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【地方の小さな学習塾から、ファンド傘下で上場を目指す教育関連会社のCOOへ】エージェントの介在で求職者が予想もしなかったキャリアを実現

地方の小さな学習塾に勤めていた求職者。上場の為にファンド主導で経営の建て直しを行い、現場で事業改革を担うCOO(最高執行責任者)を求めていた教育系企業―― 一見、あまり接点がなさそうに見える両者であっても、転職エージェントの介在により思わぬマッチングが生まれることがある。求職者のポテンシャルを引き出し、どのようにマッチングを行ったのか。株式会社CXOサーチの今沢雄一郎氏が手掛けた、GOOD AGENT AWARD 2022部門賞受賞の事例をご紹介したい。

業績不振の教育関連会社を、現場から改革するCOOの採用案件に取り組む

国立大学を卒業後、同大学の研究員として勤務していた30代後半のAさん。その後、研究室の教授の紹介で、西日本のとある地方で大手学習塾のFC校を3校経営するオーナーと出会い、その教育方針に感銘を受けて転職した。縁もゆかりもない土地に単身移り住み、10年間組織のNo.2として塾の運営を担当。業績を立て直し、10年で3校とも全国トップクラスの売り上げに成長させた。

そしてこのほどAさんは、「この経験をもとに、新たなチャレンジをしてみたい」と決意。今沢氏と接点を持った。東京に住むフィアンセとの将来も考え、首都圏での転職を希望していた。

そのとき、今沢氏はちょうど、ある企業のCOO案件のサーチに取り組んでいた。
教育関連企業B社は、独自の教育手法による教室の運営で一時期名を馳せ、一気に業績を拡大。しかし、ライバル会社の追随により徐々に売り上げが落ち込み、ここ数年は赤字に転落。社員のモチベーションも低下し、社内の雰囲気も悪化していた。

同社はもともと株式上場を目指しており、PE(プライベートエクイティ)ファンドが経営に入っていた。今沢氏はそのファンドから、「事業を立て直すべくCOOを採用したい」との要望を受けていた。

ファンドからのオーダーは、「現場のヒューマンマネジメントが鍵となるサービス業における組織マネジメント経験」「教育、介護、BPO等のヒューマンマネジメントが肝となる業界の売上成長に知見のある方」「整備された仕組みの中でのオペレーションではなく、ターンアラウンドに向けて試行錯誤・創意工夫できる方」。そこで今沢氏は、ホテルや学習塾の社長経験者など50歳前後の経営経験豊富な求職者を数名紹介したが、全員不採用だったという。今沢氏は一連のやり取りを元に、その理由を熟考した。

「B社は従業員数が数十人であり、売上高も数億円ほど。ファンド案件としてはびっくりするほど小さい。一方で、ご紹介した方々の在籍企業は数十億円の売り上げで、規模感にギャップがあり、ハンズオンでの経営改革は行ってきていないだろうと考えられました。業績不振で皆がやる気を失っている中、B社では現場に入って従業員と同じ目線に立って手足を動かし、改革を実践できる人が求められているのだと気づきました」(今沢氏)

Aさんからの連絡を受けたのは、そんなタイミングだった。経歴を見ると、先方の要望はある程度満たしているように思えた。「もしかしたら、可能性があるかも…」と思いAさんにコンタクトを取ったところ、「自己PRを作成したので添削してほしい」とファイルが送られてきた。意欲ある行動ではあるが、今沢氏は内容があまりに拙く見直しが必要だと感じたという。

自己PRにもかかわらず、具体的な事実や裏付けとなる数字が何も書かれておらず、想いだけが綴られたふんわりした内容。勤務先がどんな課題を抱えていて、何をどう工夫して改善したのかが全くわからず、Before→Afterの変化もつかめない。これではB社に推薦するのはとても無理だ…と思ったものの、改善すべき点をいくつも挙げたうえで返信した。「期待半分、これで反応がなければそれまで、という気持ちだった」と今沢氏は振り返る。

すると、何と翌日には、5ページにわたる充実した自己分析レポートが送られてきた。そして、とても同じ人が書いたとは思えない素晴らしい出来映えだったという。

「アドバイスがすべて反映されていて、どのように経営改革に関わり、どんな成果を上げてきたのかが手に取るようにわかりました。これまで、仕事でそういう頭の使い方やアウトプットを求められて来なかっただけで、Aさんは学習能力が非常に高く、ものすごいポテンシャルを秘めた人ではないか…と思えました」(今沢氏)

この学習能力が本物であれば、エージェントとしてしっかり伴走すればいいマッチングができるかもしれない。Aさんの「ぜひチャレンジしたい」との応募意思を確認したうえで、B社にご紹介を行い、B社も「まずは一度会ってみたい」と面接が実現した。

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選考過程でどんどん成長する候補者に、経営人材としての可能性を感じる

一次面接は、B社のほか2社を束ねるホールディングスの社長が相手。B社の社長も兼務している。社長は大手教育企業出身で、教育への熱い思いを持つ人。10年前に「地域の教育に貢献したい」との思いで教育業界に飛び込んだAさんとは波長が合うと思われたが、Aさんの魅力がより伝わるよう、自己PRをブラッシュアップして面接に備えた。

「Aさんの勤務先は、もともと小中学生がメインの塾でしたが、業績不振を受けAさんの発案で単価の高い高校生ターゲットに切り替えました。そして、地域の高校を回ってアプローチしたり、現地の教育系ネットワークに入り込んでPRしたりするなど、地道な努力・工夫を行うことで着実に成果につなげました。この経験が“地方企業での1成功体験”ではなく、B社でも再現可能であると思ってもらえるよう、伝える内容と伝え方をAさんとともにブラッシュアップ。その結果、無事に一次面接を通過することができました」(今沢氏)

次の面接相手は、ファンドのパートナー。要求水準が高く、求職者を見る目も厳しい。先にご紹介した求職者にNGを出し続けてきたのも、このパートナーだった。
難易度の高い面接を通過するために、今沢氏は一計を案じた。このパートナーが過去に手掛けた案件で、メディアにもたくさん取り上げられている案件を、Aさんとともに徹底的に研究したのだという。

「パートナーが手掛けた案件の中でとりわけ有名なのが、ある流通企業のV字回復事例。その事例と、Aさんの経験に共通しているのは、『個別の商圏に対して最適化されたリニューアル』という点でした。Aさんが自身の経験を伝える際には、この部分を前面に押し出し、そのうえでB社における具体的なアイディアを伝えられれば、パートナーの心を動かせるかもしれない――このように作戦を定めて臨んだところ、大成功。面接ではかなりのボリュームの質疑応答が繰り返されましたが、事前に想定して準備した範囲内で収まり、この面接も即日OKが出ました」(今沢氏)

そして、いよいよケース面接。ケース面接とは、特定の課題が出題され、一定の時間で自身の考えをまとめ伝えるもの。コンサルティングファームの面接で課されることが多いが、CXO人材の採用でも用いられることが多い。

多くの場合はダミーの課題が出題されるが、今回の場合はB社の実際の経営数字をもとに事業改善案を考え、ディスカッションを行うという課題が出された。機密情報が含まれるためNDA(秘密保持契約)にサインを行い、実際の経営数字を基にしてディスカッションするという内容。当初は2週間の準備期間が与えられたが、途中で「3週間かけて、よりしっかり考え、準備をして臨んでほしい」と期間が延長され、Aさんに対するB社の期待の大きさが感じられた。

B社は、Aさんにスライド作りのきれいさやプレゼンテーションのうまさを期待しているわけではない。必要な情報を的確に抽出して咀嚼し、自分の頭で考えをまとめることができるのか、その思考の幅と深さなどを当日のディスカッションで確かめたいという意向だった。今沢氏はリアルな経営数字が含まれた事前資料を見ることが出来ず、具体的なアドバイスができなかった為、ここではAさんの相談などに丁寧に対応し、「気持ちの上での伴走」に徹した。

かなり難度が高い課題にもかかわらず、Aさんは楽しみながら臨んでくれたという。準備期間中、Aさんからこんなメールが今沢氏に届いた。
――B社様の課題が面白くて、それで頭がいっぱい。戦略コンサルティングファームの仕事や視点がより一層理解できてきて、いただいた詳しい資料のおかげで、B社様を取り巻く業界構造や経営状態の概要もかなりイメージできています。これまでの経験がそのまま活かせそうなこともあれば、商圏や規模、ターゲットの違いから、私が持っている課題感のピントがずれていないか不安なこともあり、勉強の手が止まりません。本当に良いチャンスをいただき、人生が動いている感じがします――

「この選考課程を通して、Aさんは確実に経営人材にステップアップしつつあると感じ、頼もしく思いました。今まで使ったことのなかったフレームワークも使いこなすなど、新しいことをどんどん吸収して自分のものにしています。ケース面接前に、この彼の成長ぶりを、企業側にも事実ベースでお伝えしました」(今沢氏)

ケース面接では「超リアル」なアイディアや戦略にまで話が及び、ファンドの評価もうなぎのぼり。マネジメントとしての経験は浅いものの、それを補って余りある人間力と学習能力の高さが特に評価され、見事採用決定となった。

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企業側の頭の中に入り込み、ニーズの本質を「ハック」する

AさんがB社に入社して1年弱、早くも高い成果を上げているという。
B社の社長はホールディングス社長も兼務しているため、B社の実質的なトップはAさん。デジタルマーケティングによる地道なテコ入れを行い、toC戦略による個人集客を拡大する一方、これまで弱かった法人分野も自ら新規開拓を行い、着実に契約数を拡大。わずか1年で売り上げを数割以上伸ばし、長年続いていた赤字もストップした。

とはいえ、Aさんのミッションは売り上げを数割ではなく、何倍にも伸ばすこと。まだまだ道半ばではあるが、現場で明るく前向きに行動するAさんに皆が影響され、やる気を取り戻しイキイキ働いており、B社は確実に変わりつつある。

「AさんにはB社のCOOとしてだけではなく、ホールディングスの幹部として3社全体のシナジーを創出することも期待されています。将来的にホールディングスの執行役員となり、ファンドの下でIPOが実現できれば、プロ経営者としての大きな実績になるでしょう」(今沢氏)

実はAさんは、別のエージェント経由で大手スクール運営会社にも応募し、早々に教室長の内定を得ていた。「地方の学習塾出身者としては、このようなキャリアステップが順当」という意識をAさん自身も持っており、内定を受諾するか、B社の選考を進めるか迷っていたという。
そんなAさんに「経営者」という新たなキャリアの可能性を提供できたことで、今沢氏は強い介在実感を得られているという。

「経営人材の採用においては、まずは会社を立て直してほしい、上場させてほしいなどといった明確な『成し遂げてほしいこと』があり、それを実現してくれる人を求めています。したがって、多くの場合は明確な人材像があるわけではありません。そのため、私が行っているのは、採用主である経営者の頭の中をハックすること。経営者が何を考えているのか、成し遂げてほしいことの本質は何か、探り出してつかみ、それに沿った求職者の方をご紹介しています。これらは、経営者自身が自覚し切れていないことも多いので、いろいろな方をご紹介し、その反応を見ながら具体化していき、言語化するのが私の介在価値。だからこそ、今回のような一見意外性のあるマッチングも実現できたのではないかと思っています」(今沢氏)

転職者・企業へのメッセージ

【転職者の方へ】
経営者には覚悟が必要です。何のリスクも苦労もなく、社長のイスに座れるわけなどありません。一方、突然やって来るチャンスを活かすための心の準備と決断力も必要です。

【企業様へ】
本気で社名の通り、CXO探しに取り組んでおります。「CXO案件」には絶対の自信があります。期待を上回る良い人材をご紹介いたします。

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「GOOD AGENT AWARD 2022」イベント開催レポート


今沢雄一郎氏
株式会社CXOサーチ
代表取締役。東京大学工学部卒業後、1992年にリクルートに入社。広告事業部門(HR事業)に6年間在籍し、求人広告の営業に従事。退職と同時に1998年4月に人材紹介会社、株式会社エリートネットワークの立ち上げに参画。以降、法人営業(企業担当)兼転職カウンセラーとして、20年間にわたって人材紹介業務に従事する。2018年1月、株式会社CXOサーチを設立し、代表取締役就任。CXO、経営人材に特化したエグゼクティブサーチを行う。

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