転職理由の考え方と、面接で聞かれたときの回答例
面接で必ず聞かれる質問のひとつが、「転職理由」です。
転職理由は、必ずしも事実やホンネだけを伝えればいいというわけではありません。そのためか、一貫性があり企業が納得するような転職理由を考えるのに苦労している方も多いようです。
そこで今回は転職理由の考え方と回答例をご紹介いたします。
企業が転職理由を聞くワケとは
面接で企業が転職理由を聞くのはなぜでしょうか?
それは、転職理由によって、応募者が入社後に活躍する人材なのかを見極めているからです。
業務経験やスキルは職務経歴によって確認することができますが、目指していることや働くモチベーションは職務経歴だけでは分かりません。「転職によって実現したいこと」を聞くことで、企業が求めている人物像に合っているか、そして入社後に意欲的に働けるかどうかを確認しているのです。
また、せっかく採用した大切な人材が入社後すぐに辞めてしまわないように、転職理由を通じて「応募者が入社後に同じ理由で転職してしまわないか」も確認しています。そのため、転職のきっかけとなった理由を通じて、応募企業で実現したい目的は何かを伝えなければなりません。
そこで、転職理由を考える目安として、2割程度が「転職を考えたきっかけ(退職理由)」、8割程度が「転職によって実現したいこと」で構成すると伝わりやすくなります。
転職理由の考え方
動画で学ぶ転職理由の伝え方
転職理由の伝え方について、動画でポイントを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
転職理由をまとめるための3つのステップ
それでは具体的に、転職理由を3つのステップで考えてみましょう。
「上司と合わない」「評価が低かった」などの退職理由だけでは、「転職で実現したいこと」の十分な回答にはなりません。
あらかじめ転職理由を考えておかないと、転職を考えたきっかけである「退職理由」と「転職で実現したいこと」がうまくつながらず、面接でつじつまが合わなくなってしまうことも…。
転職理由は必ず聞かれる項目なので、しっかり考えて面接に臨みましょう。
STEP1:転職のきっかけを挙げる
まず、転職のきっかけを思い出してみましょう。転職のきっかけは、もちろんネガティブな理由であっても構いません。
「残業が多い」「ノルマがつらい」「上司と合わない」など、あなたが転職を考えた理由を挙げてみます。
・毎日残業が多すぎてしんどい
・営業目標が高すぎて、ノルマがつらい
・命令口調で何もしない上司と合わない
STEP2:前向きな思いに言い換える
具体的な退職理由を挙げたら、その理由に隠されている前向きな仕事の思いを考えてみましょう。
本当は、何を実現したかったのでしょうか?退職理由の裏側にあるあなたの思いを導き出して、前向きな思いに言い換えてみます。
→効率的に仕事を進めて成果を出していきたい
→顧客とじっくり向き合って関係を構築していきたい
→責任のある仕事を任されてもっと成長したい
STEP3:応募先の企業で実現したい目的を考える
退職理由を前向きな思いに言い換えたら、その思いが応募先の企業でどのように実現できるのかを考えます。
「先進的な効率化の取り組みをしている部門で仕組みづくりに関わりたい」「長期的な取引をする商材を扱っている事業部で顧客の信頼を得たい」など、「きっかけ」と「応募先の企業で実現したい目的」が、あなたの「転職理由」になるのです。
「以前の職場は書面を重視する文化があり、書類の作成と管理で多くの時間を割いていました。そのため作業効率を高めた社外事例やオフィスツールを学び、社内に導入したのですが、効率化が売り上げにつながる仕事に携わりたいという思いが強くなりました。営業部の業務改善によって御社の売り上げに貢献したく、応募いたしました」
転職理由の回答例
「転職理由」を応募書類にも書く場合は、150~200文字程度でまとめると読みやすくなります。
「転職理由」に、あなたの「応募先企業で働きたい」という意欲を込めてみてください。
営業の転職理由の回答例
年功序列の風土があり、先輩から決められた商品を案内することが求められていました。
顧客との接点を強めて売り上げに貢献したく、企画提案や新規開拓をしたいと伝えたのですが、そのチャンスを与えてもらえませんでした。
提案力を高めて、売り上げに貢献できる営業として活躍したいと考え、幅広い商品が揃っていて、若手でも参加できるチャレンジ制度をお持ちの御社に応募しました。
一般事務の転職理由の回答例
前職では受注登録と請求管理を中心に、ミスなくスケジュール通りに事務処理を行うことが任務でした。
ミスを撲滅し納期を厳守するために、チェックツールと管理表を作成したところ、ミスだけでなく業務時間も圧縮することができました。
減らせた業務時間で仕事の幅を広げたかったのですが、社内の分業意識が高かったため、効率重視の社風と挙手制度を持つ御社で業務改善に携わりたいと考えました。
ITエンジニアの転職理由の回答例
顧客の要望をくみ取り、より良い製品開発に携わりたかったのですが、扱っていない領域は外注することが多く、意見が反映されにくい環境でした。
また、顧客への営業同行も慣例上行っておらず、進言してもなかなか実現しませんでした。
もっと幅広い知識を身につけ、顧客により満足してもらえるサービスを提供したいと考え、事業分野が幅広い御社への転職を希望しました。
転職理由は応募する企業選びにも役立つ
「転職によって実現したいこと」を明確にすると、転職理由が企業を選択するときの「軸」になるため、応募する企業を選ぶときにも役立ちます。
転職を検討し始めたら、早い段階で転職理由を明確にしておくと、迷いの少ないスムーズな転職活動ができるでしょう。
ただし転職理由にこだわりすぎて、応募先企業を絞りすぎるのは要注意。求人情報で転職理由に完全一致していなくても、実際に面接で話を聞いてみたらほぼ一致していた、ということもあるかもしれません。
また、面接を重ねていくうちに転職で実現したいことが変化する可能性もあります。転職成功の可能性を高めるためにも、実際に応募する企業は、転職理由との「部分一致」を目安に選んでみてはいかがでしょうか。
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