徹底したヒアリングと“収れん”。 先端的で難解な事業を行う企業での複数名採用に成功 “GOOD AGENT AWARD 2018” 金賞
Innovation Factory株式会社 加地 裕子氏
2013年、「ライフサイエンスの発展」を目的に設立されたベンチャー企業。先端的かつ難解な事業で、技術者を含む複数名が同時に入社した背景には、加地裕子氏の徹底した、マッチングのための“収れん作業”があった。
難解な事業の理解、クライアントニーズをどこまで掘り下げられるか!?
「CFOが欲しい。600万円出す」――その1通のメールが、A社と加地裕子氏との出会いだった。同社は、京都大学構内に本社を置く11名のベンチャー企業。産学連携で開発した技術を基に、細胞・微生物などの評価・制御・製造にかかわるデバイス・装置を開発している。Webサイトを見ても情報が少なく、事前の準備は手づまり。「とりあえず詳しい話を聞かなくては」と、アポイントを取った。
「社長とナンバー2が、事業内容や欲しい人材について易しく説明してくださるのですが、私にはちんぷんかんぷん。お二人の不安そうな表情を見て、『これはマズイ!』と焦りました。そこで火が付き、『すみません、出直します!』と」
もらってきた会社案内や二人の話を書きとったノートを見直した加地氏。
「これまで1万社ほどの企業とおつきあいがあるので、それでも聞きなれない用語というのは、A社の特性・優位性に繋がるものだろうと思い、自分の中で引っ掛かった用語を片っぱしからマーカーでチェックしていきました。電気特性解析だとか、マイクロ流体制御だとか」
加地氏は、求める人材像を絞り込むための独自の企業ヒアリングシート、いわば“あんちょこ”を持っている。それは、①外部環境、②内部環境、③競合・競争優位性、④今後(将来)の方向性、⑤求める人物像(スペックとタイプ)、募集内容と仕事内容、⑥求める人物像から見た企業像、➆効果測定の7項目からなる。加地氏は抜き出したキーワードとこの7項目をもって、二度目のヒアリングに挑んだ。
「事業の骨子が理解できて、キーワードをもとに必要とする人材像が共有できればなんとかなると思って、とにかく聞いて、掘り下げました」と、加地氏。そしてCFOの採用のみならず、2021年のIPOを目指し、その他の職種も公募して40名体制にしたいことなどを確認した。
電話ヒアリングや書類選考前準備で面談後のミスマッチをなくす
加地氏は、A社の人材像に関するキーワードを共有し、同社社員にもインタビューを実施。また、書類選考した求職者は、当落にかかわらず理由を確認。そうして “A社に関する相場観”を自分の中で醸成し、収斂する作業を行っていった。
結果、採用されたのは機械設計、経理、品質管理の3名。書類選考と面接2回で採用が決定した。書類選考に進む前、加地氏はレジュメを見ながら、約1時間の電話面談で追加ヒアリング。人となりも確認した、応募者の了承を得てA社にレジュメの開示を行った。
「特に技術系のレジュメは比較的しっかり詳細に書かれていることが多いので、企業側の質問も端的です。だから『この経験があるか、イエスかノーで聞いて欲しい』と言われれば、すぐ本人に確認。そんなレスポンスの速さも、企業・求職者双方にとってよかったかもしれません。そうしてある程度、A社との確認が取れたところで正式に書類選考となったので、大きなズレはありませんでした」
経営者の夢に寄り添い、求職者の夢を叶える
機械設計で入社した方は、装置の量産化が決まり、そのプロジェクト遂行のキーパーソンとなっている。品質管理で入社した方も、大手メーカーのオーダーに合わせて製品をカスタマイズする仕事で、活躍中。管理部に入った経理の方も、既に中枢社員だ。当初11名だった社員は25名まで増えて、着々と組織拡大および事業発展を実現しつつある。
「A社を訪問した際、入社された方々が仕事の手を止めて会いに来てくれて、『これ私が作ったものなんですよ!』など、楽しそうに話してくれるのを見ていると、お手伝いができて本当に良かったと思います。CFOの採用は結局、ネットワークを通じて採用されたので私はお役に立てなかったのですが、社長もこれでご自身の本来なすべき業務――研究を深めることや、海外市場シェアを取りにいくことなどに注力できます。微力ですが『100年続く企業でありたい』という社長の思いに貢献できたことも喜びです。私は、人材採用では28年というキャリアですが、実はエージェントは4年目(笑)。求職者の方々向けにお手伝いできることをもっと探求していきたいと思います」
転職者・企業へのメッセージ
【転職者の方へ】
“進みたい未来”への答えは本来、ご自身がお持ちです。思っていることを口に出し私はじっくり聞きあなたの“鏡”になって、答えを導く“気付き”を提供していきたいです!
【企業様へ】
“進化し続けることで100年続く企業にしたい”という夢をお持ちの企業様を人材採用を通じて支援します。経営者の抱える事業継続・承継などの課題にも採用面から取り組んでいます。
【プロフィール】
Innovation Factory株式会社 加地 裕子氏
1986年、㈱リクルート入社。HR領域において企業の経営課題解決に従事。2014年、ベンチャー投資やファンド投資を行うInnovation Factory㈱入社(18年社名変更)、有料職業紹介事業を担当。内閣府や大阪府、中小企業庁など行政職務も兼任。
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