【例文付き】志望動機の書き出し・締めくくりの書き方とは?
履歴書や職務経歴書に志望動機を書く際は、限られた文量で簡潔にまとめる必要があります。
企業側に伝わりやすい書き出し方、締めくくりの文章にはどんなポイントがあるのか、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんが、さまざまな職種の例文とあわせて解説します。
志望動機の構成とは
志望動機とは、応募企業に対して「他の会社ではなく、この会社のこの仕事を希望するのはなぜか」を示すためのものです。
志望動機をわかりやすくまとめるには、以下の3つの内容で構成することがポイントです。
- 応募企業を選んだ理由
- 活かせる経験・スキル
- 入社後に実現したいこと
3つの要素をどう入れていくのか、例文で見ていきましょう。
例文:
「カスタマーファースト」を事業理念に掲げ、お客様目線でサービス改善を続けるSaaSビジネスならではの働き方に興味を持ち、貴社を志望しました。貴社の会計管理サービス「〇〇」は、機能改善スピードと質において業界内でも定評があり、そのノウハウをぜひ学びたいと思っています。
IT機器メーカーでは営業を担当してきましたが、お客様に導入後の事業成長まで見られないところにもどかしさを感じておりました。これまで培ったIT関連知識や、お客様の課題をヒアリングし提案につなげる力を活かし、貴社の営業として継続的な事業成長に貢献したいと考えています。
上記の例文を見ると、志望企業を選んだ理由には、「カスタマーファーストの事業理念やお客様目線でサービス改善を続けるSaaSビジネスならではの働き方に興味をもったこと」が挙げられます。
活かせる経験・スキルは、「これまで培ったIT関連知識やお客様の課題をヒアリングし、提案につなげる力」だと述べられています。
入社後に実現したいことは、「営業としてお客様の継続的な事業成長に貢献すること」であることが理解できます。
上記のように構成要素を押さえておくことで、志望動機の作成がよりスムーズになります。
志望動機の書き出し・締めくくりのポイント
志望動機の書き出しでは、志望した理由を簡潔に伝えます。
例えば「○○の事業理念や○○な社風に惹かれた」など、最初の一文に志望動機として伝えたい内容のキーワードが抽出されていると企業側の理解がスムーズになるでしょう。
締めくくりでは、入社後に自分がどう貢献したいのか、実現したいキャリアを記します。そのために努力する姿勢を示したり、熱意や意思をはっきり伝えることがポイントです。
その際、思いだけを一方的に伝えるのではなく、企業側が求めているスキルや経験、人物像を調べ、自分が実現したいこととミスマッチがないように注意しましょう。
志望動機の例文
上記でご紹介した志望動機の書き出し・締めくくりのポイントを意識した志望動機例をいくつかご紹介します。書き出し・締めくくり部分に下線を引いているので、例文を参考に、自身の志望動機を作成してみましょう。
例文①
【事務職:IT業界→Web業界】
部門や役職役割に縛られないフラットな社風に魅力を感じ、チームで仕事をする中で力を発揮したいと考え、志望しました。貴社代表の○○様の著書や会社のblogを拝読しましたが、社員の皆さんが本音で良いことも悪いことも開示されているフラットな社風にも魅力を感じています。
現職は、仕事のしやすさもある一方、部門・職種で業務が細分化されているため、自分のやるべき仕事が限定される面もあります。総務・人事の経験に加え、バックオフィス全般を担うマルチプレイヤーとしてのスキルを活かし、チーム全体でサポートし合う環境で成長したいです。
入社後は、これまでの総務人事の事務として業務効率化(RPAやAI導入)に携わってきた経験を活かし、貴社の業務効率化のサポートをしていきたいです。
例文②
【営業職:損害保険→ネット広告会社】
20代の若手社員が子会社の経営者に抜擢されたり、新規事業に次々と取り組まれているチャレンジングな社風に魅力を感じ、営業として貴社で成長したいと考えています。
現職は老舗企業ゆえにキャリアアップのスピードが遅く、20代で経験できる業務の幅も限定されており、少し物足りなさを感じています。
事業領域こそ異なりますが、大手企業の決裁者や企業経営者に深く入り込み、社内の他部署と連携してプロジェクトを動かすスキルや、商品サービスのカスタマイズを提案してきた経験は活かせると考えています。
保険×Webに関するアイディアがあるので、貴社の社内ビジネスコンテストに挑戦し、いずれは自分もグループ会社の経営者を任されるような存在になりたいです。
例文③
【エンジニア職:システム開発会社→Webサービス】
自社プロダクトを持ち、機能改善のアイディアを反映させられる点や、新規プロダクトづくりに携われる点に魅力を感じ、貴社を志望しました。
現職では、受託開発で大手Web企業の案件に多く携わってきましたが、開発を手掛ける中で機能自体に課題を感じることが多く、自ら改善提案に携わりたいと考えるようになりました。
貴社の事業領域である決済機能の開発は約3年経験し、スクラム開発やDDDなどの観点を取り入れた開発経験が豊富にあります。今回の募集職種であるCTO直下での新規プロダクト開発部隊は、これまでの経験を活かして開発に専念できる場だと実感しております。
新しいアイディアを積極的に提案し、将来的にはプロダクト開発を統括できるような存在になりたいです。
例文④
【法務職:商社→通信会社】
IPO準備に向けた一人目の法務担当として、組織づくりを含め責任ある仕事に挑戦したく、貴社を志望しました。
現職は法務部署の中で役割分担が明確で、契約法務の経験は深まったものの、外部の弁護士事務所に依頼する機会が多く、もう少し知財や紛争対応などの知識をつけたいと考えています。
企業の契約法務・コンプライアンスに関しては主担当でやってきた経験があるので、組織の土台作りにも貢献できます。知財に関しては1年前より独学で勉強しており、業務外でも知見を広げられるように努力してきました。
入社後は役割を固定せずに、契約法務から知財関係など幅広い業務経験を積みながらIPOを目指した組織づくりに貢献したいです。
志望動機を書く際に気をつけるべきこと
志望動機では、前向きな表現を心がけ、300文字程度を目安に文章で要点をまとめることが大切です。また、志望動機を書く際は以下の点に気をつけましょう。
- フォーマット(定型文)のような内容、誰でも書けるような抽象的な表現は避ける
- 前職の愚痴や不満にも捉えられそうなネガティブ表現は使わない
- 自分のスキルや経験、実績のアピールは簡潔に行う。自分のアピールよりも企業をきちんと調べて理解している点を伝える
「前職(現職)はこういう社風だったので、こういう働き方が叶えられなかった」、「今後は○○のスキル・経験を活かしてこんな経験を積みたい」など、実現できなかった事実に対して、次のステージではこんな仕事がしたい、という前向きな姿勢につなげるといいでしょう。
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