転職先が「合わない」と感じたら?対処法と転職活動を再開する場合の退職理由の伝え方【例文付き】

転職活動して、せっかく希望の企業に入社したけれど、前職や過去に勤めた企業と比べてしまい「合わないかもしれない」と不安になってしまう方も少なくないようです。
合わないと感じても、転職したばかりでは、そのまま転職先企業に残るか、また転職活動を再開するかも悩みどころです。
今回は、合わないと感じた時の考え方を整理し、もう一度職したほうがよいか判断するためのポイントをご紹介します。
合わないと感じたら「転職理由」を振り返ろう
職歴は、どんなに短くても履歴書や職務経歴書に書かなければなりません。
転職して間もないうちに次の会社を探そうとすると、採用担当者に在籍期間の短さを懸念される可能性が高くなります。
また、転職できたとしても次の企業が必ず「合う」とは限りません。
すべての希望を満たしている職場を見つけられたら理想的ですが、パーフェクトな職場はなかなかないものです。
入社したての時は、企業文化・風土に違和感を覚えたり、慣れない業務内容に戸惑ったりすることは多いものです。
入社したばかりで、慣れない仕事を抱えながら転職活動を再開するのは心身ともに負担がかかります。
万全ではない状態で「とりあえず別の会社に転職したい」と転職先を妥協して決めてしまうことで、再び合わない会社に転職してしまうリスクも考えられます。
そのため、いきなり転職活動を再開するのではなく、前回の転職活動時の「転職理由」を振り返ることで、転職したほうがよいかどうかを判断してみましょう。
「転職理由」が実現できている場合
「成果に合った給与を得たい」「裁量権を広げたい」「土日は必ず休みたい」…理由は人それぞれですが、転職で実現したかったことが現在の会社で叶っているのであれば、転職するか迷う前に「合わない」と感じた点について改善の余地はないか探してみることをお勧めします。
特に、転職活動をした際に転職理由を実現できる企業が少なかったり、なかなか転職先が決まらなかったりした場合は、次の転職活動で納得できる転職先が見つかるとは限りません。
現状を改善できる余地がないか探った上で、解決策が見つからない場合に転職を検討しましょう。
「転職理由」が実現できていない場合
転職理由が実現できていない場合も、再度転職した場合のデメリットを考慮して判断しましょう。
社内外への働きかけなどを行っても改善の見込みがなく、早期退職のデメリットを考慮しても「合わない」ことへのストレスが大きいのであれば、転職活動を再開することをお勧めします。
転職する場合は、在籍期間の短さを採用担当者に問われる可能性が高いため、面接が決まったら「短期で退職した理由」をしっかりと考えておくようにしましょう。
その際は、一方的な企業批判にならないよう配慮し、「合わないと感じた部分を事前に確認できなかったのか」「自ら改善に向けた行動をしたのか」などの指摘を想定した補足があると良いでしょう。
合わない原因別の対処法
「合わない」と感じる原因によって、対処法は異なります。
人間関係や社風など、よくある4つのケースと対処法をご紹介します。
人間関係が「合わない」
人間関係は、自らの働きかけや立ち居振る舞いによって、ある程度改善することができます。
人によってコミュニケーションの傾向や好みは異なるため、例えば「上司と合わない」と感じたのであれば、同じ組織のメンバーに相談し、付き合い方のアドバイスをもらう、または別の管理職に相談するなどして、解決策を探しましょう。
入社したばかりで相談する相手が見つからない場合は、採用担当者に聞いてみるという方法もあります。
社風が「合わない」
「トップダウンの社風」「根回しが重要視される文化」…など、これまで過ごしてきた企業と入社した企業とで社風や文化にギャップが大きい場合、戸惑い、この先も馴染めないのでは?と不安に感じる方もいるようです。
ただし、どのような企業でも独特の社風や文化があり、見方によって短所と長所になるものです。
例えば「トップダウン」という短所も、「判断が速い」という長所に、「根回しが重要視される」という文化も、「情報共有を密にする」という長所になります。
良い面も意識すると、「合わない」という印象も変わってくるかもしれません。
業務内容が「合わない」
業務内容が「合わない」と感じた場合は、本当にその違和感がもう一度転職活動をするほどのことかどうかを考えましょう。
日常の仕事を近視眼的に捉えるのではなく、「誰に対して、どのように役に立っているのか」「事業にはどのような影響があるのか」を考えてみることで、仕事の価値に気付けるかもしれません。
また、転職したほうがよいか悩む前に、社内で何かできることがないか考えてみましょう。
例えば、業務内容は希望を出したり、積極的に関与したりすることによって変わる可能性があります。
短期的に判断せず、まず自ら動いてみましょう。
そして「合わない」と感じる業務も経験のひとつになります。
「得られることは何か?」という視点で取り組むことも今後のキャリアに有効です。
給与や待遇が「合わない」
「転職活動時に提示された給与や待遇と異なる」という場合は、転職活動時に提示された労働条件通知書や雇用契約書を確認してみましょう。
交わされた書類と実態が異なっているのであれば、現職に確認や交渉をしましょう。
会社に直接伝えて労働条件の改善を図り、改善が見られないようであればハローワークに相談しましょう。
転職活動時に提示された条件に相違はないものの、「思っていたより給与が上がらない」「もっと評価されると思っていた」など、自分の認識とギャップがある場合は、自己評価と会社からの評価が異なっている可能性があります。
上司に相談し、自分が求める給与や待遇を得るにはどのような成果を出せばいいのかを確認してみましょう。
転職活動を再開する場合の進め方
転職活動を再開する場合は、在籍期間の短さをカバーし、自分に合う企業を見つけるための、進め方のコツがあります。
後悔しない転職を実現するために、事前の準備が重要です。
仕事を続けながら転職活動を進める
転職して間もなく転職活動を再開する場合は、退職せずに現職と並行して転職活動を行うことを検討しましょう。
在籍期間が短いため、採用担当者に定着性を懸念されてなかなか選考を通過しない可能性があります。
また、「次は失敗したくないので厳選したい」と慎重に考えて、応募する企業が少なくなってしまうかもしれません。
退職していなければ、転職活動が長引いたとしても収入が維持される上に、ブランク期間も発生しません。
不安要素が少ない状態で転職活動を進められるでしょう。
自己分析を行い、優先順位をつける
転職理由が実現できているのに「合わない」と感じたということは、「当初考えていた転職理由の優先順位が違っていた」という可能性も考えられます。
例えば、「念願だった年収アップが実現できているのに、人間関係が気になって転職を考えている」のであれば、潜在的に転職に求める条件の優先順位が、「年収アップ」よりも「職場の人間関係」の方が上だったのかもしれません。
転職の優先順位が整理されていないと、転職先を選択する際に見誤ってしまう可能性があります。
転職活動を始める前に、自己分析を行って自分が重視したいことや仕事に求める価値観を明らかにしておきましょう。
退職理由を答えられるようにする
在籍期間が短い場合は、退職理由を聞かれる可能性が高くなります。
その際に、合わない理由を直接伝えてしまうと、「不満を持ちやすい人物なのでは」「自己主張が強すぎるのでは」など、ネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
合わない理由を伝えるのではなく、自分がどのような働き方を実現したいのかを中心に、ポジティブに伝えるようにしましょう。
面接で退職理由を聞かれたら?
回答例文退職理由を聞かれた場合に備えて、面接が決まったら退職理由への答えを準備しておきましょう。
合わない理由別に、退職理由の回答例文をご紹介します。
人間関係が「合わない」と感じた場合の回答例
「社会課題を解決する」という経営理念に共感して現職に入社したのですが、しばらくして社内に派閥があることが分かりました。 派閥で意見が対立してしまうと、調整や説得にとても時間がかかります。入社したばかりで社内の中では若手だったので、自分ひとりでは複雑な人間関係を整えることができませんでした。 他に社会課題を解決できる環境を見つけるために、転職を決意しました。 |
社風が「合わない」と感じた場合の回答例
チャレンジ精神を重視する社風に魅力を感じて転職したのですが、チャレンジを重視するあまり個人主義が強く、チームワークが発揮されないことに違和感を覚えるようになりました。 もちろん、新しいことに取り組んで成果を出すことは重要ですが、お互いに協力・共有しながら仕事を進めることも重要だと考えています。 上司にも相談したのですが、組織の優先順位を変えることは難しく、転職を決意しました。 |
業務内容が「合わない」と感じた場合の回答例
顧客との信頼性を重視した営業方針に共感して転職したのですが、方針が変わり新規獲得重視になりました。 もちろん新規獲得も重要な営業活動なので、新規獲得と既存顧客との関係構築のどちらも力を注いでいましたが、限られた時間の中で両立することが難しく、やはり本来実現したかった営業スタイルに集中して成果を出したいと考え、転職を決意しました。 |
給与や待遇が「合わない」と感じた場合の回答例
大阪勤務を希望していたのですが、入社後数カ月で関東の支社に転勤が決まりました。 当初は問題なかったのですが、家族の病気の関係で定期的に入院のサポートが必要となり、実家のある大阪近辺での勤務を迫られました。 会社にも大阪勤務の希望を出したのですがなかなか通らず、転職を決めることになりました。 |
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