転職活動、どんなときに疲れた?やる気が出ないときの進め方をプロがアドバイス
転職活動中、「準備と対策に時間や手間がかかる…」「なかなか選考がうまくいかない…」と、肉体的にも精神的にも負担がかかり、疲れを感じやすくなることはありませんか?
今回は、転職経験者に「どんな時に疲れたと感じたのか」アンケートで体験談を調査しました。さらに、疲れがたまり、やる気になれないと悩んだときの対処法と、疲れがたまらないように転職活動を進めるコツを専門家にアドバイスしていただきました。
アドバイザー
株式会社人材研究所・代表取締役社長
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)、『コミュ障のための面接戦略』(講談社)など著書多数。
転職活動、どんな時に「疲れた」と感じる?転職経験者にアンケート
転職活動中に「疲れた」と感じたことがある人はどのくらいいるのでしょうか。今回、20代~50代の転職経験者730名に対して、アンケートを実施しました。
転職活動で「疲れた」と感じたことはありますか?
転職経験者で「疲れた」と感じたことが「ある」人は半数近い46.6%、「どちらかと言えばある」も28.8%という結果になりました。およそ4分の3以上の人は、「疲れた」と感じたことがある中、転職活動を行っていたようです。
転職活動で「疲れた」と感じるのはどんな時ですか?
では、実際に「疲れた」と感じたのは、どんなときだったのでしょうか。いくつかの体験談を紹介します。
- 自分に合う会社なんてないのではないかと思ってしまう時(20代女性/銀行/事務・管理)
- 履歴書を書いている時(20代女性/その他/事務・管理)
- 何社も面接を受け、比較しなくてはならないことが面倒だった(30代女性/介護・福祉/医療・福祉・介護)
- 面接や採用試験の不慣れな道の移動(30代男性/製薬/素材・化学・食品・医薬品技術職)
- 新しい環境でうまくやっていけるかという不安で気疲れした(30代女性/その他/教育・保育・公務員・農林水産)
- 面接で緊張する。人見知りなので知らない人と話す事が疲れる(30代女性/その他/サービス・販売・外食)
- 地に足がついていない状態な感じで精神面での疲労を感じる(30代男性/建設/建築・土木技術職)
- 転職先を探す度に、本当に転職していいのか?今の会社に留まるべきではないか?など、精神的に疲れた(40代男性/食品/事務・管理)
- 結果が遅い。何時までに連絡がなければだめなど、わからないため、延々と待たなければだめで、疲れ果てる(40代女性/製薬/素材・化学・食品・医薬品技術職)
- あからさまにスキルがあってないことが、面接で分かり、今回の面接が無駄だったことがわかったとき(40代男性/SI /ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ))
- 希望の案件が出てこなくて、過去に断ったものを後悔したり(40代女性/銀行/企画・マーケティング・経営・管理職)
体験談によれば、「自分に合う企業が見つからないこと」「面接などの選考への対策や企業へ向かうこと」など活動がうまくいかなくなることが疲れの原因になるようでした。また、転職活動の中で「本当に転職していいのかと悩むこと」、「地に足がついてない状態が続くこと」などに悩み、疲れてしまう人もいるようでした。転職活動が思うように進まないと、疲れを感じるだけではなく、自信をなくして落ち込んでしまいます。そして、転職活動を続けたいと思っても、やる気がなくなってしまうのです。転職に疲れ、無気力になってしまったら、どうしたらよいでしょうか。
転職活動で疲れたらどうする? 専門家からのアドバイス
今回は、株式会社人材研究所 代表の曽和利光さんに「転職活動で疲れた」場合の、具体的なアドバイスをうかがいました。さっそくチェックしていきましょう。
対処法(1) 休むよりも活動を続け、まずは自信を取り戻すことに専念しよう
採用企業との都合がつかずうまくいかない、働きながらの転職活動で疲れ果てているという場合には、「転職活動を少し休む」と考える方が多いのではないでしょうか?心理学的には「逃避してみる」という考え方です。恋人とデートをしたり、自分の好きなゲームをしてみたり…と時には気分転換してみるのです。
しかし、一度休んでしまうとその分活動が長引いてしまうので逆に気持ちが落ち込んでしまい、疲れを感じやすくなる可能性もあります。転職活動を長引かせることが不本意ならば、まずは「自信を取り戻すことに専念する」ことをオススメします。
では、どのように自信を取り戻せばよいか。これは「過去に自分を一度でも評価してくれた人に会いに行く」というのがよいでしょう。例えば、過去に、自分を採用してくれた採用担当者に会いに行き、自分のどこを買ってくれたのかを聞きに行く、また、一番自分を評価してくれていた上司に会いに行き、転職の相談をするのも一つです。評価してくれているわけですから、きっと引き留められると思うのですが、それは自信回復につながりますし、それで「やはり、残ろう」と思うのであれば、それもまたよいと思います。前職の上司とかでもいいかもしれませんね。
対処法(2) 自信を取り戻したら、「上手くいかない原因を探る」
自信を取り戻したら、今度は「なぜ落ちたのか?」を客観的に分析してみます。
ここでは、心理学でいう、心の防衛規制の一つである、「知性化」(心の危機によって生まれる情緒を知性でコントロールすること)をしていきましょう。
例えば「面接に落ちた」という状況にショックを感じたら、それを他人事のように客観的にとらえることで、辛い出来事から心理的距離をおきます。それから状況全体を俯瞰し、冷静に論理的に分析して理解します。
気をつけたいのは、「すべて自分の責任にしない」ことです。全部自分のせいにすると、ますます落ち込んでしまいます。「雨が降るのも槍が降るのも全部自分のせい」とネガティブに考えるのではなく、ほかの理由にもしっかりと目を向けてみましょう。あなたがダメだからではない理由があるはずです。そもそも、採用企業の面接者も、インタビューや面接のプロとは限りません。「面接官が、私の能力を見抜けなかっただけだ」と思うことで、気持ちも和らぐでしょう。
それでも、自分の力では、客観的に分析が難しいということであれば、あなたをよく知る知人や友人、家族などに聞いてみましょう。自信を取り戻すため、受けていた企業に面接のフィードバックを求める方法もあります。また、人材紹介会社などに登録して、キャリアの専門家に相談するのも一つの手です。
自信を取り戻し、うまくいかない原因がわかったことで、気持ちがだいぶ軽くなり、疲れた自分を励ますことで、少しずつやる気が出てきたのではないでしょうか。最後に疲れをためずに転職活動するコツをアドバイスいただきました。
転職活動で疲れを感じにくくするポイントは、「短期で臨む」こと
疲れを感じないためには、同時並行で企業をたくさん受けて「短期決戦で臨むこと」が大切なポイントです。
すでに実感している転職者も多いかと思いますが、転職活動が疲れてしまう一番の原因は、「長期化」です。例えば、毎週1社ずつ受けていくような活動をすると、「今週も落ちた、来週も落ちた、再来週も落ちた…。5週連続落ちた…」というように、落ち込む期間が長くなり、だんだん気が滅入って辛くなってきてしまいます。
ですから、内定が一度に出るようにスケジュールを調整し、すぐに転職活動を終わらせる。それが疲れにくいコツです。内定を調整するのは、一見難しそうに見えますが、最初に出た内定から1週間以内にすべての企業の内定が出るようになっていればOK。面接など、忙しい時期も短くて済むので、体力的な疲れも一時的なものとなるでしょう。
「疲れた」と感じる時間が短くなるように短期集中してチャレンジし、転職を成功へ導いてください。
【調査概要】2019年2月6日~2月13日 株式会社ジャストシステム「あなたご自身に関するアンケート」 調査対象:正社員・契約社員として働く20~50代の男女730名
WRITER:倉島 麻帆 EDIT:リクナビNEXT編集部
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