入社1カ月で辞めたい場合、転職できるの?「退職理由」はどう言えばいいの?
入社1カ月にして「馴染めない」「業務内容が想像と違っていた」「失敗した」――そうした場合、すぐに軌道修正を図ろうと転職活動を始めたとして、早期退職した人を受け入れてくれる企業はあるのでしょうか。選考を受ける上でのポイントをお伝えします。
入社1カ月で辞めたい場合、転職はできる?
転職はできる。ただし選考で不利な立場に…
入社1カ月で辞めた人が次の会社に受け入れられるか…結論から言えば、短期間での離職→転職を成功させているケースは多々あります。求人企業側も「入社してみたら想像と大きく違っていた」ということは十分あり得ることだと理解しています。
ただし、「またすぐに辞めるのではないか」という懸念を抱かれることは避けられません。その懸念を払しょくして、相手企業が納得できるような退職理由を語れるようにしておくことが大切です。
希望する業界や企業によっても異なる
「前の会社を早々に辞めた人」の受け入れに対する感覚や姿勢は、業界や企業によっても異なります。もともと人材流動が激しい業種・企業などは、短期間で転職を繰り返すことに対して比較的寛容です。その代表格がインターネット業界やベンチャー企業。変化のスピードが速く、「新たな技術・ノウハウを身につける」といった前向きな目的で転職する人が多いため、短期スパンでの転職に対する抵抗感が薄い傾向が見られます。また、「即戦力としての活躍が期待できる人材なら、それ以外の要素はそれほど気にしない」という企業もあります。
転職理由があいまいならば、すぐに辞めないほうがベター
短期で離職したとしても転職は可能。しかし、くれぐれも早まらないでください。一時的な感情に流されての衝動的な転職は、次のような事態を招きかねません。
- 似たような理由で、再度転職することになってしまう
- 転職後、「前の会社で頑張っていたほうが良いキャリア構築ができた」と気づくこともある
- 志望する会社が、短期離職に対してネガティブ評価をする会社だった場合、選考を通過できない
「馴染めない」と感じてしまっても、最低3カ月は様子をみる
転職したばかりでうまくいかないと感じる一因に、転職先の業務や人間関係に馴染めないことが理由になっている人も多いようです。アンケートによると、入社後、馴染めないと感じてから状態が解消されたと答えた人の約半数が3カ月程度で解消されたと答えています。
「馴染めない」と感じてしまったときのアドバイス詳細は、以下のリンク先から確認してみましょう。
どうしても辞めたい場合は?
まずは現状を冷静に分析し、長期的な視点で考えた上で、「転職しなければならない理由・目的」を明確にしましょう。
どんな理由・目的であれば、応募先企業で納得を得やすいかについては、後ほどご紹介します。
入社1カ月で転職する際に押さえておきたいポイント
早期退職からの転職を成功させるためには、転職活動で次のポイントを意識してください。
条件を絞り込みすぎず、多くの会社に応募する
「入社1カ月で退職」は、やはり選考では不利になります。採用担当者がどう判断するかは、応募してみなければわかりません。仮に1~2社に応募して受け入れられなければ、不安感が強くなり先に進めなくなることもあります。多くの会社に応募し、感触を確かめながら進めていくことをお勧めします。
応募書類に「転職せざるを得ない理由」を書いておく
応募書類では「面接に呼んで、詳しく話を聞いてみたい」と思わせることが大切です。「1カ月で退職」だけしか書かれていないと、不信感を持たれ、書類選考段階で採用を見送られる可能性があります。「何か事情がありそうだ。話を聞いてみて判断しよう」と思ってもらえるよう、簡潔に退職理由を記しておくといいでしょう。
特に自分ではどうしようもない事態(経営不振による事業縮小・リストラなど)や、会社の不誠実な対応(求人情報や面接で提示された労働条件と大きく異なる)が理由であれば、その旨を記しておくことで、採用企業側の心理的ハードルが少し下がります。
あるいは、「成長したい」「チャレンジしたい」といった前向きな目標につながる理由であれば、「話してみたい」と思われるかもしれません。
退職理由はどう言えばいいの?
退職理由は正直に伝える
面接では必ず「退職理由」を聞かれます。このとき、ごまかしたり曖昧にしたりする態度をとると不信感を抱かれます。退職理由は基本的に「正直に伝える」ことが重要です。
ただし、退職を考えるきっかけの多くは「不満」。職場や仕事への不満だけを語っても、相手はあなたに期待感を抱いてはくれません。不満だけを聞かされた相手は、こう考えます。
「で、あなた自身はどんな努力をしたのか?」
「で、これからどうしたいのか?」
――こう問われたとき、明確に答えられる準備をしておきましょう。
不満を起点として「これからどうしたいのか、何を目指すのか」を考えることは、相手企業を納得させるだけでなく、自分自身がまた同じような理由で転職を繰り返すことへの予防策にもなります。
応募企業への伝え方に気をつける
面接で退職理由を伝えるときは、前の会社に問題があったことが事実だとしても、すべてを会社のせい、上司のせいにするような言い方は避けましょう。そうした職場や上司に対して、自分なりにどう努力したのか、何をどう改善したいのかについて、自分の仕事観やキャリア観を交えて語れるようにしておいてください。
また、前の会社について研究不足、考慮不足のまま入社してしまったことへの反省を伝え、応募先企業のことをしっかり調べた上で臨んでいることを伝えるのも有効です。
退職理由の例文
入社前に聞いていた情報と実際の業務内容が異なる
入社時には残業は週4~5時間程度と聞いていたのですが、配属された部署ではほぼ毎日、22時~終電近くまでの残業を強いられている状態です。これは一時的なものではなく、恒常的だそうです。目標達成のために必要な業務であれば残業もいとわないのですが、非効率なやり方によってムダに労働時間が長くなっていると感じます。効率化する方法を考え、ITツールの導入の提案もしましたが、聞き入れられません。
私としては、社外のセミナーに参加したり、社外の友人と交流して情報交換したりと、学びの時間も持ちたいので、もう少し余裕を持った環境で働きたいと思い、転職を決意しました。
社風や裁量権が思いのほか与えられていない
私はもともと、思いついたアイデアを試したり新しいことにチャレンジしたりするのが好きなのですが、今の会社では何か提案しても「余計なことはするな」といわれてしまいます。最初は「新人だからか」と思いましたが、社歴が長い先輩たちに聞いても、そうした保守的な風土だそうです。私としては未知のことにチャレンジすることで早く成長したいと思うのですが、それが叶わない環境だと気づきました。商品への興味だけで入社を決め、風土への理解までできていなかったことを反省しています。
御社へ応募する際に、ホームページや社長のインタビュー記事、ブログまで拝見し、チャレンジを促進する風土があるとあるのではないかと感じました。御社でなら自分がイメージする成長ができると思っています。
WRITER:青木 典子 EDIT:リクナビNEXT編集部
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