面接で好印象を与える自己紹介のポイントと例文

面接のはじめに、自己紹介を求められるケースは多いようです。
どのように回答すれば、好印象を残せるでしょうか?
この記事では、自己紹介の基本構成や時間の目安、話し方のポイントなどについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が解説します。
自己紹介の基本構成と時間の目安
面接で自己紹介を聞かれるタイミングは、面接開始直後の導入であるケースが多いようです。そのため、面接の第一印象が決まる重要なパートと言えるでしょう。
時間は1~2分程度が目安
その後に職務経歴や志望動機などの質問も控えているため、自己紹介は1~2分程度でわかりやすく、端的に答えると良いでしょう。
文字数にすると、200~300文字程度が一つの目安となります。自己紹介の内容を準備する際の参考にしてみてください。
自己紹介の基本構成
自己紹介では、次の基本構成に沿って、要点を絞り簡潔に自分のことを伝えましょう。
- 挨拶
挨拶と、面接の機会をもらえたことに対するお礼を伝えます。 - 名前と簡単な経歴紹介
フルネームを伝え、現在の仕事内容と役割、これまでの経歴を簡単に伝えます。 - 実績や身につけたこと
応募企業・職種にマッチする実績や身につけたスキルについて簡潔に説明します。 - 入社意欲、面接への思いや意気込み
なぜ応募しようと思ったのか、志望理由を一言で伝えたうえで、面接への意気込みについて触れます。 - 結び
「どうぞよろしくお願いいたします」で結びます。
基本構成に沿った自己紹介例文
上記を踏まえた自己紹介の例文をご紹介します。この内容を参考に、自分ならではの自己紹介をまとめてみましょう。
本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございます。 山田太郎と申します。大学卒業後、ITサービスを展開する株式会社〇〇にて法人営業に3年間携わり、2年前からはSaaS会社の□□株式会社で法人営業に従事しています。 新規開拓営業における顧客との信頼関係構築力が強みであり、入社以来、目標数字をすべて達成し続けてきております。この経験をぜひ御社でも活かして、事業拡大に貢献したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。 |
「自己紹介」面接担当者はここを見ている
面接担当者が自己紹介で見ているポイントは、主に次の3点です。
論理的な話し方ができているか
面接冒頭の限られた時間の中で、前述の基本構成の内容を過不足なく、要点を整理して話せているかどうか見られています。
話が脱線したり別の要素を含んだりすることなく、自己紹介として論理的に伝えられているかも確認されています。
明るさや自信、熱意などの印象
自己紹介では、コミュニケーション力も確認されています。明るい表情で気持ちよい答え方をする人に対しては、入社後のコミュニケーションも円滑に進むと期待できるでしょう。
また、自己紹介の内容や話し方から、自分の経歴に自信を持っているかどうか、面接への意欲や志望度が高いかどうかも見られています。
自社との接点
自己紹介の内容から、応募者の経歴や人柄の全体像を把握し、経験やスキル、強みなどが自社の求める要件にどのくらい合致するかを確認しています。
自己紹介での経歴や実績などをもとに、この後の転職理由、志望動機などの質問を深掘りして、より自社とのマッチ度を測ろうとする面接担当者も多いと考えられます。
好印象を与える話し方のポイント
面接の冒頭で聞かれることの多い自己紹介は、第一印象を大きく左右します。
話す内容に加え、話し方にも気を配ると、好印象を与えやすくなるでしょう。
ハキハキとした口調、明るく自然な表情
面接冒頭で、まだ緊張感が抜けないタイミングではありますが、暗い表情でボソボソ話してしまっては応募意欲を疑われかねません。
できるだけハキハキとわかりやすく話し、明るい表情を意識しましょう。
ここで面接担当者に好印象を残せれば、その後のコミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
相手の顔を見て話す
相手の顔を見て話すことは、良い関係性を築きたい、意思疎通を図りたいという意思の表れでもあります。
目線がずれていたり、下を向いていたりすると、意思疎通ができているか不安感を抱かれる可能性があるため、アイコンタクトを意識して話すようにしましょう。
聞き取りやすいスピードと音量
緊張していると、自分では気づかないうちに早口になっていたり、声がくぐもったりしてしまうことがあります。早口すぎず遅すぎずのスピード感で、声の大きさも程よい音量を心がけましょう。
面接に臨む前に練習し、自分の話し方を録音して聞き返してみると、思わぬ話し方のクセに気づけるかもしれません。
話しすぎず、簡潔にまとめる
自己紹介は、自分について簡単に紹介する「サマリー」のような機会です。
したがって、前述の通り1~2分程度に収めることが基本。志望動機や自己アピールの機会は別に設けられるので、自己紹介では「わかりやすく簡潔に」を徹底しましょう。
「簡単に自己紹介させていただきます」と切り出すのも方法
自己紹介の基本構成の「挨拶」の後に、「簡単に自己紹介させていただきます」といった定型句的な言葉を入れるのも一つの方法です。
このような言葉がワンクッションとなり、面接担当者が「聞く態勢」を整えられる効果があると考えられます。
自己紹介でありがちな失敗例
自己紹介では、簡潔に要点を伝えることが大切です。しかし、緊張してしまったり、アピールしたいという気持ちが強すぎたりしてしまうケースも見受けられます。
自己紹介において起こりがちな、次のような失敗例に注意しましょう。
自己PRや志望動機まで話してしまう
自己紹介においては、経歴紹介や志望理由についても触れますが、自分をアピールしたいあまり、自己PRや志望動機を長々と話してしまう人がいるようです。
いずれの項目も別途質問されるケースが多いので、後でじっくり説明するためにも、自己紹介の場ではひと言程度に留めましょう。
なお、「自己紹介」と「自己PR」を混同している人がいますが、自己紹介は自分の基本情報を説明するものであり、自己PRは「自分の強みやスキルを売り込む」ことが目的のものです。
求められる内容が異なるため、間違えないよう気をつけましょう。
端的になりすぎる
逆に、内容が端的になり過ぎるというケースもあるようです。多くの場合、緊張しすぎて経歴や志望理由などを端折ってしまったり、面接準備不足で自己紹介で求められるものを理解できていなかったりして、必要な情報が伝えられていないようです。
前述の基本構成を意識して、過不足なく伝えることを意識しましょう。
表情や声のトーンが暗い
面接の場を「企業から一方的に評価される場」と捉えてしまい、過度に緊張したり、「準備した通りのことを言わなければ」と焦ったりした結果、表情が固まり、平坦な話し方になってしまう人は少なくありません。
面接は企業と求職者の相互理解の場でもあり、求職者が企業を見極める場でもあります。できるだけ肩の力を抜き、リラックスして臨みましょう。
そして、自己紹介を準備するのは大切ですが、記憶したものをそのまま読み上げるのではなく、場の雰囲気に応じた自然な話し方を意識しましょう。
経験や強みなどが抽象的で伝わりにくい
経験やスキル、強みを伝える際、例えば「長く携わった」「改善した」「達成した」「けん引した」など抽象的な言葉を多用してしまうと、具体的な内容が伝わりにくくなります。
簡単にエピソードを加えたり、「〇年間携った」「〇%改善した」「〇件受注した」などと数字を示したりすると、具体的なスキルや強みが伝わりやすくなります。
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