転職の面接で「挫折経験」を質問されたら?回答例と注意点を解説

転職の面接で、「挫折経験」を聞かれることもあるようです。では、挫折経験を聞かれた場合はどのように回答すればいいのでしょうか?
企業の採用担当者が挫折経験を聞く目的と、質問への答え方について、組織人事コンサルティングSegurosの粟野氏に聞きました。
面接で「挫折経験」を質問する意図とは?
中途採用の面接によっては、「これまでの仕事で挫折した経験はありますか?」「最も困難だった場面と、どう乗り越えたか教えて下さい」といった質問をされることがあります。
企業の採用担当者は、挫折経験や逆境に直面した経験を聞くことによって、「ストレス耐性」や「対応力」、「問題解決力」「柔軟性」を判断しています。
これらの素養がないと、入社後に挫折や困難があった場合に、主体的に解決を図ることができなかったり、ストレスを抱えて会社を辞めてしまったりする可能性があるからです。
こうした質問への回答は、準備をしておかないと順序立てて説明することが難しいものです。
これまでの経験を振り返って、挫折や困難がなぜ発生し、解決のためにどのように立ち回ったのかを整理しておくと、突然聞かれてもスムーズに答えることができるでしょう。
挫折経験は、伝え方次第でアピールになる
誰しも多少の挫折や困難を感じた経験はあるものです。
また、採用担当者は、挫折や困難を通じて、解決を図ることができるかどうかを判断しています。
挫折経験を伝えることで、マイナス印象とならないか不安をお持ちの方もいるかもしれませんが、「挫折経験はありません」と回答してしまうと、ストレス耐性や対応力をアピールする機会を失ってしまいます。
また、「自己分析が不十分なのでは」「本心を伝えていないのでは」と疑問を抱かれる可能性もあります。
挫折経験はきっかけに過ぎません。「どのように対応したのか」「何を学んだのか」を中心に伝えることで、ストレス耐性や対応力のアピールになるでしょう。
もし実際に挫折経験がない場合は、下記のように「困難に立ち向かったエピソード」を伝えるようにしましょう。
挫折経験というほどではありませんが、過去に経験したプロジェクトが大幅に遅延したことがありました。発覚した直後は目の前が真っ暗になりましたが、すぐに遅延した理由を書き出して解決策を考え、先輩に助けを求めたことがあります。 |
挫折経験に対する質問の回答例文
挫折経験を問われた際の回答例を複数ご紹介します。
大きなミスを経験した回答例文
スピードを重視して仕事を進めていたところ、大きなミスにつながったことがあります。影響範囲も大きく同僚だけでなく他部門にも迷惑をかけてしまい、大変落ち込みました。 今後同じようなミスを起こさないように、ダブルチェックを意識するようになりました。作業を終えて確認したら完了ではなく、1日の終わりに「チェック時間」を設け、もう一度確認しています。作業スピードが落ちないようにExcelの使い方を勉強し、自分なりに工夫を続けました。 ミスを起こさずに作業スピードが上がると、大きな達成感を得ることができました。今も、日々の工夫を心掛けています。 |
結果が出せなかった経験の回答例文
入社1年目に新規獲得の営業部に配属されましたが、3カ月間、商談にすら持ち込むことができませんでした。当時は大変落ち込みましたが、気持ちを切り替えて、メンターの先輩に新規獲得時代の工夫点をヒアリングすることにしました。 その結果、新規獲得に対する行動量が圧倒的に足りないことが分かり、仕事の進め方の見直しを図ることにしました。 まず、新規受注までの営業プロセスをブレイクダウンし、1日に何件の荷電が必要なのかを明確にしました。また、業界を絞らずに営業していたので業界や企業研究が甘く、顧客ニーズを正しく掴むことができていませんでした。1日の荷電目標数を設定し、営業トークを磨くに従って商談に至るケースが増え、2カ月で挫折から立ち直ることができました。 |
顧客に怒られた経験の回答例文
BtoBのサービスを社内で提案し、プロジェクトとしてスタートしたことがあります。当時は知識も経験も浅く、説明が不十分で「当初の話と違う」と、複数の顧客からクレームをいただきました。思い通りにプロジェクトが進まないことにストレスを感じ、メンバーと衝突したこともあります。企画力やプロジェクトマネジメント力に自信を失い、挫折を味わいました。 プロジェクトがうまくいかない原因は自分にあると反省し、お詫びとともに顧客からサービスの課題や不満をヒアリングする機会を設けました。いただいたご意見をサービスに反映したところ、ささやかながら取引社数が増えていきました。その後、2年間で○○社とお取引するまでサービスが成長。顧客の声に向き合うことの大切さを実感しています。 |
挫折経験を伝える際の注意点
挫折経験を伝える際に気をつけたいことを解説します。
仕事以外の挫折経験を伝える
採用担当者は、挫折経験から応募者の人柄や困難の乗り越え方などを確認しています。
ビジネスシーン以外の挫折経験を伝えると、仕事でその経験が活かせるか判断することができません。
面接で伝える挫折経験は、仕事で起こった経験を用いて分かりやすく説明するようにしましょう。
「挫折はない」はできる限り避ける
挫折経験があることで、立ち直り方や乗り越え方に気づく人は多いものです。
「挫折経験はありません」と答えてしまうと、「入社後に挫折したら乗り越えられないのでは」と捉えられてしまう可能性があります。
挫折経験は「ストレス耐性」や「忍耐力」、「課題発見力」などをアピールする機会にもなるので、過去の経験を振り返り、できる限り答えるようにしましょう。
客観性を意識する
挫折した時のエピソードを、「辛い思いをしました」「否定されたように感じました」など、心情を中心に伝えてしまうと客観性に欠けてしまいます。
採用担当者の納得度を高めるために、どのような問題が発生して挫折に至ったのかを、事実や数値を交えて客観的に伝えるようにしましょう。
挫折経験が思いつかない場合は?
「挫折経験」は、困難が訪れた時の乗り越え方や気づきを確認する質問です。
挫折経験がどうしても思い出せない場合は、挫折とまでは言えなくても、自分なりに努力や試行錯誤した経験を伝えれば十分です。
過去の経験を振り返って、苦労した経験やうまくいかなかった経験を探してみましょう。
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