三者に頼るのもいいでしょう。
キャリアを一緒に振り返ることで、自分では気づけない強みを引き出してもらったり、これまでの実績・成果を言語化できたりするかもしれません。
それでも、やっぱりやる気が出ず、気力がわかなかったら…
対処法が分かったとしても、やる気が出ず、気力がわかないまま…ということもあるでしょう。
適当に転職活動の準備を進めたり、焦って転職先を決めたりするよりは、企業への応募や書類準備などの具体的な転職活動は少しお休みして、気持ちを整える方がいい場合もあります。
転職は、焦って早急に結論を出そうとしても、いい結果に結びつくとは限りません。
はやく決めなくてはいけない、としっかり比較検討しないまま選択して、あとから後悔するようなことがあれば本人にとっても企業にとっても良くないからです。
転職したいけど、どうしても気力がわかず、動けない場合には、思い切って転職活動は小休止してみましょう。
具体的な活動はせずとも、同僚や友人などの転職経験者に、世間話のついでにちょっと転職経験談を聞いてみるだけでも良いのです。
それだけでも、考えが整理されたり、転職意欲がわいたりするきっかけに繋がるかもしれません。
そうやって気持ちを整え、また十分に気力がわいてから転職活動に邁進するのも一つの手だと思います。
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