未経験でアパレル業界へ転職を目指す際のポイント
「憧れのアパレル業界で、大好きなブランドに関わって働いてみたい。でも、未経験でアパレル業界への転職は可能?」そんな疑問に、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがお答えします。
未経験者がアパレル業界に転職できる可能性や、転職活動の際のポイントなどを解説。異業種からアパレル業界を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
アドバイザー
株式会社リクルートキャリア
依田 萌
人材紹介会社の営業、キャリアアドバイザーを経て、リクルートキャリアに転職。販売・サービス業界中心のキャリアアドバイザーとして活躍。
「未経験からアパレル業界」は職種によっては可能
結論から言うと、職種によっては「可能」です。
アパレル業界には、デザイナー、パタンナー、プレス、営業、販売、事務、生産管理などさまざまな職種がありますが、募集件数が多く、未経験者も広く採用しているのは「販売職」です。
実際、アパレル業界からリクルートエージェントに寄せられる求人の約8割は販売職と圧倒的に多く、その大半が未経験者にも門戸を開いています。
なお、残り2割の中ではアパレル系ECサイトのバイヤー募集が増えつつありますが、ある程度の経験が必要とされるケースが多いです。
デザイナーやパタンナーなどの専門職は、アパレル業界での経験と実績が評価の対象になるため、全くの未経験から目指すのはかなり難易度が高いでしょう。
アパレル業界における販売職の仕事は、店舗での接客・販売がメイン。
現場で接客・販売経験を積んだのち、店長候補、副店長、店長とステップアップしていくのが一般的なキャリアパスです。
そこから先のキャリアは企業によってさまざまですが、いくつかの店舗を束ねるエリアマネージャーや、本社の企画・マーケティング部門などが代表的。
販売の仕事から着実に経験を積んでいけば、将来的にはさまざまなキャリアが広がっているといえるでしょう。
アパレル業界を目指す際のアドバイス
未経験からアパレル業界を目指す場合の注意点やアドバイスをご紹介します。
面接までに志望理由を明確にしておく
ブランド知名度の高い・低い、商材単価の高い(ハイブランドなど)・低い(ファストファッションなど)で、求められるスキルは少しずつ変わりますが、どの企業、どのブランドでも必ずチェックされるのは「なぜうちの会社、このブランドを志望するのか」。
単に「このブランドが好きだから」だけではなく、なぜ好きなのか、どんなところが好きなのか、深く掘り下げて聞かれます。
アパレル業界はキラキラと華やかなイメージがありますが、販売職は実はとてもタフな仕事。
売り場に出れば1日中立ち仕事ですし、たくさんの洋服が入ったダンボールをいくつも売り場に運ぶなど「体力勝負」の場面も少なくありません。そして、店舗予算の達成度合いをシビアにチェックする企業もあります。
身体的にも精神的にもタフな環境でも、顧客の前では笑顔で頑張り抜けるぐらいの「ブランド愛」が試されるのです。
もちろん、応募時点で「ブランド愛」にこだわって企業を絞りすぎてしまうと可能性も狭まってしまいます。
そのため、興味を持ったブランドは幅広く応募しておき、面接が決まったら、なぜ他社ではなくこの会社、このブランドなのか、自問自答を繰り返して「なぜ」を掘り下げ、志望理由をとことん明確にしておくことが重要です。
例えば、ホームページやECサイトを使ってみる、競合も含めて店舗に足を運んでみるなど、ブランドを理解するための行動を起こしてみましょう。
そして、洋服を着てみたときの感覚、周囲の声、お店の雰囲気や店員の接客態度、ブランドの目指す方向性、業界内での立ち位置、ライバルブランドとの差別化ポイントなど、さまざまな角度から理由を考えてみます。
なお、外資系ハイブランドや、著名なデザイナーが立ち上げた有名ブランドであれば、ブランドのルーツやデザイナー本人についても理解しておくと、より「ブランド愛」が深まるかもしれません。
履歴書の志望動機・志望理由の書き方(例文付き)
「ブランドの雰囲気」を意識する
選考の際は、志望企業、志望ブランドの雰囲気に合っているかどうかも見られます。
面接の際にブランドの服や小物を身に着けていくのはもちろん、「ブランドの雰囲気」を身にまとう努力も必要です。
例えば、ハイブランドであれば、それに合ったマナーや立ち居振る舞いが重視されます。若者向けのカジュアルブランドならば、明るい笑顔とハキハキした受け答え、テンポのいいコミュニケーションが評価されます。
判断に迷ったら、「このまま志望するブランドの店頭に立ってもおかしくない」服装と雰囲気を目指すといいでしょう。
なお、ブランドのターゲット層に近いほうが、顧客とのコミュニケーションが図りやすいため、採用に有利に働く傾向があります。
未経験の場合は特に、ご自身とターゲット層が似ているブランドを狙うのもひとつの方法です。
個人向け接客サービス経験がある人は有利
アパレルでの業務経験がなくても、「個人向け接客サービス経験」がある人は有利です。
例えば、飲食業界での接客経験、小売店での販売経験など、個人客とコミュニケーションを取ってきた経験は、アパレルの販売職でも大いに活かすことができます。
どんな顧客に対し、どんな接客を行ってきたのか、接客の際のポリシー、仕事で得た成功体験、店舗での売り上げ実績などをアピールすれば、採用担当者に「自社での活躍ぶり」を具体的にイメージさせることが可能になります。
外食、小売りの他にも、さまざまな生徒や保護者とのコミュニケーションで培った対人折衝力が評価され、学習塾の塾長からアパレルの販売職に転身した例もあります。
前述のように、なぜその企業、そのブランドなのかを明確に伝えることができれば、「ブランド理解が深く、未経験で入社してもすぐキャッチアップしてくれそうだ」という評価につながります。
また、「仕事の内容が具体的にイメージできているかどうか」も見られます。入社後に「こんな仕事だと思わなかった」とギャップを感じ、すぐ辞めてしまう…というリスクを避けるためです。
実際に店舗を訪れてみよう
販売職のいいところは、実際の「働く現場」を簡単に見ることができる点。
志望するブランドの店舗に足を運び、店の雰囲気を肌で感じ、お店のスタッフと会話するなど接点を持ってみましょう。
そして、どういうところに魅力を感じたのか、自分ならばどんな接客をしたいと思ったのかをまとめ、応募書類や面接の場で伝えれば、高い意欲と熱意をアピールすることができます。
EDIT:リクナビNEXT編集部
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