ITエンジニア向けスキルシートの書き方・職務経歴書との違いについて解説【テンプレート付き】

ITエンジニアの技術力や経験を分かりやすく的確に伝えるために、「スキルシート」を活用するケースが増えています。ITエンジニア以外でも、WebデザイナーやITディレクターなど、プロジェクト単位で仕事を進める職種では、スキルシートがあると役割や実績をまとめやすくなるでしょう。
今回は、ITエンジニア向けにスキルシートの使い方や書き方のポイント、職務経歴書との違いについて組織人事コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
無料でダウンロードできるスキルシートテンプレート(Excel)もご紹介しています。ダウンロードして自分の経歴に合わせて項目を調整し、転職活動でご活用ください。
「スキルシート」とは?

「スキルシート」とは、経歴をプロジェクト単位でA4サイズ1~2枚程度に分かりやすくまとめた書式を指します。
職務経歴書に記載する項目をさらにプロジェクト単位でまとめたもの、とイメージするといいでしょう。
スキルシートのフォーマットに決まりはないので、職種やアピールポイントに応じて項目を調整するケースが一般的です。
活用すると良い主な職種として、ITエンジニアが挙げられます。
ITエンジニ向けのスキルシートは、プロジェクト単位で経験をまとめたり、技術力を伝えるために保有技術や担当工程を伝える項目が設置されていたりする点が特徴です。
また、WebデザイナーやITディレクター、プロデューサーやコンサルタントなど、プロジェクト単位で経験・スキルを伝える職種でも活用することができるでしょう。
履歴書や職務経歴書との違い
まず、履歴書と職務経歴書では以下のような違いがあります。
▶履歴書:プロフィールや経歴を伝えるもの ▶職務経歴書:具体的な経験業務や実績、自己PRなどを伝えるもの |
さらに職務経歴書とスキルシートでは、プロフィールの記載について違いがあります。
▶職務経歴書:履歴書と同時に提出するため、生年月日や学歴、保有資格など、氏名以外のプロフィールは記載しないのが一般的 ▶スキルシート:履歴書の提出が不要な副業や業務委託として働く際にも活用されるため、プロフィールを含めた経験・スキルを、A4サイズ1~2枚に収めているケースが多い |
働き方や目的に応じて各書類を使い分けるようにしましょう。
なお、履歴書と職務経歴書のテンプレートは以下よりダウンロードすることができます。
スキルシートの書き方【見本あり】
スキルシートの見本と、書き方のポイントをまとめました。
この形式であれば職務経歴書として使用することも可能です。その場合はプロフィールの項目を追加してお使いください。

【1】個人情報(氏名のみ)
プロフィールは氏名のみ記載します。
職務経歴書は履歴書と同時に提出するため、生年月日などの記載は必要ありません。
【2】職務要約(サマリ)
これまでの職務経験の要約(サマリ)を記載します。
所属した企業名や担当プロジェクト、得意な領域などを3行程度でまとめましょう。
フリーランスに転向した場合は、「20xx年xx月~現在 フリーランスとして活動中、現在に至る」などと記載しましょう。
【3】活かせる経験・知識
スキルシートを読み込まなくても、採用担当者が一見して「どのような経験・知識・スキルを持っているのか」を把握できるように、冒頭に記載します。
即戦力をアピールするため、これまでの経験のうち、応募する求人の「求めるスキル」「人材要件」に合致した経験を意識して記載するようにしましょう。
【4】保有技術、その他
各プロジェクトの環境・言語欄を確認しなくても、一見して保有技術が把握できるようにまとめて記載します。
もし、スキルシートに生年月日や住所などのプロフィールを記載したい場合は、保有技術、その他欄のラベルを書き換えて利用してください。
プロフィール以外にも、ソースコードやパッケージ管理ツール、技術記事などのURLや、個人で開発したサービスのアドレスを記載するという使い方もできます。
経験が浅く保有技術が少ない場合は、現在勉強中の言語を「勉強中」として記載するという方法があります。
採用担当者の目につきやすい箇所なので、アピールしたいことを中心に活用しましょう。
【5】経験プロジェクト
「経験プロジェクト」の基本的な書き方は下記の通りです。
▶経験したプロジェクトごとにまとめる。 ▶プロジェクトを記載する順序については、時系列でもその逆でもOK。ただ、最新のプロジェクトから記載したほうが採用担当者の目に留まりやすくなる。 ▶OSやDB、言語は「環境・言語欄」に、プロジェクトにおける役割を「役割・役職欄」に、プロジェクトの規模を「規模・人数欄」に記載する。 ▶プロジェクトの詳細は、「全体概要」「注力したポイント」「成果」を意識しながら記載する。 |
また、書く際に工夫できるポイントとして、下記を参考にしてください。
ここを意識することで、より採用担当者が読みやすいスキルシートになっていきます。
▶「担当工程欄」は●で記載すると、担当したプロセスが一目で分かるようになる。 ▶経験や社数が多く、全て記載すると枚数が増えてしまう場合は、最新のプロジェクトや応募する求人に活かせる経験を中心に記載し、それ以外は省略するなどメリハリを意識する。 ▶事業会社や自社開発のサービスの開発で小規模のプロジェクトを複数掛け持っているなど、プロジェクト単位での記載が難しいその場合は、「自社ECサイトのUI改善」など、担当領域を案件名に記載し、取り組んだことと成果を箇条書きで具体的に記載する。 ▶秘密保持契約を結んでいるフリーランスエンジニアの場合は、社名欄を削除して記載するか、会社が特定できないように「大手金融機関」「外資系IT企業」など、業種や規模が掴める程度にマスキングしておく。案件名も同様に、社名が分からないように注意する。 |
【6】自己PR
経験・スキルから人柄や仕事のこだわりは読み取りにくいものです。
仕事で心掛けていることや強みなどを自己PR文として、200~400文字程度でまとめましょう。
スキルシートの作成ポイント・注意点
スキルシートを作成する手順を解説します。
リクナビNEXTの「レジュメ機能」を活用すると、AI要約を使ってワンタップで職務要約を自動生成することができます。
職務要約・業務内容などは簡潔に
経験プロジェクトが多い場合は、全て書き出すと枚数が増えてしまうので、応募企業に活かせるプロジェクト経験を中心に記載し、関連性の低いプロジェクトは箇条書きにするなどして調整しましょう。
スキルシートはA4サイズ2枚程度を目安にまとめます。
成果・実績は定量的な情報を
プロジェクトの成果や実績を伝える際は、具体的な数字を入れて、難易度の高さや規模感などが客観的にわかるように工夫しましょう。
まとめ方に困ったら【キャリアの棚卸し】を
スキルシートを作成する前に、キャリアの棚卸しを行うとまとめやすくなります。
過去の経験を振り返り、担当したプロジェクトや自分の役割、実績や工夫した点などを書き出していきましょう。
担当プロジェクトごとに、得られた経験や発揮した技術などを洗い出して、転職活動の軸となる経験・スキルを整理します。
なお、リクナビNEXTの「レジュメ」機能を活用すると、経験・スキルの洗い出しや整理に役立ちます。
経験職種を選択すると、関連するスキルが表示されるので、当てはまるものを選んでいきましょう。
入力した経験・スキルをもとにAIが職務要約を作成するので、スキルシートにも活かせます。
経験プロジェクトの記載の仕方に注意
経験プロジェクトを書く際は、「企業名やプロジェクト名を具体的に記載しても問題ないか」を確認しましょう。
秘密保持契約により固有名詞を出せない場合もあるので、記載の仕方には注意が必要です。
送付方法は応募ごとに確認を
作成したスキルシートの送付方法は応募ごとに確認し、採用担当者の指示に従って提出します。
メールに添付する場合は、PDF形式にして提出するのが一般的です。
プリントアウトの場合は、送付状と一緒にクリアファイルに挟んだ上で封筒に入れて送付すると、丁寧な印象を与えます。
また、面接で手渡しする場合も、受付で渡す可能性もあるため封筒に入れておくとよいでしょう。
他者のスキルシートと差別化するには
「スキル」シートではありますが、ほかの人との差別化になるよう、「人となり」「仕事ぶり」「創意工夫」なども併せて伝えましょう。
スキルシートの見本にある【ポイント】にあるように、「初めての長期プロジェクトに参画する中で、お客様・協力会社様とのコミュニケーションの大切さを学んだ」「相手の意見をくみ取り、場合によっては図などを用い説明する大切さを学んだ」といった取り組み姿勢もしっかりと記載します。
企業側に、「コミュニケーション力が高そう」「粘り強い思考力を持っていそう」などと思ってもらえるような文面を工夫しましょう。
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