転職は悪いこと?罪悪感を感じるのは当然?転職時の罪悪感と上手に付き合う方法
転職をしたいけれど、今の職場や取引先がイヤなわけじゃないし、成長や活躍を期待してもらっているので、なんだか申し訳ない。それに、在職中に転職活動をすることにも抵抗がある…。
転職時にそんな罪悪感を感じる人も少なくありません。
そこで今回は、転職を経験した人たちにアンケートを実施し、どのくらいの人が罪悪感を感じたのか?誰に対して罪悪感を感じたのか?そして罪悪感と向き合う方法などを紹介します。
転職活動では3割の人が罪悪感を感じていた
転職活動の際、罪悪感を感じていた?
●転職活動の際、罪悪感を感じていましたか?(n=314、単一回答)
転職経験者に、転職活動の際に罪悪感を感じたかどうかを尋ねたところ、約3割の人が罪悪感を感じたことがあると回答しました。
属性別では、男性29.5%に対して女性30.4%と男女差はさほど見られませんでしたが、未婚者24.8%に対して既婚者は34.3%と、10ポイント近い差がありました。
また、「はい」と答えた転職経験者の平均年齢が42.3歳だったのに対して、「いいえ」では46.0歳となりました。
誰に対して罪悪感を感じた?
●転職に罪悪感を感じたのは誰に対してですか?(n=94、複数回答)
罪悪感を感じた理由は?
続いて、転職活動の際に罪悪感を感じたという人にその理由を聞きました。
・ただでさえ人が足りない職場なのに、自分が抜けることでさらに忙しくなるのが目に見えているから(女性/46歳/公務員)
・同期が少ない職場なのに、自分が辞めるとさらに少なくなってしまうから(女性/28歳/介護・福祉)
・一緒に頑張ってきた仲間を裏切ったような気持ちになったから(女性/42歳/土木)
・手間をかけて自分を育成してくれた会社、上司や先輩たちの努力を無駄にしてしまうことになるのが申し訳ないから。特に、公正で信頼できる上司に対しては、とりわけ申し訳ない気持ちになった(男性/53歳/建設)
・自分を良い人材と見込んで採用してくれたのに、辞めてしまうのは悪いなと思うから(女性/43歳/出版)
・転職のためということを隠して会社を休まなければならなかったのがつらかった(女性/29歳/不動産)
・自分だけ今の環境から逃げる準備をしていることになるから(男性/31歳/ファッション・アパレル)
・上司や先輩に、何かと相談にのってもらったのに、結果的にその気持ちに応えられなかったので(女性/54歳/建設)
・仕事で先の計画について話しているときなどに、心の中で「その頃はもう自分は居ないだろうな」と思うと、たまらなく申し訳ない気持ちになった(女性/48歳/教育)
・一人だけブラック企業から逃げるようで申し訳なかった(男性/33歳/電機)
・今、自分が担当している業務を後輩がすべて引き継ぐことになるため、後輩の業務量が増えるだろうから(女性/35歳/専門商社)
罪悪感を感じた理由としては、自分が会社を辞めることであとに残された仲間たちの負担が増えることを挙げる転職経験者が多く、自分だけが厳しい環境から逃れることを挙げる人も少なくありませんでした。
「採用してもらった」「育ててもらった」という恩に報いることができないことを気にする人も見受けられました。
罪悪感を感じても9割の人は、転職を続けていた
罪悪感を感じた際、転職活動はそのまま続けた?それともやめた?
●罪悪感を感じた際、転職活動はそのまま続けましたか?それともやめましたか?複数回転職の経験がある場合は、最も罪悪感を感じた転職についてお答えください。(n=94、単一回答)
転職時に罪悪感を感じたという転職経験者に、罪悪感を感じながら転職活動を続けたかどうかを尋ねたところ、9割を超える転職経験者が「続けた」と回答。大多数の人は転職活動を継続したことがわかりました。
属性別では、「続けた」人の割合が、男性91.3%に対して女性が93.8%、未婚者94.4%に対して既婚者91.4%となり、属性別では大きな違いは見られませんでした。
また、「続けた」人の平均年齢が41.7歳なのに対して、「やめた」人は49.9歳と差が開きました。
なぜ転職活動を続けた?やめた?転職経験者たちに聞いたその理由は?
転職活動を続けた人の理由
・罪悪感もあったがそれよりもチャレンジしたかったので(女性/42歳/土木)
・自分の将来を考えると、罪悪感よりも転職で得られるものの方が大きいと思ったから(男性/47歳/教育)
・どうしてもやりたい仕事があったから(女性/37歳/鉄道)
・これ以上この組織にいても自分が活かせないと感じたから。また、社会全体で見ると、社会人として育ててもらったお礼は、転職先で返せばいいと思ったから(男性/39歳/建設)
・仕事をしている時間は、トータルで見ると人生で一番長いので、自分にとって最も良い環境で働ける職場に転職することを、罪悪感よりも優先すべきと考えたから(女性/48歳/教育)
・その職場に居る限り自分が成長できないと感じたから(女性/28歳/介護・福祉)
転職活動をやめた人の理由
・罪悪感があり、今の会社でもう少し頑張ってみようと思ったので(女性/45歳/陸運業界)
・今の職場をほかの職場と比較してみたら、今の職場にあらためて魅力を感じたから(女性/44歳/教育)
転職活動を続けた理由としては、自分の成長やキャリアアップ、納得のいく人生の選択を求める気持ちが罪悪感を上回っていたことを挙げる人が多く、目的のために優先順位をつけたことがうかがえました。
一方で、罪悪感のために転職活動をやめた人は、罪悪感が転職のメリットを上回っていたり、あるいは転職の動機を見直した結果、今の職場への満足感を再認識したりしていたことがわかりました。
罪悪感と上手に向き合うにはどうしたらいい?
転職経験者たちに聞いた罪悪感との付き合い方
最後に、転職活動の経験者に「罪悪感と上手に付き合いながら転職活動を進めるコツ・方法」について、アドバイスをもらいました。
・自分の人生、ほかの誰も責任を取ってくれないのだから、罪悪感は置いておいて、自分の納得いくまで転職活動をしたほうがよいと思う(女性/35歳/専門商社)
・大切なのは、過去ではなく未来なので、罪悪感を持つ必要などありません(男性/45歳/シンクタンク)
・自分に合う職場は必ずあるはず。我慢して合わない職場で働いているほうが、個人の力を活かせていないことになり、世の中全体にとって不利益です。また、自分に合う仕事をしていれば、転職という考えさえ浮かばなくなるもの。自分の人生なので、転職活動は自分ファーストで行ってよいと考えてみてください(女性/51歳/教育)
・決めたなら前に進むしかない!(女性/32歳/薬局)
・自分の気持ちに素直に向き合おう(男性/48歳/鉄道)
・後悔しない人生を送るためにも、人の目は気にしないで!(女性/35歳/ホテル)
・罪悪感を持つのは仕方のないことだが、覚悟を決めたら罪悪感は捨てること。そして、罪悪感を少しでも軽くするためには、一時的なネガティブ思考で発言したり、行動したりしないようにしよう。そうでないと、残った同僚、先輩、上司、企業に対して失礼だし、迷惑をかけることになる(女性/51歳/建設)
・新しいことへの挑戦に不安や心配はつきもの。罪悪感もそうだと思う。でも、必ずなんとかなる。勇気を出して!(女性/50歳/医療)
罪悪感との付き合い方としては、罪悪感を感じるのは当然のこととして受け止めた上で、割り切ったり捨て去ったりすることで転職活動を続けることを勧める声が多く見受けられました。自分の活躍が社会全体の利益になるという全体最適の観点から優先順位をつけたという人も複数見られました。
転職に罪悪感を感じたとしても、悔いの残らないように行動しよう
罪悪感を感じながらも転職を経験した人たちの声からは、最後は自分の人生が最優先と踏ん切りをつけてから、自分自身の成長や活躍のために決断をしたことが伝わってきます。
また、転職活動で転職前の職場に迷惑をかけないようにしたり、転職前の職場について否定的な発言をしたりしないように心がけることなども、罪悪感と上手に付き合いながら転職活動を進める秘訣のようです。
【調査概要】2019年5月30日~5月31日 株式会社ジャストシステム「転職に関するアンケート」 調査対象:転職を経験したことのある男女331名
WRITER:日笠由紀 EDIT:リクナビNEXT編集部
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